自分のことが嫌いで苦しい

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

生きづらさを抱えていらっしゃる方のおそらくトップの悩みなのが、自分のことが嫌いというお悩みです。自分のことが嫌いだから自己肯定感を高める為にあれこれやるわけですが、生きづらさや苦しさがなくならないことも多いのがこのお悩みの特徴です。

今回は自分のことが嫌いで苦しいというお悩みについて、一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。

結論:無理に自分のことを好きになろうとしなくても良い。

自分のことが好きになれなくて、自分のことが嫌いで生きづらさを抱えている方は多いです。

この問題は幼少期の養育環境からの影響を受けていることが多く、脳の発達に悪影響が出た結果そのような生きづらさを感じていることが多いです。

自分のことを好きになろうとすることで、自分のダメな部分を見つけ出して嫌いになるという負のループから抜け出せなくなってしまうことが多い為、無理に自分のことを好きになろうとしすぎないことも大切です。

幼少期に愛されたと感じられなかった可能性

私達が自分のことを無条件に好きだと思えるようになるには、あなたの記憶にすらない幼少期に養育者(親)からの無条件の愛情を感じられたのか?がとても大きな役割を果たします。

ここで重要なのは「愛情を感じられたのか?」であって、「愛情を受けたのか?」ではないという点です。

幼少期の子供が親からの愛情を感じる為には、見守られていると感じられる事、助けを必要としたら直ぐに助けてくれる事、感情の共感、スキンシップなどがあると考えられています。

しかし、あなたに対する愛情が深い親であっても、これらのことをあなたが受け取りたい形で表現できていなければ、あなたは親からの愛情を感じることが出来ません。

愛情を持つということと、愛情を伝えるということは能力が別です。

深い愛情を持てなくても愛情を伝えることが上手であればより多くの愛情が伝わりますし、深い愛情を持っていても愛情を伝えることが苦手だとあまり愛情が伝わりません。

また、あなたが受け取りたい愛情の形になっていなければ、教科書的に正しいことをしていても逆効果になってしまいます。

基本的に子供は親に抱っこされることを好みますが、抱っこが嫌いな子供もいます。

また、あなたが抱っこして欲しい時として欲しくない時を瞬時に見分けて抱っこしたり、やめたりを調節することも重要です。

あからさまに愛情を全くかけられずにあなたが育った可能性もありますが、このような子育てスキルが高くないことが原因であなたが親からの愛情を感じることが出来ず、「自分は愛される存在ではない。」と学習してしまったことが、自分のことが好きになれない理由かもしれません。

しつけと調教が混在していた

しつけとは社会生活への適応に必要な望ましい生活習慣を形成することなので、子育てにおいてしつけを行うことは重要です。

しかし、子育てをしながら日常生活を送るうえではどうしても親の言うことを聞かせたい場面というのが少なからず発生します。

その時に調教(動物に情緒的な働きかけをし,特定の人の命令にしたがい,一定の行為を行わせるようにする訓練。)と同じことをしつけだと親が思って行ってしまう場合があります。

人間も動物としての本能を持っている為、馬や象、イルカなどのように調教することで命令通りの行動をとるように仕向けることが出来ます。

調教を行う場合には一般的に飴と鞭を上手に使うことによって行うことが出来ます。

親の思い通りの行動をした時だけ褒める。または、言うことを聞かないなどの場合には叱ったり、罰を与えたりするなどです。

人間の子供は調教の飴として、愛情をあげたり、あげなかったりということが効果的に作用します。

しかし、愛情を飴として使われて育つと、「私は○○していないと愛されない」という条件付きでしか愛情をもらえないことを学習します。

これが結果的に、「素の自分は誰も愛してくれない」という世界観を形成することになり、自分のことが嫌いになっていく原因となります。

家族の不仲や問題を抱えた環境で育った

家族の不仲や障害のある家族がいるなど、機能不全の家族環境で育つと養育者からのあなたへ向けられる愛情はどうしても低下してしまうことになります。

子供の思考というのは、理解できない理不尽に対して「私が悪いから・・・」という理由付けをしてしまうことが多くあります。

夫婦関係が悪い家庭で育てば両親が仲良くできないのは、「私のせいだ」と大人からすればよくわからない理論で現状を納得しようとするのです。

この「○○という問題は私のせいだ」という思考法は、あらゆる場面に流用される為、生きていくうちに「私のせいで」という体験が増えていき、それが原因でどんどん自分のことが嫌いになっていってしまいます。

今よりもマシになることを目指そう

私達の脳には臨界期といって、ある一定の年齢までに獲得しないと、後から獲得することが難しくなってしまうという脳の発達上の仕組みがある事がわかっています。

その為、自分のことを好きになるということに関して、臨界期を過ぎてしまっている場合には根本的な改善はだいぶ難しくなってしまいます。

しかし、今よりもマシにすることは出来ます。

マシにするために取り組んでいくことは、素のあなたを受け入れてくれる人と一緒に生きていくこと、あなた自身も自分に条件を付けずにそれでいいんだと自己受容することです。

素のあなたを受け入れてくれる人と生きていく

このような問題を抱えている方は、良きパートナーと出会って素のあなたを出していく、受け入れてもらうという経験を通して、自分のことを受け入れられていくようになっていくことがあることがわかっています。

パートナーが「自分のことが嫌いなあなた」であっても、あなたに愛情を注いでくれる経験をすることで「自分のことが嫌いな自分」を受け入れられるようになっていくからです。

しかし、条件付きであなたへの愛情が変化してしまうパートナーを選んでしまうと苦しみが増してしまうことになるので、注意が必要です。

パートナーほど親密な関係にはなりにくくても、無条件であなたを受け入れてくれる親友との出会いも効果的です。

自己受容によって和らげていく

良いパートナーや友人と関係構築して、無条件に愛されるという経験を繰り返していくことが改善に効果的であるという報告が多くなされています。

しかし、無条件の愛情をかけてくれるパートナー・友人と出会うということ自体がそもそも難易度が高かったり、出会えたとしてもパートナー関係を構築が出来るかという問題もあります。

そのような場合であっても、自分のことを好きになれない自分も「好きになれなくて辛いけど、それが私だ」と受け入れていくということが大切です。

周囲の人から受け入れられる体験は重要ですが、「○○になったら愛してもらえる」と考えて、受け入れられるような作った自分になることで、条件を付けてでも愛してもらおうとすると、常に頑張り続けなくてはいけなくなります。これが、生きづらさの原因です。

受け入れてもらえた時に、一時的に苦しみが和らぐことがあっても、時間経過とともに再び同じ苦しみに飲み込まれてしまいます。

自分のことを好きになれない、自分のことが嫌いな自分をそのまま受け入れてあげてみてあげてください。

まとめ

自分のことが嫌いで苦しい、自分のことが好きになれないという感覚に苦しめられている方は多いです。

考えられる原因の一つとして幼少期の養育とのかかわりが深いと考えられています。

無理に自分のことを好きになろうと努力すると、それによってかえって苦しみが強くなってしまう場合があります。

自分のことが好きになれない自分をそのまま受容することが苦しみを和らげる手助けになる場合があります。

私達は小さい時に愛情を感じながら成長しないと、自分のことが嫌いになり易くなります。

養育者(親)との関わりの中からあなたが愛情を感じられていなかった可能性があります。(愛情があったかどうかとは別です。)

また、親御さんがしつけだと思って行っていたことが、しつけではなく調教になっており、「素の自分は誰も愛してくれない」という世界観を形成してしまった可能性もあります。

家庭環境が不安定でも、あなたに関心が生きにくくなるため、自分のことが嫌いになってしまう場合が多いです。

自分のことを好きになろうとするとハードルが高くなりすぎてしまうので、今よりもマシな状態を目指すことが始めてみましょう。

理想的には無条件にあなたのことを受容してくれるパートナーや友人と人間関係を構築すると、再び無条件の愛情について学ぶチャンスを得ることが出来ます。

しかし、出会うだけでも難しかったりする為、すべての人がそうできるわけではありません。

そのような場合には、自分のことが嫌いであるということを自分に許していくことから始めていって下さい。

無理に好きになろうとしている時よりも心が楽になっていきやすくなります。

当院でカウンセリングを受けたい方はお問い合わせよりカウンセリング予約をお取りください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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