パニック発作がでたら病院行くべきか?

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

人生の中で初めてのパニック発作は知識がなければショックを受けられる方も多いです。しかし、発作を起こしたのは1回だけで今は元気だし、病院を受診したほうが良いのかわからないことも多いですよね。

今回はパニック発作が出たらすぐに病院を受診すべきなのか?について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。

結論:一時的な体調不良が原因のこともあるので、焦る必要はありません。

パニック発作は急激に交感神経が興奮することで、動悸、息苦しさ、めまい、手足のしびれ(過換気症候群)などの症状が出る発作を指す言葉です。

一方、パニック障害はこのパニック発作が何度も出るようになる、パニック発作が怖くて行動が制限されてしまう、自律神経の症状に悩まされている場合に診断名を付けられます。

その為、1度パニック発作が出ただけで、即座にパニック障害と診断することはありません。

経過を見てパニック発作が持続的に起こっているのか?行動制限が発生しているのかなどを総合して判断していくことになります。

1度パニック発作が出ただけではパニック障害と診断されないのは、自律神経が一時的に異常な動きをしてしまうことは珍しいことではないからです。

例えば、睡眠不足になると私達の体は交感神経優位になりやすく、バランスをとるための副交感神経の働きも低下するため、交感神経をうまく抑制しにくい状態になります。

その状態の時に動悸が出てきてその動悸に驚いてパニック発作を起こしてしまうということは、珍しいことではなく比較的よくみられる症状です。

医学において症状と病名は違う

医学の世界では症状病名は別々のものとして考えます。

例えば咳が出るという症状が出たとして、即座に風邪であると診断することはできません。なぜなら、咳が出る疾患は風邪以外にも肺炎・誤嚥・喘息など他にも数多くあるからです。

パニック発作は動悸、息苦しさ、めまい、手足のしびれ、不安感などの症状を総称した症状名であるため、病名ではありません。

確かにパニック発作はパニック障害の時に比較的よくみられる症状ではありますが、例えばバセドウ病(甲状腺機能亢進症)といって代謝が異常に高まって交感神経が刺激されてしまう疾患の場合にもパニック発作が出やすくなる場合があります。

一時的に疲労がたまっていたり、寝不足で自律神経が乱れていてもパニック発作が出ることもありますし、強い心理ストレスが加わっている状態の時にもパニック発作を誘発します。

パニック発作≠パニック障害ということです。

受診の目安は?

パニック発作が起こった後に心療内科や精神科への受診をするべきなのかどうかは多くの方が悩まれる問題です。

特にパニック発作を起こした後からは、何事もなく元気になって過ごせている方の方の場合はこのまま様子を見てもいいかなとなることも多いかと思います。

パニック発作をまた起こしたらどうしようと不安になっていたり、月に1回以上のペースでパニック発作が起こっている、不眠や気分が落ち込んで鬱的な気分になっているなどの自律神経症状が出ている場合は、病院への受診を行ったほうが良いです。

しかし、そういった状態でなければ急いで病院を受診をする必要はないことが多いです。

しかし、何もせずに放置してよいということではないので注意してください。

様子を見ながら生活全般を見直す

病院を受診しない場合は、単純に経過観察をするだけでなく生活習慣や環境などを見直していくことがとても重要です。

パニック発作が起こったということは、あなたの自律神経系に何らかの負荷がかかったことが考えられるためです。

基本は食事・睡眠・運動などの生活習慣を整える事と何らかの強いストレスもしくは長期的なストレスがかかっていないかを見直してみてください。

身体的に肩こり、首こり、腰痛、お腹の不調などがあれば、生物的ストレスを減らすために医療的な介入をしてもらうことも大切です。

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人間関係に問題を抱えているのであれば人間関係を調整する、場合によっては転属や転職も検討することも大切です。

心理的にストレスを受けやすい方の場合は、認知行動療法などの心理療法を行ってストレスからの影響を減らしておくこともとても重要です。

ストレスが加わるとパニック発作は誘発されやすくなります。

医学的には、パニック発作を繰り返していくうちにパニック障害になっていくと考えられているため、パニック発作を予防することがとても重要になります。

病院へ行かない場合も放置してはいけない理由はパニック障害になりかけている状態であることに違いがないからです。

しかし、パニック発作を起こしただけの状態というのは、積極的にパニック障害を予防していきたい状態ではあるものの、心療内科や精神科では予防的な治療を行うことはほとんどありません。

ほとんど症状が出ていない人に対して、薬物療法はリスクリターンが見合わないため通常は何も行わないからです。

パニック発作からパニック障害への予防へ対処を行っているのは、臨床心理士やパニック障害を扱う鍼灸師などになります。

心理的ストレスが原因の場合には臨床心理士に相談することが最も望ましいですが、必ずしも心理ストレスがストレス原因ではないこともあります。

心理的に自覚がない場合には食事・睡眠・運動・生物的ストレス(肩こりなど体の症状からくるストレス)などにアプローチしてくれる鍼灸師などの専門家に相談することが望ましいこともあります。

病気との境界線上にいる可能性を忘れない

繰り返しになりますが、パニック障害はパニック発作を繰り返していくことで、病気として定着していく疾患です。

パニック発作を予防できれば、パニック障害にはなりずらいということです。

医学の世界には

百の治療より一の予防

という言葉があります。予防に勝る治療はありません。

一度パニック障害になってしまうと、治療を行って改善はしても、完全に元通りの病前の状態に戻るということはほとんどありません。

これは神経細胞が物理的に死滅したり、神経ネットワークが破壊されるために起こるためだと考えられますが、今の医学ではすべてを完全に元通りに再生させて戻す方法は見つかっていません。

症状がない分、予防にお金や時間をかけることに抵抗が生まれやすいですが、予防を軽んじないようにしてください。

まとめ

パニック発作が出てもすぐに病院を受診する必要はありません。

疲れなどから自律神経が一時的に誤作動を起こして、パニック発作を引き起こしてしまうことがあるためです。

パニック障害は病名。パニック発作は症状なので、パニック発作を起こしたら必ずパニック障害であるわけではありません。

病院を受診する目安は、パニック発作の回数が月に1回以上出ている、パニック発作への不安で頭の中がいっぱいになっている、不眠や気分の落ち込みなど自律神経症状が出ているなどです。

病院を受診しないからと言って、何もせずに放置してよいわけではないので注意してください。

パニック発作を予防していく為には自律神経を整える事がとても重要です。

生活習慣の改善、ストレスコントロールが基本となります。場合によっては身体ケアや心理ケアを専門家に依頼しましょう。

パニック発作を繰り返していくことでパニック障害になるため、パニック発作の予防がとても大切です。

症状が出ていないと予防にお金や時間をかけることに抵抗があるとは思いますが、一度病気になってしまうと元の状態に戻すことはとても困難を伴い、治療費がかさむだけでなく、人生全般に悪影響を与えてしまうので、予防をしっかりと行いましょう。

当院での改善・予防をご検討の方はパニック障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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