パニック障害(過呼吸)の辛さは細胞の酸欠が原因!?
結論:酸素があっても二酸化炭素が不足すると細胞が酸素をもらえなくなり、酸欠が起きる。
パニック発作を起こして過呼吸(過換気症候群)を起こすと息苦しく感じます。
息苦しさの原因は赤血球についている酸素を、細胞がもらえなくなることで起こる細胞の酸欠状態です。
例えるなら、郵便物を持っている配達員が家の前まで来ているけれど、郵便物を収納しているケースの鍵が開かない為、配達できなくなってしまっている状態です。
血液中にある酸素(ほとんどが赤血球に張り付いている酸素)は二酸化炭素を利用して細胞に渡しているので、二酸化炭素が不足すると細胞が酸素をもらえず過呼吸発作の辛い症状を誘発します。
肺呼吸と細胞呼吸
医学的には呼吸には肺呼吸と細胞呼吸があります。
肺呼吸とは?
私達が「呼吸」というと肺呼吸のことを言います。
肺呼吸はその名の通り、肺を使って酸素を体内に取り込み余分な二酸化炭素を体外へ排出する呼吸です。
細胞呼吸とは?
細胞と血液の間でも肺呼吸と同じように酸素を細胞に取り込み、余分な二酸化炭素を血液に排出します。これを細胞呼吸といいます。
肺で取り入れられた酸素は、血液中の赤血球に張り付いて全身をめぐり、酸素を必要としている細胞で、赤血球から酸素が外れて酸素を細胞に渡します。
細胞ではエネルギーを取り出すときにでる副産物である二酸化炭素を血液中に排出します。そしてその二酸化炭素を肺まで運び体の外へ排出(肺呼吸)します。
二酸化炭素が不足すると細胞呼吸がうまくできなくなる
細胞呼吸では、細胞が酸素を取り込むときに赤血球から酸素が外れる必要があります。
この赤血球から酸素が外れるためには二酸化炭素が必要で、二酸化炭素が不足すると細胞呼吸が上手く行われず細胞は酸欠状態になります。
二酸化炭素が不足するとどうなるのか?
体内の二酸化炭素が不足すると細胞呼吸ができずに細胞が酸欠になるだけではなく、全身の血管が収縮してしまいます。
なぜなら、二酸化炭素には血管を拡張させる作用もあるからです。
神経の集合体である脳は、非常に多くの酸素を必要とするので、二酸化炭素が不足すると脳に供給される酸素と血流の両方が低下する為、急激に脳の機能が低下して、パニック発作を誘発します。
過呼吸(二酸化炭素不足)を起こさない方法
二酸化炭素不足を起こさない為には、リラックスした状態で正しい呼吸を継続して二酸化炭素量が過不足ない状態を維持できるようになることです。
その為には、以下の条件を整えましょう。
2.食事・睡眠・運動といった基本的な生活習慣を整える。
3.ストレス管理を行って持続的に交感神経が優位を避ける。
4.鍼灸などで体の緊張を緩めてリラックスと深い呼吸がしやすい身体を作る。
まとめ
過呼吸(過換気症候群)の原因は呼吸のし過ぎによる、二酸化炭素不足が原因で細胞に酸素が供給されにくくなる細胞の酸欠が原因です。
二酸化炭素の不足は細胞への酸欠や血流低下を引き起こし、脳の機能低下が起き、不安感、息苦しさ、しびれ、めまいなどの症状が出てきます。
細胞呼吸を正常に行うには、二酸化炭素に過不足が出ないように正しい呼吸・生活習慣・ストレス管理・ボディケアを行って、リラックスした生活を行うことが重要です。
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