パニック障害・全般性不安障害いつまで続くの?治るまでの期間は?

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

不安障害(パニック障害・全般性不安障害)になると不安感、動悸、息苦しさなどに悩まされるので早く症状に悩まされない生活がしたい、いつまでこの辛さが続くんだろうと絶望してしまいますよね。

今回はそういった不安障害の症状がいつまで続くのかについて一緒に考えていきたいと思います。最後まで是非ご一読ください。

結論:個人差が大きいですが、数週間~数年

当院でも多くのパニック障害、全般性不安障害の方を診させて頂いておりますが、治りやすさや治るまでの期間は個人差が非常に大きいです。

そもそも、治るをどう定義するのか?によっても大きく違います。

当院に来院されて早い方ですとパニック障害の症状が1~2週間でほとんど症状が改善してしまう場合もありますが、平均的には3ヶ月ぐらい、長い方ですと1年以上改善まで時間がかかることもあります。

初めてパニック障害になった方と、再発した方とでは初めてパニック障害になった方の方が比較的早く改善されますが、それでもどのような経緯でパニック障害になったのかによって大きく違います。

重症・軽症や発症されてから来院されるまでの期間なども改善期間に大きく依存します。

そうはいっても何年も前に発症して重症化してしまっている、すでに何度も再発を繰り返して慢性化させてしまっていると、辛さは軽くなるけれど日常生活にどうしても制限が残る方もいます。

そうはいっても、そもそも今現在からは変えられない要因なので、今から何が出来るか?について考えていくことが大切です。

そういった変えることが出来ない要因を除くと改善が良い方は比較的じっくり腰を据えられている方は改善が早い印象です。

改善が遅い方は〇月まで治さなくてはいけない(期限を設けている)など、早く治さなくてはと焦っていたり、他の方に比べて自分の改善の速度が速いのか遅いのか?私のような人はいるのか?を気にされる方が多いです。

不安障害は頑張れば改善するという根性論ではなく、リラックス状態になってしっかりと休養する事、そして、リラックス状態を維持できるか、不安症状をコントロールする技術を身につけられるかが改善に大きな影響を与えます。

〇月までに治したい!と期限を決めてプレッシャーがかかっていたり、他の人と比べて自分が遅いとか早いとか競争をしてプレッシャーをかけてしまっていると改善はしずらくなります。

早く治そうという焦りそのものがストレスになり、そのストレスに邪魔されることでリラックスした休養が取れず、それによって症状がなかなか改善されず、さらに焦るからだと考えています。

焦りがストレスとなって治りにくくなる

焦りがストレスとなって治りにくくなる

焦燥感自体が症状としてはありますので、焦ってしまうことを責める必要はありませんが、すぐには治らないと、ある程度諦めて腰を据えている方が、結果的にリラックス状態に入りやすく改善が早くなることが多いです。

急がば回れという言葉の通り、早く治すのであれば早く治そうとしないことが結果的に早く改善することにつながっていきます。

効果を焦る方ほど、なかなか改善されずに同じ状態でずっとあがいているという感じの方が多いです。

薬は正しく使えていますか?

不安障害の多くはストレスによって脳内のセロトニンの分泌量が低下した結果、脳内のセロトニン量が不足するようになって発症すると考えられています。

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その為、不安障害の症状自体は薬を使ってセロトニンを増やせばある程度コントロールできる場合もあります。

不安障害の治療薬はSSRI系お薬で、セロトニンの再吸収を邪魔して、脳内のセロトニン量を増やすことで不安を落ち着かせる作用があるお薬です。

しかし、元の原因はセロトニンの分泌不足からセロトニン量の不足が発生しています。

セロトニン量が薬によって増えたからといって低下したセロトニンの分泌量が元の水準に戻っているわけではありませんから、症状が落ち着いているからといってストレスをかけるとさらにセロトニンの分泌量が低下して重症化してしまいます。

本来はお薬を使って症状が落ち着いているうちに、セロトニンの分泌量を増やす生活習慣、運動習慣、食事習慣、睡眠、認知の修正を行うことが大切です。

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しかし、心療内科・精神科の保険診療ではそこまで細かな指導を行っている時間的余裕がないのが現状です。

その為、薬で症状が抑えられている状態で良しとされることが多いですが、その状態で再びストレスをかけていけば、いずれセロトニンの分泌量が極端に低下して薬で再吸収を邪魔するだけでは追い付かなくなる状態まで悪化してしまいます。

また、治療薬として使われるSSRI系のお薬とは別に、不安感情を抑える為のベンゾジアゼピン系のお薬も併せて処方されることがほとんどです。

パニック障害に使われる薬は大きく2系統

パニック障害に使われる薬は大きく2系統

こちらの方が服薬して直ぐに効果を実感できますが、依存性がある為、2週間以上連続して使用しないことが推奨されていますが、症状を抑える為に2週間以上連続して使用していて、症状が落ち着いてきてから依存状態からの脱却を目的に来院される方も多いです。

特にベンゾジアゼピン系の抗不安薬は、本来は辛い症状を和らげて頑張って日常生活を維持していくために処方されるお薬ではありません。

辛い症状を取り除いて、症状から来るストレスを減らした状態で自分の身体に合ったストレスレベルに下がるように環境を整備したり、ストレス耐性を上げるトレーニング(運動など)を行って根本的な治療を行う余裕を作り出すために利用されるべきものです。

医師の指示通りに服薬をするということは当然ですが、薬で症状が抑えられただけの状態を治ったと勘違いしないように注意が必要です。

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心配性な人の方が改善は遅いが、再発リスクは低い

小さい時から、色々なことに心配になりやすい心配性な方は不安感を感じやすいという遺伝特性を持たれている方の可能性があります。

そういった方の場合、そうでない方に比べて不安を感じやすくなりますが、心配性であることが慎重な特性としても働くおかげで薬で不安が落ち着いていても、無茶をして悪化させていない方が多いです。(薬の害について心配し始めるという問題はあります。)

慎重な人ほど改善はゆっくりだけど、再発しにくい傾向がある。

慎重な人ほど改善はゆっくりだけど、再発しにくい傾向がある。

また、調子が良くなっても原因となった運動不足や認知の歪みの修正を行うといった再発予防まで行ったうえで、卒業されていきますので、再発率も低いのが特徴です。

症状的には強く不安感を訴えられますが、体の状態としては実はそこまで悪い方は少ないです。

しかし、不安へのなり易さを慎重な行動というプラスの要素として利用できずに、単純に悪い方に悪い方に考えてしまい、いつ治るのだろうというストレスを抱えて、改善速度がゆっくりになる方もいるので、不安へのなり易さは毒にも薬にもなるといった感じです。

改善しやすいけれど、再発しやすい人

元々の性格が楽観的な一面を持ち合わせている方は改善傾向をポジティブにとらえることができる方も多いので、ある程度の効果を実感できれば、いつ治るのか?と悩むストレスが少ない傾向があります。

しかし、楽観的な一面があることで、薬で症状が収まっただけで治ったと考えてしまいやすく、すでに薬を使っている方は重症化している場合が多いです。

改善してきたとしても症状がなくなれば、すぐに治ったと考えて元の生活に一気に戻して再発させやすいタイプでもあります。

楽観的な人ほど改善しやすいけれど、再発して悪化させやすい

楽観的な人ほど改善しやすいけれど、再発して悪化させやすい

不安障害の方は何らかの認知の歪みを持っていることが多く、再発予防には不安感が改善された段階からは認知の歪みを修正していくという心理療法が必要になってきます。

しかし、症状が改善されると楽観的な一面が強く出てきて、再発予防が完了するよりも前に「また悪くなった時に来れば同じように良くなる」と変な方向へ楽観的に考え来院されなくなります。

そして、しばらくしてから以前よりもひどく悪化させた状態で来院されることが多いです。

不安障害は再発を繰り返すと、そのストレスによって神経細胞が死滅してしまいます。

うつ病にも言えることですが、再発回数が多ければ多いほど、改善難易度がどんどん高まっていきます。

適度な慎重さと楽観さを持つことが理想

不安障害は現在出ている症状の改善再発の二つの方面から考えていくことが大切です。

症状が辛ければ早く良くなりたいというお気持ちはわかりますが、早く良くなりやすい方ほど慎重さがないと再発しやすいというデメリットもあります。

一番良いのは適度な慎重さと楽観さを持って改善に取り組まれると、それなりに早く改善して、再発もしにくいので人生全体で脳に与えるダメージも少ないので理想的です。

適度な慎重さと楽観さのバランスが大切

適度な慎重さと楽観さのバランスが大切

自分の人生をどうしていきたいのかも考えましょう

パニック障害は、外出することが制限されていたり、電車やバスなどの公共交通機関が利用できない、人混みにいけない、渋滞にはまるのが怖くて運転ができない、高速道路の運転ができない、外食ができないなど、色々な生活の制限をうけます。

全て克服できるのが一番良いですが、再発率は高まりますが、外出することがとりあえずできるようになるだけで十分な方もいらっしゃいます。

どう生きていきたいのか?再発リスクの増加と生活上の制限を受け入れることが間違いではない。

どう生きていきたいのか?再発リスクの増加と生活上の制限を受け入れることが間違いではない。

特定の条件下の時に不安になる場合には暴露療法(エクスポージャー)を行いながら、苦手を克服していく必要があります。

しかし、人生においてそもそも電車やバスに乗る必要性や機会がほとんどない、旅行が趣味ではないので地元を少し移動できる程度で十分、元々家でごろごろするのが好きなど、特定の苦手を克服していく動機や目的がそれほどない場合にはモチベーションが低くなるため、不安や恐怖に慣れる暴露療法に取り組めずに、ある一定以上改善しないことが多いです。

人生の価値観が関わってくる問題になるため、正解は一人一人違いますから自分がどういう人生を生きたいのかによって、どこまで克服に時間や労力をかけるのかを考えてみましょう。

いつまで続くのか?

当院で改善に取り組んでいただいた方の平均では7~8回の施術と心理療法、3ヶ月程度で日常の生活は戻れることが多いです。

症状の残り方によって月に一回程度施術とカウンセリングを行いながら数か月間継続する場合もあります。

しかし、もともとの重症度やここまで話してきたようにその方の性格特性によりかなり影響を受けます。

病院の治療では早い人で半年~1年、長い人で2年半ぐらいだといわれています。

期間が長いのはパニック障害に用いられるSSRI系のお薬が慎重に減薬していく必要があるため、症状が軽くなっても減薬、断薬に半年から1年の時間がかかる性質のある薬だからです。

投薬治療の場合は、体調が改善してからも長期間の通院が必要になります。

まとめ

パニック障害の改善には重症・軽症、発症からの期間、その方の遺伝特性、養育環境など様々な影響を受ける為、数週間~数年とかなり幅があります。

軽症で発症からの期間が短く、遺伝的特性や養育環境でマイナスに働く要素がないほど治るまでの期間は短くなり、反対であれば長期化しやすくなりますが、既に変えることが出来ない要因なので、ここにこだわっても仕方がありません。

今からできることで言えば、焦って治そうとしないことがとても大切です。

薬を症状を消すために使用するという利用の仕方を繰り返してきた方は徐々に重症化していくので、お勧めできません。

心配性と楽観的のバランスが良い方が一番改善しやすい傾向にあります。

広場恐怖の症状も出てくることも多いため、あなたの人生に合わせたゴール設定が大切です。

病院での治療であれば半年から2年半ぐらいだと言われていますが、これは使用するSSRIというお薬の性質上投薬・減薬・断薬に時間が必要な為です。

焦らずにじっくり取り組まれる方が、最終的には改善しやすい傾向にはあります。

当院での改善をご検討の方はパニック障害全般性不安障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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