みんな幸せそうで羨ましい

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

当院へ来院される方は何らかの疾患で自律神経やメンタルの不調を持たれている方が多いのですが、自分以外の皆が幸せに生きているのに、自分だけが不幸といった感覚にとらわれている方が多いです。

症状としてネガティブな思考になり易いことも関係していますが、病気になる前から他人と比べて不幸だと感じている方も多く、病気のあるなしに関わらず、多くの方が抱えやすい悩みの一つです。

今回は幸せになりにくく不幸を感じやすい問題について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。

結論:文明社会において私達の脳は不幸になり易い。

せっかく生まれてきたんだから、幸せな人生を生きたいと多くの方が願っていますが、残念ながら私達は幸せを感じることに最適化された脳を持っていません。

むしろ、私達の脳は不幸や不安などになり易いネガティブな情報を積極的に脳が集めて処理し、記憶するようにできています。

文明社会の中では不幸を感じやすく、幸せを感じにくい脳を持っているといっても良いかもしれません。

なぜこのような特性を持っているのかというと、自然界で生き残っていくためにはポジティブな情報、幸せな感情などの情報や記憶を多く集めて保持してもあまり生存競争に有利にならないからです。

それよりも、ネガティブな情報を積極的に集めて記憶する。

自分の生存に悪影響を与えるような状態が周囲に存在しないを常に探す。過去にあったネガティブな記憶と照らして現在の状況が似ていないかを分析して生存を有利にすることが有用です。

例えば、ディズ〇ーランドに行って楽しかった記憶を鮮明に残しておくよりも、赤信号を無視して車に轢かれそうになって怖かった記憶の方が、個体の保存(命を失わない為)には重要です。

実際に体験していなくても、ディズ〇ーランドが楽しい場所という情報よりも、赤信号は危険だという情報の方が多くの人にとっても重要な情報になります。

危険や不安に関する情報の方が生き残る為には必要な情報になり、楽しい、嬉しいといったポジティブな情報はあまり脳にとっては重要な情報だと判断されない傾向があります。

私達の脳は文明社会の中では基本的にはネガティブな情報を優先的に集める為、幸せを感じにくく、ネガティブな情報は無意識に脳が情報を収集しやすいということを理解しておきましょう。

ネガティブな情報が溢れる文明社会

ネガティブな情報を脳が自動で集めやすくなる特性がある為、これはビジネスシーンで多用されます。

例えば、ニュースの報道などポジティブな話題よりもネガティブな話題を提供した方がより多くの人に見てもらいやすいです。

また、私達の脳は得をする事よりも、損をすることを避けようとする性質がある為、「そのままだと損をしてしまいますよ。」といった、不安をあおるような文言が広告などでも使われ易くなります。

物やサービスを売るという経済活動を行う上でネガティブな情報に引っ張られやすい特性を利用してより多く売れるようにという流れが社会全体で行われ易くなっています。

困ったことに私達の脳はネガティブな情報を受け取ると、思考そのものがネガティブに偏りやすくなるという特性もあります。

あるSNS会社が行った実験では、ニュースフィールドにあえてネガティブな情報をたくさん載せたユーザーはネガティブな単語を含む投稿を行いやすくなることが報告されています。

私達の脳は情報の影響を受けやすいため、自由競争が進んでネガティブな特性を利用した広告を目にする機会が増える社会が形成されると、その情報に影響を受けてネガティブな思考に陥りやすくなるのです。

社会に関心を持つことが悪い事ではありませんが、ネガティブな気分になり易い方はニュースや広告などのネガティブな情報を浴びせてくる媒体とは距離を置くことが大切です。

永遠に幸せに到達しないタイプの幸福(ドーパミン系)

脳は予想する為の臓器であると考えられています。(大統一理論)

脳は未来を予想し予想よりも結果が上振れた時に私達は喜びや幸福感を感じ、下振れた時にネガティブな感情になります。

そして、予想は過去の経験(記憶)の影響を強く受けます。

過去にもらったことがある金額よりも給料が少ない、過去にとったことある点数よりもテストの点が下がる、過去に住んでいた部屋よりも部屋のランクが下がるなど、過去と比べて不幸を感じます。

基本的に一度手に入ったものは失われるとストレスになりますが、一度手に入れたものは、当たり前の権利となってしまい、ありがたみや喜びを感じにくくなってしまいます。

病気の時に不幸な気分になり易いのは、健康な時に当たり前にできていたことが制限を受けたり、苦痛を伴うなど、健康な時は出来ていたのにそれが出来なくなってしまったという喪失感によって辛く感じてしまうからです。

原理的に言えば、向上するほどに当たり前と感じることの数や次にクリアして幸福感を感じる為の難易度が上がっていくことになります。

給料が上がったり、テストで良い点数が取れたり、生活水準が上がるとその時は幸福感を感じますが、すぐにその状態が当たり前になってしまい、さらに向上しないと幸福感を感じることが出来なくなっていきます。

つまり、幸福感を感じる度に不幸だと感じることが増え、幸福感を再び感じようとするとさらに難易度の高いことをクリアする必要が出てきてしまうというジレンマが存在します。

このタイプの幸福感はドーパミン(報酬系)によって得られる幸福感で、際限がありません。

幸せに生きるにはドーパミン主体の幸福感を探求していくと一時的な幸福感は得られても、本質的に不幸が増えていってしまう為、注意が必要です。

SNSでのいいねの数など、承認欲求が満たされたときもドーパミンによる幸福感が得られます。

SNSの多くがメンタルヘルスに悪影響を与えるという報告が多い理由も不幸と感じることが増えていくためだと考えられます。

持続的な幸せは不安が少ない事

ドーパミン(報酬系)による幸福感はとても強烈なものの為、ドーパミンによる幸福を得たくなりますが、持続せず、何度も幸福感を感じているとむしろ不幸だと感じることが増えていってしまう特性があります。

持続的な幸せを得るにはセロトニンやオキシトシンの作用を増やしていくことがとても大切です。

セロトニンは幸福ホルモンなどとも呼ばれますが、オキシトシンも含めて作用としては不安を感じにくくさせるどちらかというと安心感を与える作用があります。

幸せという積極的な感情というよりも、不安・恐怖というネガティブな感情が少ない安心して落ち着いた状態といった方がしっくりくるかもしれません。

退屈な日常生活が続いていくことに、安心感や穏やかな気持ちで生活できる状態が私達人間が唯一持続的に感じることが出来る幸福です。

楽しいとか嬉しいといったドーパミンによって得られる刺激的な幸せではなく、家族や友人とのつながりを感じられるゆったりとした時間などがそうです。

そんな穏やかな幸せが唯一私達人間が持続的に感じることが出来る幸福です。

他者と比較して終わりのない不幸の沼に落ちない

他者との比較は勝てばドーパミンによる幸福感が得られますが、負ければそのストレスからセロトニンの分泌が低下し不幸感が増します。

競争によって得られる幸福感は勝ち続けることでしか維持できません。

みんな幸せそうで羨ましいというのは、経済的な優劣、素敵なパートナー、健康状態、能力など、他者との比較で発生している問題です。

日本に住んでいると否応なく子供の時から競争社会に身を置かれますから、競争する事(他者と比較する事)が当たり前になってしまいがちですが、他者比較をやめない限り不幸は続きます。

そして、上には上がいるので、必ずいつか負けます。

他者と競争を続けている限り、最後は必ず不幸になるという皮肉な運命にあります。他者と比較したり、競争したりを極力減らしていくことが重要になります。

セロトニン・オキシトシンの幸せを高めるには

セロトニン・オキシトシンの幸福感を高める方法はそれほど複雑ではありません。

心理的・身体的な安全の確保。

食事・睡眠・運動を適切に行って身体を整えることと、良好な人間関係を築くこと。

研究で経済的に裕福ではない昔ながらの狩猟採集の生活を行っている人たちの幸福度は、文明社会で生きている超富裕層の少し下ぐらいであることが報告されています。

朝起きて、夜寝る生活。食料を得る為の移動生活(適度な運動)。(多く狩りをしても腐らせてしまう為)必要な食糧が得られた後は余暇を過ごす。仲間からお互いに必要とされる。

狩猟採集社会においては、労働力はとても貴重なものになるのでお互いが生きていくためにお互いを必要とすることが、集団の中に自分が所属しているという所属感を高め、幸福感に影響していると考えられています。

文明社会における人間関係の希薄さは、面倒事に巻き込まれない代わりに、他者から必要とされているという感覚を奪ってしまっています。

文明社会の中に原始社会の生き方を取り込む

うつ病、パニック障害(不安障害)、自律神経失調症といった精神科・心療内科の疾患は、狩猟採集社会ではほぼ見られない疾患であることが知られています。

だからと言って、あらゆる文明を今から捨て去ることは現実的ではありません。

原始社会にあって文明社会では少なくなってしまったものを、生活の中に取り入れていくことは幸福感を高めていくうえでとても重要なヒントになります。

毎日適度な運動を行う、喜びや苦しみを分かち合える仲間を持つ、他者と比較したり競争しすぎない。

もちろん、よく眠る、適切な食生活を送る、太陽が昇ったら活動し、日が沈んだら眠るといった生活リズムを整えることも大切です。

原始社会にあったものを、少しでも多く生活の中に取り込んでいくことで、幸福を感じやすい生活が送れるのではないでしょうか?

まとめ

他人と比べて不幸だと感じてしまうのは多くの方が抱えやすい悩みの一つです。

これは文明社会のシステムの中では私達の脳が不幸になり易い特性を持っていることが影響していると考えることが出来ます。

私達の脳は生存を有利にするために、本来危険なことが自分の身の回りで起こっていないかを常に脳が探し、分析し、記憶するようにできています。

文明社会では物やサービスを売る為に、私達の脳が反応を示しやすいネガティブな情報を好んで発信する構造になっています。

その情報に触れることで周囲が危険にあふれていると脳が認識すると思考パターンがネガティブに陥りやすくなり、不幸を感じやすい状態が作られます。

私達が幸福だと感じているものの多くはドーパミンという神経伝達物質によって感じさせてくれる幸福感が多いのです。

ドーパミンによる幸福は原理的に幸福感を感じる度に、不幸と感じることが増え、幸福を感じることが減っていってしまいます。

私達が持続的に幸福感を得る為には、セロトニンやオキシトシン由来の幸福感を求めることがお勧めです。

しかし、幸福感といっても不安や恐怖が少なく安心して穏やかである状態で、ドーパミンによる幸福感のような高揚感はありません。

他者との比較や競争は不幸を感じやすくなりますが、文明社会の社会構造が比較や競争を促していく性質がある為、意図的に比較や競争を減らしていく努力が大切です。

セロトニンやオキシトシン由来の幸福感は運動・食事・睡眠・良好な人間関係によってもたらされます。

文明を捨て去ることは出来ませんが、原始社会で行っていた生き方を生活の中に取り込むことが重要です。

当院でカウンセリングを受けたい方はお問い合わせよりカウンセリング予約をお取りください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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心理・脳科学
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