嫌な気分や症状を紛らす為の飲酒をどうやって減らしていくのか?

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

自律神経失調症、パニック障害、うつ病などを持たれている方の中に、嫌な気分や症状が紛れるから飲酒をしているという方が一定数いらっしゃいます。

飲酒があまりよくないことはご存知の方も多いと思いますが、今回はお酒との付き合い方について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

 結論:お酒を飲みたくなる原因を取り除きましょう。

お酒を飲むと不安感が紛れたり、鬱っぽい嫌な気分が消えたり、リラックスできるなど、自律神経症状で普段から緊張されている方にとっては、お酒を毎晩のように缶ビール1~2本程度を常用されている方がいらっしゃいます。

量もそれほど多くないし、お酒を飲むと一時的に不快な症状から解放されるということで飲酒を続けてしまう傾向があります。

一時的な効果はありますが、エタノール(アルコール)は神経の働きを悪くする神経毒である為、飲酒後に睡眠の質の低下、メンタルの悪化、身体が重だるくなるなど、身体症状による心身へのストレスを受ける為、ストレスの解消には効果がありません。

症状が辛くてそのストレスから飲みたくなっている場合にはそちらの症状の改善、それ以外の別のストレスから緊張している場合にはストレス原因の除去。

効果のあるストレスの解消の実践を行うことで、飲酒が必要になる状態から抜け出していく必要があります。

寝酒は厳禁

不眠傾向がある方は、お酒を飲むと入眠しやすくなるため寝酒を習慣化してしまいやすいので注意が必要です。

寝酒は入眠自体はサポートしてくれますが睡眠の質を悪化させます。神経の回復を行う為の睡眠に悪影響を与えてしまいます。

また、寝酒が習慣化するとお酒がないと眠れないという状態になり、これは一種のアルコール依存症症状になります。

アルコール依存症になってしまうと、今持たれている疾患に加えてアルコール依存症の治療も必要になります。

依存状態から抜け出した後でも、アルコール依存症は基本的には一生お酒を飲むことが出来なくなってしまう為、友人や家族とちょっとだけお酒を飲んで楽しむといったこともできなくなってしまいます。

睡眠がとりずらくなってきた場合には、セルフケアとして寝酒で対応することは危険ですので辞めましょう。

治療期間はなるべく禁酒

治療期間はなるべく禁酒が望ましいです。

特にお薬を併用されている方の場合は薬が過剰に効きすぎてしまうなどの悪影響がある為、元々お酒は飲まないようにとなっています。

自律神経失調症、パニック障害、うつ病などは神経の病気です。

禁酒をせずに治そうというのは、神経毒を摂取しながら、神経を回復させようとしているということです。

どのような素晴らしい治療であっても、毒を摂取している状態では本来の効果を発揮することは出来ません。

底の抜けたバケツに水を溜めようとするのと同じぐらい難しいです。

どのぐらいまで飲んでよいのか?

そうはいっても、お酒好きな人に禁酒して頂くことがどれだけ難しいことなのかは、私も臨床していてよくわかります。

最近の研究ではお酒は1滴も飲まないのが一番健康に良いという結論が出ていますが、それでもお酒がないと人生の楽しみがなくなってしまうという方もいらっしゃるかと思います。

健康でいることが人生の目的ではないので、禁酒することが必ずしも正しいとは言いません。

当院でも治療期間は原則は禁酒ということでお話はさせて頂きますが、どうしても難しい場合にはお酒を飲まない日を増やしてもらうようにしています。

いきなり大きく減らすとストレスが強くなってしまう為、まずは週に1日だけ飲まない日を作ってもらうことから、徐々に飲まない日を増やして、どれだけ多くても1週間に1回程度に減らして頂いています。

人によってはそのまま禁酒できてしまう方もいらっしゃいますが、週末に1日だけ飲む程度であれば改善速度が遅いということはありますが、大きな妨げになるケースは少ないようです。

正しいストレス解消を行いましょう

臨床をしていると多くの方と接する機会がありますが、お酒が好きで飲んでいたという方でも、転職して仕事のストレスが減ったら飲酒量が激減したという方は多いです。

多く方が受けたストレスを解消しようとしてお酒を求めている(それは自分がお酒を好きだからだと思い込んでいる)ようです。

残念ながら飲酒によるストレス解消効果はほとんどなく、むしろストレスが溜まりやすくなるという研究結果も報告されています。

ゲームもストレス解消にはあまり効果がないという報告もあります。

効果が認められているストレス解消法例

1.運動

2.瞑想

3.適切な睡眠

4.森林浴など自然に触れる

5.ぼーっとする時間をとる

6.良好な人間関係

特に運動はある程度多くの方で再現性が高くストレス解消効果が認められる方法なので、毎日運動する習慣を身につけることで、飲酒したいという欲求を引き起こすストレスを解消することにつながります。

まとめ

・お酒には一時的にリラックスさせる作用があり、自律神経失調症、うつ病、不安障害の方がそのリラックス効果を期待して飲酒を繰り返しやすくなります。

・寝酒はアルコール依存症の原因になり易いので、絶対にやめましょう。

・治療期間中はお酒をなるべく減らす、理想的には禁酒しましょう。

・お酒を飲みたくなるほどストレスを溜めないように正しいストレス解消を行いましょう。

当院での改善を希望される方は、パニック障害自律神経失調症うつ病ご覧ください。

遠方で当院への来院が難しいけれど、心身の問題について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。