寒波・寒気で体調不良になる原因と対処法

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

寒波・寒気がやってくると体調不良が起こる方は意外と多くいらっしゃいます。自律神経の問題を抱えている方は特に影響を受けやすいようで、寒波が到来した付近から体調が悪くなる方は多いです。

今回は寒波による体調不良がなぜ起こるのか?その原因と対処方法について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

結論:気温・湿度・気圧差に身体が対応できないことで体調不良が起こってしまう。

そもそも寒波とは「寒冷な空気が移動してきて、寒気をもたらす現象。また、その気流。」を指します。

寒冷な空気が移動する原因は高気圧から低気圧に空気が流れ込む(気流が発生する)ためです。

中学の時に冬型の気圧配置で「西高東低の気圧配置」というのを習ったと思うのですが、ざっくり言うと日本海側の冷たい空気が太平洋側に向かって流れ込んでくる状態です。

特に寒波がやってきている時というのは、高気圧側から低気圧側へ空気が移動する為、気圧の変化が大きくなります。

この寒気と一緒に気温と湿度が変化する為、気温・湿度・気圧の急激な変化が寒波がやってくるタイミングで大きくなります。

通常は自律神経の調節機能によって変化する気温・湿度・気圧に適応できるように身体の内部環境を整えるのですが、この調節機能が十分に働かないと体調不良を引き起こすこととなってしまいます。

自律神経はどうやって変化に適応するのか?

気温・湿度・気圧の変化がある時には身体にどのような負荷がかかってきているのかを少し考えてみましょう。

身体にかかっている負荷がわかってくると、自律神経がそれにどのような対応をしようとするのか?また、自律神経の負担を減らす方法が見えてきます。

根本的な解決策については後述しますが、今来ている寒波による体調不良は寒波が通り過ぎるまでは基本大人しくしているというのが対処法です。

しかし、原理的にここでご紹介する対処法を実践すると症状を若干マシにする効果は期待できるので参考にしてみてください。

気圧の変化

気圧は身体を外から押される力です。

気圧が下がる(低気圧で天気が悪い雨や曇り)と身体を外から押す力が弱くなる為、身体は膨張する方向に力が加わりやすくなり、気圧が上がる(高気圧で天気が良い晴れ)と外から押される力が増すので身体は圧縮される方向に力が加わります。

人間の身体の内圧(外からの圧力に抵抗する力)は水分で調節しているので、低気圧になった時は水分を体の外に排出して膨張しようとする内圧を下げる必要があります。

逆に高気圧の時は水分を増やして押さえつけられる力に抵抗するように内圧を上げる必要があります。

寒波の襲来時は高気圧の場所から低気圧の場所へ空気が移動する為、徐々に気圧が上昇して、普段よりも水分補給を意識的に行う必要が出てきます。

気温の変化

気温が低下すると身体は体表面の血管を収縮させ、発汗を減らして体温が奪われないように適応します。

また、寒さのストレスが加わることで抗ストレスホルモンが分泌して交感神経を刺激します。これが血管を収縮させて血圧をあげ、エネルギー代謝を上げて熱の産生を促進します。

普段から交感神経過剰で体調が悪い方の場合は、寒さ刺激による交感神経の興奮でより体調が悪くなるため、身体を冷やさないようにしてリラックスすることが重要になってきます。

体温を保つためにエネルギーの消費量が多くなるため、低血糖にならないように注意が必要です。

低血糖を起こしてしまうと甘いものや炭水化物を欲するようになり、それによって血糖値が乱されると自律神経症状を悪化させる原因となります。

湿度の変化

乾燥がひどくなる地域では体温調節の為に発汗は低下させているものの乾燥により皮膚がかさつく、咽頭部が乾燥にさらされて炎症を起こすと一時的な上咽頭炎を起こして迷走神経という副交感神経に悪影響が出て自律神経の症状が出てきてしまうことになります。

加湿器を適度に使って湿度を保つことが重要になります。

気温・湿度・気圧差に身体が対応できない理由

私達の身体は多少の変化に対しては、気温・湿度・気圧の変化に対しては自律神経が働いて自動的に外部の環境に適応できるように調節機能がついています。

しかし、一度うつ病、パニック障害(不安障害)、起立性調節障害、自律神経失調症など、自律神経の症状が出てきてしまった方の場合やこの調節機能が上手く機能しない状態の方の場合に体調不良が出てきます。

寒波がやってきていない時でも体調不良が頻繁に出るなど、病名が付いていても、いなくても体調が安定していない場合は、まずは治療を行ってそちらを安定させることから始める必要があります。

寒波が来ても体調を崩さない訓練法

普段はとても元気で、寒波が来た時だけ体調不良が出てくる方の場合は、気温・湿度・気圧に対しての抵抗性を高めることで適応能力を向上させることが出来る場合があります。

寒波が来ても体調を崩さないようにするには、気温と湿度と気圧の変化を身体に与えて適応能力を鍛えることで抵抗性を高めることにつながります。

手軽にできそうなものから順に訓練法についてご紹介していきます。

ウォーキング

運動をすると血圧が上がる、発汗する、体温が上昇するなど、内部環境の変化が起こります。

この内部環境の変化を調節する機能の多くは寒波が来ている時に使用しているシステムと共通している為、息が弾む程度の有酸素運動を長期間(年間を通じて数年)継続すると、寒波に対する抵抗性が向上することが期待出来ます。

湯船につかる・水泳

湯船につかったり、水泳など水の中に入ると気圧の変化に身体が応答するシステムが使われます。

しかし、湯舟などは浅い為、気圧の変化はわずかなのでプールなどで潜水するなどのほうが効果が期待できます。

水泳・サウナ・冷水浴び

水泳やサウナ、冷水浴びなどは、体温の急激な低下を引き起こす為、寒気による温度変化への抵抗性が高まることが期待できます。

特に冷水浴びは真冬から始めるには辛いですが、年間を通じて行っているとストレス耐性が全体的に向上する方も多く、手軽にできて費用もあまりかからないのでお勧めです。

登山

山に登って標高が上がると気圧・気温は低くなります。車で高地へ移動しても良いですが運動もかねて歩いてのぼると気圧への変化もゆっくりなのでお勧めです。

山に登る時には気圧が徐々に下がって気温が下がる。逆に下山の時は気圧が徐々に上がって気温が上がります。

これは気圧に関しては寒波が来ている時や天気が崩れる前と同じ状況の為、疑似的に寒波に似た状況を身体に体験させることが出来ます。

まとめ

寒波がやってきて体調不良が起こる原因は、気温・湿度・気圧差に身体が対応できないことが原因だと考えることが出来ます。

通常私達の身体は気温・湿度・気圧差に対して内部環境の調節機能により、健康な状態を維持しようとしますが身体の調節機能よりも大きな変化が起こった際に体調不良を起こしてしまいます。

身体の調節機能は訓練により鍛えて強化することが期待できますが、短期間に調節機能の向上を行うことは難しいことが多いです。

その為、今現在寒波で苦しい状態で困られている場合は、エアコン、加湿器、水分補給など、外部環境を調節したり、内部環境が調節しやすくなるような工夫をして過ごすことが有効です。

しかし、外部環境に対する調節能力は年間を通じて長期の時間をかけて鍛えることで徐々に強化されていくため、過ごしやすい時期にこそ訓練を行っていくことが大切になります。

寒波によって崩してしまった体調の改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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自律神経失調症
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