胸の真ん中・左が痛いけれど病院では異常なし。ストレス性の胸痛。

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。病院では異常がないといわれたけれど、胸の真ん中・やや左側の心臓に近いあたりにズキズキ、チクチクする胸の痛みや何となく胸のあたりがもやもやして苦しい症状でお困りではありませんか?私もパニック障害を発症してしばらくしてから、服が少しこすれるだけでも痛みがあり、完全に胸の痛みがなくなるには色々と試してきました。胸の痛みは心臓や肺の異常で胸の痛みが出ることもあるので、一度は検査を受けられる必要があります。今回はそんな心臓や肺の異常がない胸の痛みについて一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

結論:ストレスによって胸の筋肉の過緊張や胸周囲の神経過敏が引き起こされて痛みが出る

心臓を調べてもらっても原因がわからないまま、胸の痛みだけが残っていると、実は心臓に何か問題があって見落とされているのではないか?と不安になりますよね。

基本的には心電図(場合によってはポータブル)をとって異常がなければ、緊急性の高い心臓の問題はないと判断できるので、胸の痛みが続いていても検査で異常がなければ命に関わる疾患ではないので極端に不安になる必要はありません。

しかし、胸の痛みは不快ですし、場所が場所だけにやはり気になりますので、しっかりと対処していくことで改善していきたいです。

ストレスが長期的にかかっている方の場合、胸に痛みが出る症状は喉のつまりなどの症状と同じぐらいの頻度で比較的よくみられる症状です。

痛みの場所は人によって差がありますが、胸骨(胸の真ん中の骨)の上に痛みを感じる方、胸骨と肋骨の接合部に特に痛みを感じる方、わき腹などに痛みや不快感を訴えられる方が多いです。

痛みの他にも動悸や胸が締め付けられる感じがする、一瞬息が詰まることがあるなど、心臓神経症(自律神経の乱れから心臓の動きに乱れが生じて心臓の痛みを感じる疾患)と併発している場合もあります。

医学的には心臓や肺、肋間神経痛など他に痛みの原因が見つからない(原因不明)の場合に「心因性胸痛」や「胸痛症候群」と診断されることがあります。

下図のような部位に痛みが集中することが多いです。

胸痛の好発部位

当院で改善を行う場合にはカウンセリングを行ってストレス原因を取り除いた上で、自律神経を整える施術(リラックス状態に誘導する施術)を行います。痛みのある患部がに付着している筋肉が物理的に凝り固まっている場合には胸部の筋肉や付着部位の血流を改善すると比較的改善されやすい症状です。

胸の痛みの原因と改善を方法を理解して、辛い胸の症状を改善していきましょう。

なぜ自律神経の乱れで胸の痛みが起こる?

自律神経は血流をコントロールしたり、呼吸をコントロールするなどの機能があり、胸痛はこの二つのコントロールが乱れた時に発生してくることが多い症状です。

例えば、交感神経が高まると無意識レベルで胸式呼吸(胸の筋肉を使った呼吸)になりますが、胸式呼吸は元々運動時などに限定して使う呼吸法です。

ストレスを慢性的に受けて交感神経が高いままで生活していると胸式呼吸が継続してしまい、結果的に胸周辺の筋肉の使い過ぎで肋間筋や大胸筋などが凝り固まってきてしまうことがあります。

使い過ぎで胸の筋肉のこりがひどくなった時に痛みとして自覚するようになります。(肩こりならぬ胸こりといっても良いと思います。)

また、自律神経の乱れにより血流のコントロールが乱れると、胸の感覚を脳に伝える感覚神経が過敏に反応するようになり、少し圧迫されたり、場合によっては服が少しこすれただけでも痛みを感じるようになる場合があります。

感覚過敏の方が改善の難易度が高いのですが、長期ストレスによって自律神経が乱れることで胸の痛みが出てくる原因となります。

基本はストレスを取り除くこと

心因性胸痛というぐらいなので、悩み事や不安などのストレスが長期的にかかり続けている方に多く見られる症状ですが、必ずしも心理的な要因が原因となるわけではありません。

例えば、日差しの入らない暗い部屋で生活している、騒音が大きい飛行場や線路の近くに住んでいる、過労、睡眠不足なども私達にはストレスとなります。

1日や1週間程度の短期間のストレスが原因になることは少なく、長期間かかり続けているストレスが原因になることが多いので、1日だけ強いストレスを受けたなどの場合には当てはまりません。

ストレスであるという自覚のあるなしに関わらず、何週間、何ヶ月も長期的にストレスを受けているような原因を探して、取り除くことが第一です。

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リラックスして休養をとる

根底には自律神経の乱れ(交感神経の過剰)がある為、十分にリラックスした状態で休養をとることが根本的な改善につながります。

しかし、ストレスを受け続けていたことで、リラックスした状態に自分で入ることが出来なくなっている場合には、リラックスできないことそのものが生物的ストレスとなるため、鍼灸や整体などでリラックス状態へ誘導してもらうことが必要になります。

十分なリラックスと休養がとれると痛みを感じている胸の筋肉がリラックスしてきたり、神経の感覚過敏が正常に戻ってくるため、痛みを感じなくなってきます。

痛みのある患部の血流を改善する

痛みが出始めてからあまり時間が経過していなければ、リラックスして休養を取るだけで痛みが消えていくことも多いですが、1ヶ月程度痛みが続いている場合には患部の血流を直接改善する必要が出てくることが多いです。

これは自律神経のコントロールが乱れたことで血流が悪くなっていたものが、その状態が長期間継続したことで、次第に取り除かれるはずの筋肉へ疲労物質や発痛物質などが蓄積してきて、筋肉そのものが凝り固まってきてしまって血流を邪魔するようになり、自律神経だけの問題ではなくなってきてしまうからです。

胸骨など骨の上の痛みであれば経験の浅い鍼灸師であっても問題なく施術できますが、肋骨の間に痛みが出ている場合には、適切な深さではりを行って血流改善を行う必要があります。

間違って深くはりを刺しすぎると肺に穴をあけて気胸を起こしてしまう危険性があるので、熟練した信頼できる先生の施術を受ける必要が出てきます。

当院の場合は刺さずに血流だけを改善する特殊な刺さないはりを用いている為、気胸の心配はないように施術しています。

腹式呼吸に戻す

胸式呼吸を長い間継続したことが原因の場合には、意識的に正しい腹式呼吸を練習していきましょう。

胸式呼吸は交感神経が高まった時に自然と行われやすい呼吸ですが、交感神経が鎮静化した後も呼吸の方法が胸式呼吸に癖づいてしまっている場合には、意識的に正しい腹式呼吸に戻していく必要があります。

呼吸の仕方は習ったことがない方が多いので、出来るだけ専門家に横についてもらって指導をしてもらい、鏡や自分の手で呼吸を確認しながら正しい腹式呼吸が出来るように練習していくと再発予防になります。

また、ストレスがかかって一時的に緊張して胸式呼吸になってしまったとしても、自分で腹式呼吸をすることで副交感神経を刺激してリラックス状態に入りやすくもなりますので、予防法として呼吸法はマスターすることがお勧めです。

まとめ

長期的なストレスが加わることで交感神経過剰の状態が継続すると、心臓や肺が正常であっても、胸の真ん中・心臓の上・脇腹などに痛みを感じる場合があります。

主に胸式呼吸のしすぎによる胸周辺の呼吸筋のコリからくる痛みや血流が悪くなったことで感覚神経の過敏が引き起こされて痛みが発生してくると考えることが出来ます。

自覚があるなしに関わらず、長期的なストレス原因を取り除くことがまずは大切です。そのうえでリラックスした状態で十分な休養を取りましょう。

ストレス原因を取り除いてもリラックスした状態になれないようであれば鍼灸や整体でリラックス状態へ誘導してもらうことも検討してみましょう。

痛みが出始めてから1ヶ月程度経過している場合には、痛みの患部の血流不全が考えられるため、安全に施術を行える鍼灸師に血流改善を行ってもらうことが大切になります。

呼吸法を行って正しい腹式呼吸に戻していきましょう。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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