
こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。
起立性調節障害と不登校は併発することも多く、起立性調節障害とはっきりと診断はつかないものの、自律神経症状(腹痛、頭痛、不眠、下痢、めまい)を出す子供も多いです。
今回は不登校の子供が自律神経症状に苦しんだり、起立性調節障害になる理由について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。
結論:不登校中の身体・心理ストレスが原因
不登校になると家に閉じこもりがちになり運動しなくなったり、学校へ行けていない自分はダメだ、なんで学校に行けないのだろう、勉強が遅れてしまって自分だけ取り残されている、進学できるのだろうか、友達になんて思われているだろうかと自分自身を責めている子供も多いです。
また、周囲の大人からどうして学校へ行けないの?何かあったの?など、何度も聞かれて疲れてしまっていることも多いです。
起立性調節障害は何らかのストレスが原因で発症する疾患ですが、何らかの身体的・心理的ストレスを受けていれば血圧に異常が認められる起立性調節障害ではないものの、自律神経失調症に近い自律神経症状を出す子供も多いです。
不登校そのものを何とかしようというのは、ケースバイケースでかなり複雑な話になるのですが、不登校ストレスから出ている自律神経の症状はほとんどのケースで改善が可能です。
なぜなら適応障害に近い病態の為、保健室登校・フリースクール・学校を変えるなどの環境調整でよくなることが少なくないからです。
学校へ行って欲しいという親の気持ちはわかりますが、まずは体調不良の改善を優先的に考えていくことが大切です。

身体ストレスの改善
自律神経の症状があればそれに合った医学的な処置を行って身体症状を改善することで身体ストレスは軽減することが可能ですが、それ以外にも生活面で出来ることは体を動かすということです。
不登校になって学校へ行っていなかったとしても、急性期の3カ月以降はショッピングセンターへ行く、散歩へ行く、休日に友達と出かける、好きなアイドルのコンサートに行く、親の都合がつくようであればプチ旅行など、どんどん外出させることは大切です。
学校へ行かなくなることで登下校や体育といったところで行っていた分の運動量が低下するので、身体を動かさないことで発生する身体ストレスや下半身を動かさないことによる循環動態への悪影響を解消させることと体力を落とさないために、なるべく体を動かすことは大切になります。
起立性調節障害の子供の場合は血圧が安定しないと、運動中に脳貧血で倒れたりすることがあるので、その場合には寝ながら出来るエクササイズなどが有効ですが、体調が安定してくる夕方以降に体を動かす時間をとるのも良いです。
純粋な起立性調節障害の場合は、激しい運動は循環器に強い負担をかける為、本人がやりたがったとしても、運動はある程度軽いものに限定することが大切です。
親子で散歩に行くのもお勧めですが、子供の場合は「楽しく出来ること」の方が良いことが多いので、身体ストレスを取り除くために運動しようという感じで運動をさせるよりは、気が付いたら結構歩いていたという感じになるようにしてあげると良いです。
親子で公園でバドミントンをやって遊ぶなども、親子のコミュニケーションも取れますので身体ストレスの改善に有効です。
心理ストレスの改善
心理ストレスは本人の中で発生しているものと周囲の人から与えられてしまうストレスの2種類があります。
本人の中で発生している心理ストレス
不登校の子供の抱えやすい心理ストレスは、学校へ行っていないことに対して後ろめたい気持ちがあることです。
学校に行けていない自分なんてダメだ、学校へ行けていない自分には価値がないんじゃないか、親に迷惑ばかりかけている、このままで進学どうなるんだろう、友達になんて思われているのかな、自分の人生もう終わったなど。
周囲の人間が子供をそっとして自由にさせておいたとしても、ネガティブな事が頭の中でぐるぐる回ってしまってそれが心理ストレスになっています。
うちの子は何にも考えていないでゲームやYoutubeばかりやっているという親御さんもいらっしゃるかと思いますが、そういった子供の多くは、ぼーっとしているとこういったネガティブなことが頭の中でぐるぐる回ってしまって辛い感情に飲み込まれてしまうので、ひたすらにゲームやYoutubeに没頭しています。
心理療法の中でネガティブなことを頭から追い出すために行う「気逸らし」という心理手法があるのですが、子供が本能的に自分の心を守るためにゲームやYoutubeで気逸らしを一生懸命行っていると考えられます。
ゲームやYoutubeを取り上げるとネガティブなことが頭の中でなんども反芻(はんすう)してしまい、この反芻思考はうつ病へのかなり高いリスクファクターだと考えられています。
不登校の子供がしばしばうつ病と診断されるのは、こういったメカニズムが考えられ、学校へ行けなくなったのは2歩手前、自律神経の症状が出てきているのはその一歩手前の状態です。
周囲から与えられるストレス
前述したように、不登校に苦しんでいる子供の多くは「学校へ行けない自分はダメだ」という学校へ行けないことは悪いことだという価値観を強く持っています。
心の面からみると学校へ行けないことで苦しんでいるのではなく、「学校へは行かなくてはいけない」という価値観に自分が反しているからこそ、真面目な子供ほどそれがストレスになり自律神経を狂わせ、自尊心を傷つけ、自信を喪失させています。
学校へ行っていなくても、子供の持っている良い部分が消えてなくなるわけではありません。
しかし、「学校へは行かなくてはいけない」という一つだけの価値観の軸で見ると、学校へ行けないことで他にどんな良いところがあったとしても良い部分がすべてないように感じられてしまいます。
そして、子供はまだ自我形成の途中ですから、周囲の人の価値観の影響を強く受けます。その為、口に出す出さないにかかわらず、「学校へは行かなくてはいけない」という価値観を持った大人が子供に接することで、言葉の端々や態度などから子供は「学校へ行けていない自分はダメなんだ」と考えてしまいます。
学校へ行っていようといまいと、その子にはその子のたくさんの良い部分があるし、価値があるし、存在してていい、周囲の人が受け入れてくれると感じられるように接することがその子にとっての支援になります。
急性期以降は適度な不快感は必要
学校へ行けなくなったばかりの急性期(1~3ヵ月)は、なるべくストレスをかけずに見守る、寄り添うという対応をする必要がありますが、それは脳内の炎症を抑えるために行う緊急避難的な方法です。
しかし、3ヵ月もしてくると炎症は沈静化されて慢性期に入ってきます。この時に、急性期の対応を継続してしまうと、今の生活スタイルが固定化してしまうので注意が必要です。
学校へ無理にいかせる登校刺激を行う必要はありませんが、生活リズムを崩さないように約束する。家庭内で役割を与える。適度な運動を日課にする。ある程度ゲームやスマホを制限する。守れない場合はスマホやゲームなどを強く制限する。など、適度な不快感を感じさせることも重要になってきます。
まとめ
・自律神経の症状があれば医療的な処置を講じる
・運動不足解消は大切
・子供が自分を責めていないか?責めていれば心理的な支援を行う。
・周囲の人が子供が自分を責めやすい価値観を与えないようにする。
・急性期を過ぎても見守り・寄り添いを継続しない。
・学校へ行っていても行っていなくても、その子の良い部分はなくならないし、その部分にフォーカスする。
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