パニック障害・うつ病があるパートナー(彼氏・彼女・妻・夫)喧嘩後にパニック発作や体調不良

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

パニック障害・うつ病持ちのパートナーと普段は仲良くやっているけど、時々喧嘩してしまい、その後にパートナーがパニック発作を起こしたり、体調が悪くなることが多いので、罪悪感を感じてしまう。

パニック発作や体調不良を起こされるかもと思うと言いたいことがあっても言えない。

今回は喧嘩後にパニック発作や体調不良を起こしてしまうパートナーとの関わり方について、一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までご一読ください。

結論:冷静に会話できるようにお互いのコミュニケーションスキルを高めよう

パニック障害・うつ病はストレスを受けるとどうしても増悪しやすい疾患です。その為、治療期間中はストレスがかかることをなるべく減らしますし、再発率も高いのでストレスをあまりかけないということは継続して必要です。

通常であれば、パニック障害・うつ病が改善してきてから、徐々にストレスに触れてストレスへの抵抗性を高めていくトレーニングをしながら社会生活を行えるようにすることが治療のオーソドックスなパターンです。

しかし、治療途中の場合やストレスへの抵抗性を高めていくトレーニングが不十分な状態で治療を終了していたり、パニック障害ではなくPTSD(心的外傷後ストレス障害:いわゆるトラウマ)の要素を含んでいて、今後も治療することがない場合には、パートナーと喧嘩してパニック発作や体調不良が出てくるという問題が発生してきます。

普段は仲が良く、今後も長期的にパートナーと良好な関係性を継続していくためにはどうしていけばよいのかで困られる方も多い問題です。

そこで重要になるのが、そもそも喧嘩に発展しないように、お互いのコミュニケーションスキルを高めて、喧嘩そのものを予防することが重要になります。

しかし、喧嘩そのものを予防するといっても、あなたが言いたいことを我慢したり、パートナーが我慢するといった、どちらかが我慢するといったことではありません。

お互いの意見や主張を適切な形で相手に伝えあえるようになることと、お互いの意見を尊重しあえるようになることです。

これはコミュニケーションスキルの問題なので、パニック障害・うつ病をもつパートナーとよく話し合いお互いにコミュニケーションスキルを高めるように協力していきましょう。

しかし、パートナーやあなた自身がADHD/ASDなどの神経発達障害の傾向が強い場合には、コミュニケーションが難しい脳を生まれつき持っている為、コミュニケーションスキルを高めても限界があります。

必ずしもコミュニケーションスキルがすべての解決策ではないので、コミュニケーションスキルの改善に取り組んでもうまくいかない場合は、一度、神経発達障害の傾向がないか調べることも大切です。

お互いに察するコミュニケーションをやめる

日本人は察する文化が強く能力も高いため、空気を読んで相手の求めていることを察するといったコミュニケーションをとる方が多いです。

裏を返すと相手の表情や態度、言葉の裏の意味を必要以上に読み解こうとする傾向があります。

その為、○○という態度ってことは○○だと思っている。今、嫌そうな表情をしたなど、憶測で相手の意見を組み立ててしまいやすい傾向があります。

また、私がこういう態度でいるということは、どうして欲しいと思っているのか、言葉で言わなくても察して欲しいという欲求にもつながります。

小さい時に親から感情を察して共感されて育ち、成長するにしたがって言葉で伝えることの重要性や自分が相手の表情などから感じた憶測を言葉で確認するという健全なコミュニケーションスキルを獲得していきます。

しかし、小さい時に親から感情を察して共感されるということが少なかった方はそういった欲求が残ってしまい、大人になっても「いわなくてもわかって欲しい」という感情を抱きやすくなりまし、表情や態度などから憶測で相手の心理を読み解いてしまい、それを事実と誤認します。

表情や態度など少ない情報から憶測で相手の心理を読んで会話をしない

コミュニケーションの基本は相手の理解できる言葉で相手に伝えること、言葉で表現していない表情や態度などから自分が憶測で理解した相手の心理をわかった気にならないことです。

この基本を無視してわかってくれない!○○と本音では思っていると憶測でコミュニケーションをとって喧嘩になるケースは非常に多いです。

態度や表情から相手の気持ちを読み解いたり、表情や態度で自分の気持ちを伝えたり、自分の意見が通らない時に機嫌が悪くなって無視をしたり、ドアを乱暴に閉めるなど相手を態度で威嚇しないことが大切です。

不快だったり嫌だということは、威嚇にならない言葉で相手に伝えるようにしましょう。

○○されると悲しい。○○されると辛い。だから、やめて欲しい。

といった具合に私はどういう気分になるから、どうして欲しいとお願いをする。ということです。

お願いですから、お願いを聞くか聞かないかは相手の自由です

お願いを聞かないからあなたのことを大切にしていないなど、拡大解釈をしたり、○○するなら私も○○するといった具合に、報復をちらつかせて相手を威嚇するコミュニケーションにならないように注意しましょう。

あなたにはあなたの自由があるように、相手には相手の自由があります。相手の行動や判断は、もともと相手に強制できません。

それはパートナーであっても同じです。

人は他者から命令されたり強制されると反発したくなります。その結果、イライラして反対意見や報復をちらつかせてしまい、喧嘩になり易くなります。

私がどう感じているのか?の感情を言葉にして相手に伝えるようにしてみましょう。

お互いが相手に期待している事を明確にし、共通の目的を探す。

パートナーに対して怒りを感じたり、ガッカリしたりする理由は、あなたが相手に期待(予想)していることが実物のパートナーよりも悪い方向へズレていることにあります。

例えば、靴下をその辺に脱ぎ捨てずに洗濯機に入れてくれないことで、パートナーにそれを指摘したとします。

その際、あなたが期待(予想)しているのは、「パートナーが素直に謝り、その後靴下を洗濯機に入れてくれるようになってくれる」ことです。

しかし、実物のパートナーは指摘されたことに対して怒ったり、軽い返事をしただけで、今まで通り靴下をその辺に脱ぎ捨てるという行動が変わらないと、あなたは怒りを感じ、何度も注意しているうちに喧嘩へ発展します。

ここで重要なのは、あなたがパートナーに対して「素直に謝り、その後靴下を洗濯機に入れてくれる」と期待していた点です。

逆にパートナーがあなたに抱いている期待は「靴下をその辺に脱ぎ捨てることを、あまり口うるさく言わないでくれる」という期待を持っています。

お互いの期待が大幅にズレた状態での話し合いはまとまりようがありません。

期待が大幅にズレていると、お互いが自分の期待を押し通そうとするとどちらかが我慢するか、お互いに主張しあって喧嘩に発展しやすくなります。

この時に大切なのは共通の目的を見つけ出すことです。

この場合で言えば「お互いが気持ちよく過ごせる室内環境を作りたい」という共通目的をどうやれば達成できるのかについて話し合うのです。

靴下をその辺に脱ぎっぱなしにしていることを責められて気持ちがいい人もいませんし、口うるさく言わずに理解して欲しいという期待を持たれても困ります。

靴下を片付けるのは手段であって目的ではありません。

一歩引いて共通の目的を探しましょう。

自分が簡単にできるからといって相手もできるとは限らない

私達は他人の身体を体験したことがありませんが、それを普段から意識できている人は少数です。

その結果、自分にとって簡単なことは相手にとっても簡単だと無意識に決めつけてしまいがちになり、その前提でコミュニケーションをとってしまいます。

特に言葉によるコミュニケーションは日本人なら出来て当たり前だと考えてしまいがちですが、実はかなり高度なことをやっています。

コミュニケーションの難しさは相手の理解力に合わせた言葉選びと文章の長さなども重要です。

意外な事実ですが文字で書かれると、単語は理解できても、文章は理解できない人が人口の1/3ぐらいいるといわれています。

現代でも、文字で書かれたこの文章を読んで理解できているのは2/3の人だけで当たり前ではないのです。

口語(音)での会話になるので、多少理解できる人数は増えることが予想されますが、2つのことを言うとわからなくなってしまうという人は意外と多くいます。

例えば、「靴下は裏返して洗濯機に入れてと言っているのに何でやってないの!」

とちょっとしたことでトラブルになるケースは多いのですが、「靴下を裏返す」ということと、「洗濯機に入れる」という二つのことを同時に言うとわからなくなってしまうことがあります。

これは脳のワーキングメモリが平均よりも小さめの方に多いのですが、相手が理解し記憶し、正しく記憶を呼び出せる言葉と複数のことを同時に言わないという気づかいは大切です。

また、言った直後は出来るけれど、だんだんできなくなるというのも、短期的に言われたことをやる能力があっても継続する能力が低ければ継続できません。

脳には個性があり、得意な事、不得意なことがあります。あなたにとってはとても簡単な事でも相手にとってはとても難しい場合もあるのです。

まとめ

・パニック障害・うつ病もちのパートナーのストレス耐性を上げるところまで治療を行えるのが理想。

・喧嘩にならないようにお互いのコミュニケーションスキルを高めることが大切。

・言わなくてもわかる、表情や態度でわかるといった察するコミュニケーションをとらない。

・自分の気持ちを言葉で伝える。(I(私)メッセージを使って私は○○と感じると気持ちを伝える。)

・自分の意見を通すために相手を威嚇したり、報復をちらつかせない。

・お互いの期待のズレを明確にして、共通の目的を探す話し合いを行う。

・自分と相手の脳の個性に違いから能力差があることを意識し、相手の能力の範囲内でコミュニケーションをとることを意識する。

当院での改善をご検討の方はうつ病パニック障害をご覧ください。

パートナーがうつ病・パニック障害でどのように接していけばよいのかわからず相談したいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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