不安・心配性を治す!克服方法

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

些細なことでもすぐに心配になってしまうのは辛いですよね。

不安のなり易さは遺伝的な問題から生まれつき心配性になり易い人、養育環境の影響から不安感を感じやすいように脳が発達してしまった人など、自分でもなぜこんなに心配(不安)になり易いのかがわからずに悩まれている方も多い問題です。

しかし、そういった方でも、心配になり易いメカニズムを理解して思考や生活習慣を修正していくことで心配性を改善していくことは可能です。

今回はそんな心配へのなりやすさを克服していくためのメカニズムと治し方について一緒に考えていきたいと思います。最後まで是非ご一読ください。

結論:不安・心配をコントロールする技術を身に着けよう

安心感を感じる為に重要なセロトニン量が増えやすい遺伝子型(LL型)と減りやすい遺伝子型(SS型)があり、セロトニントランスポーター遺伝子を調べることでその人が生まれつき楽観的な人(LL型)、平均的な人(SL型)、不安・心配になり易い人(SS型)の3つの遺伝型があることが遺伝子研究によってわかるようになってきました。

日本人は不安・心配になり易い遺伝子を持っている方が68.2%と多くいる為、不安に悩まされやすい傾向があります。

日本人でも時々非常に楽観的な人がいますが、そのような人の遺伝子はLL型で1.7%程度いると報告されています。

セロトニントランスポーター遺伝子によってセロトニンが不足しやすいと心配性になり易い

セロトニントランスポーター遺伝子によってセロトニンが不足しやすいと心配性になり易い

このような遺伝的な特性(セロトニンが不足しやすい)が不安・心配へのなり易さと大きく関連していますが、セロトニントランスポーター遺伝子がSS型であれば必ずしも心配性になるわけではありません。

その理由は安心感を作り出すもう一つの神経伝達物質であるオキシトシンの作用も不安・心配になり易い特性と深く関わってくるからです。

オキシトシンは養育期にどのような環境で育ったのか?に非常に強い影響を受ける神経伝達物質です。

オキシトシンの作用と深いかかわりがある心理学の理論でイギリスの児童精神分析学者John Bowlby(1907―1990)が提唱した愛着理論というものが広く知られています。

1歳半までの間に特定の人(母親のことが多いですが、父親の人である場合もあります)との情緒的な絆を結ぶことで、オキシトシンの作用が強まり、私達は安心感を持って成長していくことが出来るというものです。

愛着形成が適切に行われるとオキシトシンの作用により安心感を感じやすくなる。

愛着形成が適切に行われるとオキシトシンの作用により安心感を感じやすくなる。

しかし、この時に特定の人との情緒的な絆を結ぶことが出来ず、愛着に問題を抱えるとオキシトシンの働きが低下する為、心の奥底に漠然とした不安の感覚が残り、安心しずらく、不安感が強くなりやすいことがわかっています。

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あなたがもし、不安・心配になり易い遺伝子(SS型)を持って生まれたとしても、特定の人との情緒的な絆を結ぶことが出来れば、セロトニンの不足による不安・心配性がオキシトシンの手助けを得ることで、情緒的に安定した大人に成長することが出来ます。

不安や心配な感情になりやすい遺伝的特性を変えることはできませんが、不足しやすいながらもセロトニンを増やしたり、愛着の問題(オキシトシンの問題)と向き合っていくことで、不安・心配になりにくいように改善していくことは可能です。

あなたが今、不安・心配性で困っているのであれば、あなたの遺伝子や養育環境からの影響でそうなっていることを知ることから始めていきましょう。

自分が不安・心配になりやすいことを自分に許しましょう

不安や心配になりやすいのを改善したくてこのページを読まれていると思いますが、自分が不安・心配になりやすいことをまずは自分自身に許してあげることからはじめてみましょう。

こんな小さなことで不安になって、心配になって自分はなんてダメなんだと自己否定すると、それ自体がストレスとなり、不安感を誘発するコルチゾールというホルモンの分泌を促してしまいます。

不安になってしまう自分を否定する必要はありません。不安になっている自分、心配になっている自分をそのまま、受け入れて許してあげて下さい。

不安になっている時に自分に「不安だよね。心配だよね。怖いよね。」と優しく声をかけてあげて下さい。不安になっている感情を否定して治そうとしてしまいがちですが、これは逆効果にしかなりません。

不安・心配になる自分を受け入れることがスタートです。

不安・心配になる自分を受け入れることがスタートです。

それよりも、今、不安になっていること自分の感情に気が付くことからはじめていく方が効果的です。

不安になっている感情に自分が気が付き、寄り添って共感する声掛けを自分が自分にしてあげることで不安な感情が落ち着きやすくなります。

不安・心配性を治すには身体を整える

私達の感情は化学(chemical)的な反応により決定されています。その為、身体の中の化学的な条件(体調の影響)によってどのような感情が発生するのかが変化します。

前述したように、セロトニンやオキシトシンという神経伝達物質の働きが高まることで安心感を感じ、不安や心配になりにくい状態となります。

セロトニンやオキシトシンが脳内で適正量存在する時が体調が良い状態です。

当然、体調が良い時の方が気分も良く、明るく物事を考えられますが、体調が悪いとネガティブな思考になり易く、不安や恐怖、心配なことを考えやすくなり、気分も落ちやすくなります。

心理的なアプローチも大切ですが、まずは不安・心配になりにくいように身体を整えることから始めることが重要です。

セロトニンを増やす

前述したように遺伝的に不安・心配性になりやすい方(SS型)は、セロトニンの分解能力が高いことがわかっています。その為、セロトニン不足になりやすく不安を感じやすくなります。

セロトニン不足になり易い遺伝子を変化させることは出来ませんが、セロトニンの分泌を増やして、セロトニンの量を増やす習慣を実践することで徐々にセロトニンの分泌量が増えて、不安や心配になりにくい状態へ近づけることができます。

セロトニンの増やし方については過去記事を参照ください。

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睡眠を十分にとる

睡眠不足は不安な感情を引き起こしやすくなることがわかっています。

睡眠不足は認知能力(物事を正しく、客観的にとらえる能力)が低下して、ネガティブな思考をしやすくなります。

簡単に言うと目の前におこった出来事が、悪いことのように認識して感じてしまいやすくなります。

睡眠をしっかりとると不安・心配・ネガティブになりにくいことがわかっています。

睡眠をしっかりとると不安・心配・ネガティブになりにくいことがわかっています。

昼間に眠くならないから自分は睡眠不足ではないと思っている方が多いですが、最適な睡眠時間は人によってかなりばらつきがある為、1ヶ月ぐらい毎日良く寝るようにしてみて不安感が改善されてくるか検証してみることも大切です。

統計的には7~8時間程度の範囲が適切な睡眠時間となる方が多いです。ショートスリーパーと呼ばれる人々もいますが、小さい時からあまり寝ず、かなり珍しいとされています。

運動習慣を持つ

運動にはメンタルを安定させて不安・心配を改善させる作用があることがわかっています。
ウォーキングなどの有酸素運動と組み合わせて筋トレをすることで不安になりにくくなる効果があります。

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ウォーキングは4400歩ぐらいからメンタルへの改善効果が確認されています。

ウォーキングなどの意識的なリズム運動はセロトニンの分泌を促す

ウォーキングなどの意識的なリズム運動はセロトニンの分泌を促す

筋トレは週2~3回程度、大きな筋肉(下半身)を使った筋トレが効果的です。

ジムに通うなど本格的な筋トレは必要ありませんので、自宅でスクワットを行うだけで十分効果があります。

運動量を増やすと血流が筋肉に行きますので、悶々と悩みずらくなります。悩みやすい人は悩み始めたらすぐにウォーキングを始めてみるのも一つの対策法になります。

鍼灸や整体を受けて身体のコリをとる

首肩こりがひどくて脳への血流が悪いと脳へ十分な血液が送られないことで、脳の動きが悪くなって感情が上手くコントロールできなくなります。

また、脳へ送られる血液の中に十分な酸素と栄養が含まれていなければ脳も正常に機能することが出来ません。

全身がこり固まっていれば深くゆっくりな呼吸が出来ない為、リラックスしずらくなります。

お腹の調子が悪いことが慢性化している場合には、消化吸収が十分行えるように体の状態を整えていくと、不安を鎮静化させるのに必要な栄養素をしっかりと取り込むことが出来るようになります。

全身がこり固まっている、お腹の調子が悪いなど、鍼灸や整体で物理的に整えることも重要になります。

生物学的ストレスが減るだけでも、不安を感じさせるストレスホルモン(コルチゾール)の分泌は低下します。

筋肉が柔らかいと脳はリラックスして良いと認識する

筋肉が柔らかいと脳はリラックスして良いと認識する

また、脳は身体の筋肉が柔らかい状態にあるのか?緊張した状態にあるのか?の情報を参考にして、今は警戒を高めた方が良いのか、リラックスした方が良いのかを判断しています。

その為、全身の筋肉が柔らかくなることで、リラックスして不安感を脳が感じにくくなる状態を作り出すことが出来ます。

不安・心配をコントロールする心の習慣

不安・心配に対しては認知行動療法(CBT)や森田療法が有効であることがわかっています。当院に不安・心配性のお悩みで来院された方にも、このような心理療法を行っています。

心の基本パターンを知っておくだけでも役に立つことがありますので、ここでは当院で不安改善に取り込まれる方に良くお話しさせて頂く内容をご紹介させて頂きます。

不安・心配を解消しようとしない

不安・心配な感情は気持ちが悪い為、あまり感じたくない気持ちはよくわかります。

しかし、不安や心配を克服していくには、不安や心配を不安・心配な気持ちのまま今すべき行動を淡々と行っていくことが有効であるとわかっています。

不安・心配になりやすい方は、不安感、心配な感情を取り除くために、不安・心配になりそうなことを先回りして徹底的に取り除こうとしたり、避けたりしてしまいます。

不安をなくそうとせずに、付き合っていくことが大切

不安をなくそうとせずに、付き合っていくことが大切

心理学的には不安や心配を避ける行動は、より大きな不安や心配な感情を誘発する作用があることがわかっている為、一時的な不安の回避により、あとからさらに強い不安に悩まされる事態を引き起こしていることになります。

不安や心配事を感じたとしても、その不安な感情はとりあえずそのままにして、心配解消のための行動を減らしていくことで、不安を感じにくくなっていきます。

不安や心配な出来事を避けるのではなく、むしろ立ち向かっていく行動こそ、不安感を支配する方法なのです。

不安・心配を引き起こしやすい3つの条件

私達が不安・心配を感じるのは病的な場合を除けば具体性がなく、あいまいで、良くわからない事柄の3つの条件いずれかに該当する時に不安や心配な感情が出てきます。

未来のことを考えると、具体性がなく、あいまいで、どうなるのかよくわからないことが多くなるため、不安や心配になりやすいです。

人間関係で悩みやすいのも、他人の気持ちですから、具体性がなく、あいまいで、相手がどういう行動をとるのかはっきりとわからないという条件を満たすため不安や心配を感じやすくなります。

逆に最悪な状況であったとしても具体性を持たせて、あいまいさをなくなると不安・心配は減らすことができます。

具体的で、はっきりしていて、どうなるかわかる事柄。にしてしまえば良いわけです。

不安を感じるメカニズム

不安を感じるメカニズム

特にあいまいさが不安や心配を生み出します。

例えば、財布を落としてしまったらどうしよう。と不安・心配になっているのは、まだ財布を落としていない人に限られます。

財布を落とした人は、財布を既に落としている状況では「財布を落としたらどうしよう」と、不安になったり心配になったりすることは当たり前ですがありません

財布を落としたらどうしようと不安・心配に、財布を落とした人はならない。

財布を落としたらどうしようと不安・心配に、財布を落とした人はならない。

自分が想定している最悪な事態が起こりそうな可能性と起こらなさそうな可能性の両方が存在していてあいまいさがあるから不安・心配な感情が強くなるのです。

不安・心配な感情が強いときは、自分が最も起こってほしくない最悪な状況がどうやっても発生すると覚悟を決めてしまうことです。

人間はどうなるのかわからない状況の方が不安・恐怖が強くなります。不思議ですが希望がある方が不安・心配が強くなるのです。

最悪な状況になってもその状況になってしまえばその状況からできることをやるだけなので不安・心配な感情になる方は多くありません。

不安・心配している出来事を避けよう避けようと希望にすがればすがるほど、不安・心配をなくそうとすればするほど不安・心配は強くなっていきます。

この心のメカニズムを理解して、不安・心配と共存していくことができるようになると、不安・心配をコントロールできるようになっていきます。

具体的にするための心理テクニック

不安・心配な悩み事を具体的にするには、「それが起こったら具体的に何が起こるのか?」を書き出していくことです。

ここで重要なのは「どのような気分になるのか?」ではなく、「具体的に何が起こるのか?」を淡々と書きだしていくことです。

不安・心配になり易い方は、「どのような気分になるのか?」にフォーカスが行きがちで実際に何が起こるのか?までが整理できていない事が多いです。

何となくとてつもなく嫌なことが起りそうという漠然としたイメージだけで不安になっていることが多いです。

具体的にどのような損失が生じてそれはどのぐらいの被害をもたらすのかを明確にしておくことで今できる対処についてわかるようになると、不安感は落ち着きやすくなります。

自分のコントロールできる範囲を適切に評価する

不安・心配な事は自分の力ではどうにもならないことがほとんどです。どうにかなる問題であれば既に問題は解決されているからです。

自分の力ではどうにもならない自分のコントロールの範囲外の問題を解決しようとして悩んでおり、自分がコントロールできないことだという自覚が薄いことが多いです。

自分に出来ることと出来ないことを明確にする

自分に出来ることと出来ないことを明確にする

心理学では自他境界があいまいであるといわれる現象です。

私達は「自分」以外はコントロールできません

どれだけ親しい間柄の相手であっても、相手の行動をコントロールすることはできませんし、自分以外の人の行動をコントロールできません。

自分がコントロールできる(と思い込んでいる)範囲が、自分以外に及んでいるため不安や心配な事が増えて辛くなってしまいやすくなります。

自分以外はコントロールできないことをしっかりと感情的に理解できるまで、意識することが大切です。

他人に不安・心配の解消をしてもらうのをやめる

不安や心配な感情はあなた自身が自分で処理する必要がある感情です。

少し厳しいですが、私が不安になるから○○して(しないで)、私を心配にさせないで(私が望む行動をとって)など、あなたの感じる不安や心配を他人の行動によって解消してもらおうとするのをやめましょう。

勘違いしないでいただきたいのは、あなたが相手にこうして欲しいという希望を相手に伝えることと、相手にこうするようコントロールしようとすることは別だということです。

希望を伝えることは問題ありませんが、感情的になって怒りや泣くことで相手をコントロールしようとする行動が良くありません。

これはあなたのコントロールできる範囲を拡大して脳に解釈させる原因となります。自他境界をあいまいにしてしまう行動です。

不安や心配を他人に鎮めてもらうのをやめる

不安や心配を他人に鎮めてもらうのをやめる

友達や恋人、家族であったとしても、他人の行動を「あなたが安心する為」に制限しようと働きかけることは出来ても、あなたが安心できるように行動する・しないは相手本人の自由意志です。

自分以外の人にあなたの不安・心配を鎮めてもらっていると、いつまでたっても心理的な対処能力が身につかずに年齢を重ねてしまうことになります。

不安・心配な感情を自分で乗り越えてきた経験不足から不安・心配が増強している面もあるので、不安・心配な事から逃げずに自分で向き合っていくという経験を小さいことから積み重ねていくと、次第に経験値はあがっていきます。

不安への対処が上手な方というのは、不安な感情と向き合い、自分でなだめてきた経験が多い方でもあります。今から少しずつ経験を積み重ねていきましょう。

ネガティブな情報を遮断する

あるSNSサービスがニュースフィールドにネガティブなニュースを流した場合とそうではないニュースを流した場合にSNSへの投稿内容に変化があるのかを調査したことがあります。

結果はネガティブなニュースを流した場合には、ネガティブな言葉を用いた投稿が増えることがわかっています。

無意識レベルで情報・環境の影響を受けている

無意識レベルで情報・環境の影響を受けている

私達はネガティブな情報を意識しているいないにかかわらず、無意識に影響を受けてしまうことが心理学的にもわかっています。

その為、ネガティブなニュース、怖いドラマや映画、小説、漫画など、仕事上どうしてもみなくてはいけない場合を除いてはあまりネガティブな情報に触れないことが大切です。

また、付き合う人間関係もネガティブな人と付き合っているとその影響を強く受けやすくなりますので、ポジティブな人と付き合う必要はありますが、ネガティブな人との接触は極力減らすことが大切です。

自分のことは自分で決める

不安・心配な人は自分で決めることを嫌がります。

自分で決めると責任を持たなくてはいけないことを知っているからです。

しかし、責任から逃げることでより、失敗したくないという感情が強くなり、不安・心配な感情が増強していきます。

自分で決断しないと永遠に自信はつかない

自分で決断しないと永遠に自信はつかない

小さなことでも、自分で決めたことを自分で行うことで、自己効力感(「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える認知状態)が増していきますが、自分で決めることを避けると、この自己効力感が育ちません。

朝起きたら布団を整える。そんな小さなことから決めて始めてみましょう。

自分の過去と向き合ってみる

専門家と一緒に行ってもらいたい方法にはなりますが、過去の自分の養育環境を振り返ってみましょう。

1歳半までの小さい時の記憶はないことがほとんどですが、1歳半以降もあなたが安心して育つことが出来る環境であったのか?

親は常にあなたのことを見守り、肯定しあなたの挑戦を後押しし、適切な手助けを行ってきたでしょうか?

あれをやってはダメ、こうしなくちゃダメなど、禁止が多くなかったでしょうか?逆に何でも好きなようにさせてくれたけれど、適度に我慢をさせる体験をさせてくれていたでしょうか?

発達の段階である子供時代にどのような養育環境で育ったのかによって、脳がどのように発達するのかに強い影響を与えます。

専門家と一緒に過去の養育環境を振り返り、自己理解を深める

専門家と一緒に過去の養育環境を振り返り、自己理解を深める

両親の喧嘩を見て育った子供(専門的にはマルトリートメントを受けて育った)の脳は適切な脳の発達が阻害されて変形してしまうことがわかっています。

研究段階の分野ではありますが、心理的な介入を行うことでそういった不適切な家庭環境の影響から脳の発達が適切に行われなかった場合でも、正常な形へと近づいていくこともわかっています。

不安になり易さの基盤が子供の時の脳の正常な発達が阻害されたものによる場合には過去の自分と向き合っていくことで、不安感を感じにくい本来の正常な脳を取り戻していくことにつながり、それが結果的に不安感や心配性を治していくことにつながります。

感情は化学反応・神経の興奮の結果でしかない

私達の感情は、脳内の化学反応・神経の興奮(電子の移動)の結果であると考えられています。

私達の感情は日常生活で感じている以上に身体的なコンディションによってどういう反応をするのかが大きく変化します。

喜び、悲しみ、怒りはもちろん燃え上がるような恋愛感情や友情、家族を大切に思う感情もすべてが脳内の化学反応・神経の興奮の結果、そのように感じているだけなのです。

幸福を感じるにもセロトニン、オキシトシン、ドパミンなどの神経伝達物質が不足している状態ではどんなに幸せな出来事が起こったとしても、幸福感を感じることは出来ません。

不安や心配になるという感情も脳内の化学反応・神経の興奮の結果です。

感情はとるに足らないつまらないものだと言いたいわけではなく、不安・心配といったネガティブな感情は持続力が高く、引き込まれやすい感情なので、感情というものを少々ドライなぐらいにとらえておくと、感情の波にさらわれて溺れてしまわないようにすることも大切です。

常に感情は化学反応・神経の興奮の結果だとドライにとらえる必要はありません。

しかし、不安・心配な感情に襲われているときは不安・心配を引き起こしている出来事ではなく、脳内の問題であることに意識を向けてみましょう。

まとめ

不安や心配性は遺伝的な問題や養育環境の問題で形成されやすくなりますが、改善していくことは可能です。

その為には、セロトニンやオキシトシンの働きを高めるようにアプローチしていくことが重要になります。

まずは、不安・心配性な自分を許すことから始めていきましょう。

感情は脳内の化学反応によっておおよその感情が決まってきます。その為、化学反応を正常に行わせるために身体を整えることは感情を安定させるうえで有用です。

セロトニンを増やす生活習慣、睡眠を十分にとる、運動を行う、身体のメンテナンスをして筋肉が緩んだ状態にするなどが有効です。

不安心配をコントロールする心理的アプローチも数多く存在しますが、身体が整っていないと効果がありませんので注意が必要です。

不安・心配な感情は消そうとすると強くなるため、そばに置いておくことが大切です。

不安になり易い条件を減らす思考法を練習していきましょう。

自分が出来ることと出来ないことの境界線をはっきりさせましょう。

不安や心配を他人に解消してもらうのをやめ、自分の行動は自分で決断しましょう。

ネガティブな情報、作品の鑑賞、人間関係を遮断しましょう。

専門家と一緒に過去の養育環境を振り返って自己理解を深めていきましょう。

当院での改善をご検討の方は全般性不安障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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