寒いとトイレが近くなる原因、対処法、注意点

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

寒くなると患者さんから最近頻尿で良くトイレに行くんです。夜中もトイレに起きることが増えて・・・。と相談を受けます。

今回は寒い時期になぜ頻尿になり易いのか?その原因と対処方法、注意点について、一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

結論:1回に出る量が少なくなっていなければ正常な身体の反応なので安心して良いです。

夏場に比べて、寒くなってくるとトイレの回数が多くて困っているという相談を受けることが増えてきます。

もともと、冬場は夏に比べて身体を冷やす必要が低下する為、発汗量が少なくなります。

夏場に比べて熱中症に気を付ける必要性がない分、冬場は水分の摂取量は減りますが、喉の渇きを感じにくくもなるので、脱水に注意が必要です。

それでも体を温める為に温かい飲み物を好んで飲んだりすると、水分が過剰になるのでその水分を排出しようとしてトイレの回数が増加します。

体を温める為に温かいものをたくさん飲むと水分摂取が多くなる。

体を温める為に温かいものをたくさん飲むと水分摂取が多くなる。

前立腺肥大や膀胱炎・尿道炎でも頻尿にはなりますが、その場合は1回の量が少なくなるのでトイレに行っても極端に尿量が減っていなければ正常な身体の反応です。

定期健診を受けていて腎機能に問題なければ、トイレの回数が増えてもそこまで気にする必要はありません。

寒くなるとトイレの回数が増える2つの原因

寒さが厳しくなってくると普段通りの水分量を摂取していても、体温を下げる為の発汗の必要性が低下すること、体温を逃がさないように血管を収縮させることが主な原因です。

それぞれ簡単な生理学の知識が必要になるので、解説させて頂きます。

冬でも1日に必要な水分量は2.5リットル

夏場の方が発汗量が多い(運動などで最大1日12リットルに達することもあります。)ので、2.5リットルというのは最低限の水分量です。

食べ物から摂取している量も含めているので、2.5リットルも飲む必要はありません。

寒くてほとんど汗をかいていなかったとしても、皮膚を潤す為の発汗が常にされていたり、呼気の中にも水蒸気として水分を体外へ排出しています。

夏ほど汗をかいていなくても1日2.5リットルは必要

夏ほど汗をかいていなくても1日2.5リットルは必要

寒さから温かい飲み物をよく飲んでいると、それだけ水分量が多く入ってくるため、夏場に比べて過剰な水分を排出する為にトイレの回数が増えることになります。

体温を逃がさないように血管が収縮する

夏場は体温を放熱する為に体表面の血管を拡張させて、そこに血液を通すことで放熱しています。

冬場は体温を放熱してしまうと低体温になってしまうので、この逆で体表面の血管をなるべく収縮させて、あまり放熱しないようにしています。

また、体温が低下してくると手足の血管を収縮させて血液を内臓に集中させて体温を保持しようとします。(手足が冷える)

血管が収縮すると体全体で循環している血液の量は少ない量に減らさないと、血圧が上がりすぎてしまいます。

トイレが近くなるのは気温の差があるところを行き来するから

トイレが近くなるのは気温の差があるところを行き来するから

血管は血液の通り道という役割と同時に血液の貯蔵庫でもある為、寒さへの適応として血管が収縮した分の血液を貯蔵するスペースが減ってしまいます。

その結果、血管容積に対しての水分が過剰になり、腎臓で水分を捨てて血圧が上がりすぎないように血液の量を調節します。

これが冬場にトイレに行く回数が増えやすい原因となります。

昼間の水分摂取量は控えないようにしましょう

トイレに行く回数を減らしたいと思うと、どうしても水分量を控えたくなりますが、特に昼間の活動時間帯に水分量を制限することは辞めましょう。

気温によって体内の血液量を調節する関係上、冬場は暖房の効いた部屋とそうではない部屋を行き来する時に、尿として多くの水分を排出してしまうことになり、寒さから喉の渇きを感じにくいことも重なって脱水を起こしやすくなってしまいます。

その為、体が冷えた状態から暖かい場所へ移動する際には特に気を付けて水分補給を行うことが大切です。

例えば、体が冷えた状態でお風呂などで体を温めると血管が一気に拡張すると循環血液量が足りなくなり、血圧が下がりすぎてしまうようになりますので、冬場のお風呂は入浴前に十分な水分補給を行うことが大切です。

また、外出先から暖房の効いた暖かい部屋に戻った時も、循環血液量が不足しやすくなるので、水分補給が必要になります。

トイレの回数を減らしたい場合には、気温差があるところを行き来せずに、なるべく一定の気温の環境で過ごすことで、トイレの回数を減らすことが出来ます。

水分補給を減らすのであれば、暖かい部屋で1日中過ごすもしくは、ある程度の寒い環境で過ごすことが一つの解決策です。

夜にトイレに行く回数を減らす方法

夏場でもそうですが、就寝の2時間ぐらい前には適切な室温環境で水分補給を完了しておき、就寝直前にトイレに行きましょう。

夜中にトイレに起きないように、温度管理を徹底しましょう。

夜中にトイレに起きないように、温度管理を徹底しましょう。

睡眠時は体温が低下した状態が良い睡眠をとるうえで重要になる為、暑すぎる部屋や布団を重ねすぎて体温が全然下がらなくなってしまうのはNGです。

しかし、体温が下がりすぎると血液量を減らすために夜中にトイレに起きることになってしまいますので、就寝しても体温が下がりすぎてないように適度なエアコンの利用と布団を組み合わせることが大切です。

まとめ

寒くなるとトイレの回数が増えてしまうのは正常な身体の反応なので問題ありません。
しかし、1回あたりの量が少ない場合には前立腺肥大や膀胱炎、尿道炎などの可能性もあるので病院への受診が必要です。

寒いことで発汗量が減ることと、体温を逃がさない為に血管が収縮することが頻繁にトイレに行く原因です。

寒いゆえに温かい飲み物を飲みすぎるとトイレの回数が増えます。

また、温かい場所から寒い場所への移動を行うと体内の水分を尿として排出しようとする反応が起こります。

水分を尿として排出した後に寒い場所から暖かい場所へ移動すると今度は水分不足から脱水を起こしやすくなってしまいます。

気温差がある環境へ行き来する場合には、水分補給を必ず行うことが大切で、なるべく気温差がない環境で過ごすことで水分の摂取量が安定しトイレの回数が増えにくくなります。

寝ている時にトイレに起きないようにするためには、寝る前の準備と睡眠環境の温度管理がとても重要です。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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