うつ病の妻・夫・子供・彼氏・彼女・友達との接し方

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

うつ病の妻・夫・彼氏・彼女・友達との接し方がわからず、悩んでしまわれる方は多いです。

うつ病は気分の落ち込みだけでなく、ひどくなると希死念慮が強くなって「死にたい」と口にしたり、あり得ないことを妄想して怯えていたり、いきなり怒り始めたりなど、どう対応していいのかわからなくて困ってしまうことは多い疾患です。

今回はうつ病の方が身近にいる場合どのように接していけば良いのかについて一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。

結論:脳の病気であることをしっかりと認識して接しましょう

うつ病は脳が正常に機能しなくなる病気です。

脳が正常に機能しなくなった結果、気分が落ち込んだり、被害妄想的になったり、自分の存在価値を否定してしまって死んでしまいたくなる、感情がコントロールできずにいきなり泣き始める、起こり始めるなどの症状が出ます。

間柄が親密であればあるほど、以前とは異なる姿を見て心が苦しくなってしまうこともあるかと思います。

私達の脳はコミュニケーションをとっている相手と同期するようにできています。

その為、特にご家族の場合には四六時中一緒にいることで、あなた自身まで気分が滅入ってきてしまうこともあると思います。

この問題は結構重要で、医師の中でも精神科医の自殺率が高いことが知られていますので、適切な距離感を持って接することがとても大切です。

良くなってもらいたいという気持ちから、あなたも一生懸命になりすぎると引きずり込まれてしまうことがあるので、本人を休ませるために家事や育児をあなたが担うという頑張り方はよいですが、話を聞きすぎて辛くなるのは避けてください。

うつ病の基本は休息する事です。

何もせずにただぼーっとしたり、眠ったりということがとても重要です。

ご本人が休息できる体制づくりを構築することに専念することが大切です。

うつ病の時に出る三大妄想

うつ病になってしまうと微小妄想といって様々な妄想が頭の中でぐるぐる回ってしまいやすくなります。

脳の誤作動によって起こっている妄想の為、論理的に何度説明しても妄想を止めることが難しいことが多いです。

正常な状態にある人が、妄想症状に対して何度も何度も説明しても、同じことを何度も言われてしまい、疲れてしまうということがあります。

何度も説明するというよりも、否定も肯定もせずに「そうなんだ。そう感じるんだね。」と相槌を打つだけで良いです。

妄想が出ている場合には、説明も反論も否定も理解できるだけ脳が機能していないことがほとんどです。

以下がうつ病の時によく出るといわれる妄想ですので、ご紹介します。

  • 心気妄想・・・癌や難病などの大きな病気なのではないかと思い込む。
  • 罪業妄想・・・他人を傷つけた、失礼なことをした、他人を病気にしてしまったなどと思い込む。
  • 貧困妄想・・・お金があっても暮らしていけない、お金が無くなるのではないかと思い込む。

死にたい・消えたいと口にする

気分の落ち込みが激しく、鬱状態が強くなると「死にたい・消えたい」という言葉を口にする場合があります。

時々、口に出す人は本気ではないという人がいますが、そんなことはないので邪険にだけはしないであげてください。

しかし、「死んだらダメだよ」というと、「死にたいという辛い気持ちを否定された」と感じてしまう為、「そうか、死にたいぐらい辛いんだね。」と感情を肯定してあげる言葉がけが大切です。

私もパニック障害になった際に鬱状態になっていたのでわかりますが、紐を見てこれで首を吊ったら楽になれるといったことが頭の中でふわっと自動で考えてしまう状態です。

しっかり休養を取って脳の機能が戻ってくれば、死にたい・消えたいという感情は消えてきますので、病気の症状であるということだけは理解し、辛い感情をそのまま肯定してあげるという接し方しかありません。

感情が不安定になる

うつ病になると脳の前頭葉の働きが低下した状態になります。

前頭葉は論理や感情の制御に関わる脳の部位の為、感情のコントロールが苦手になります。

また、気分の落ち込みを改善するお薬の影響から感情が高ぶって一時的に多弁になったりすることもあります。

イライラといった感情の抑制もしずらくなる為、些細なことに激しい怒りをぶつけてくるなどの症状が出ることも少なくありません。

「私なんていなくなればいいんでしょ!」とイライラを抑えきれずに暴言を吐いた後、今度は怒りの感情が落ち着くと「なんてひどいことを言ってしまったんだ」という自己嫌悪から気分が落ち込むといった具合です。

これも症状なので怒りだしている時はびっくりするのですが、そういう病気なんだから怒鳴ったり、暴言を吐いてしまっても仕方がないよと自己嫌悪に入ったタイミングで慰めてあげると良いです。

怒られてあまりよい気分ではないのですが、症状なのであまり感情的にならずに、今日は感情のコントロールが上手くいっていないんだなぐらいにとらえて接して頂く方が、こちら側も心理的なストレスは抑えられます。

脳内で怒る準備が整って怒りの矛先を探している時に行った些細な事に怒りをぶつけることが多いので、些細な事にも気をつけなきゃとあまり神経質になりすぎないことも大切です。

脳内が怒る状態になっていれば、時間の問題で爆発しますので、ほとんどの場合、周囲の人がどれだけ気を付けても怒りの爆発は避けられません。

なるべく客観的に、感情が不安定である症状が出ていると少し冷めた目で見ることも大切になります。

眠れないもしくは長く寝る

うつ病の場合、不眠になる方が多いですが回復の傾向がある時は長時間寝る過眠傾向が出ることがあります。

1日長いと20時間ぐらい寝る場合もあるので、こんなに寝続けて大丈夫なのか?と不安になってしまいますが、回復期にはよく見られることなので、あまり心配する必要はありません。

問題になるのは不眠の方で、回復に睡眠が重要であるにもかかわらず眠れない、そして本人も眠れないことにこだわってしまい、眠らなくては!っとプレッシャーをかけてしまう為、余計に不眠の傾向が強くなるといった具合です。

薬を使用して眠るということも一つの方法の為、睡眠薬への依存の問題についてはうつ病が改善するまでは一旦、目をつぶって薬を使うというのも方法として間違っているわけではありません。

絶対にやめてもらいたいのが、お酒で眠るという生活スタイルになると、ほぼほぼうつ病の改善の難易度が極端に跳ね上がるので、家の中にアルコール類を置かないように注意しましょう。

うつ病に良いことを強要しない

例えば規則正しい生活、散歩をするなど、うつ病の改善に大切な事というのはいくつもあります。

少しでも良くなってもらいたいという気持ちから、「少しでも運動したら?」と声をかけてしまうと「頑張れ」と言われているような感じになってしまうことがあるので、「散歩行くけど一緒に行く?」ぐらいの軽い誘いにしておくようにしましょう。

気分が重かったり、身体がだるいとなかなか動くことも大変で、ソファーに横になっているように見えても、本人としてはベッドからソファーに移動してきただけでも相当に頑張ってきた可能性もあります。

しかし、脳に悪い事だけは避けたいため、お酒、たばこ、カフェイン、スマホやタブレットなど、脳を疲れさせるようなことはある程度制限をかける必要がある場合もあります。

特にスマホなどは、気分の落ち込みをごまかすことが出来るのですが、脳が休む時間がなくなったり、ブルーライトが睡眠に悪影響を与えるなど、結果的にうつ病を悪化させることになる為、悪化要因は減らすことが原則になります。

うつ病がひどくなると音や光に敏感になってスマホなども触りたくなくなることが多いので、その時に制限して、良くなってからも制限を維持するという形の方が良いことが多いです。

依存性のあるものだけはある程度制限しますが、家族は普通にスマホを使い続けるなどしていると本人も使いたくなってしまいますので、家族全体で減らすことが大切です。

まとめ

うつ病は脳の病気であることを認識して接することがとても大切です。

色々な症状が出ますが、良くなって欲しいという一心から、あなたが引きずり込まれないように注意してください。

うつ病の基本は休息することなので、あなたが頑張るのは本人が休息できる環境を構築することです。

うつ病になると微小妄想が出ますが、説明しても理解してもらえない為、感情を肯定する接し方をしていきましょう。

死にたい・消えたいという言葉を口にすることがありますが、こちらも否定せずにそれぐらい辛いのだということを肯定するような言葉がけを行いましょう。

間違っても、死ぬのはダメ!と否定するような言葉がけは行わないように注意してください。

希死念慮(死にたい気持ち)は脳の機能が回復してくれば、自然とその症状は消えてきます。

感情が不安定になることが多いので急に怒り出したり、泣き出したりしてもあまり感情的にならずに症状だという認識を強く持ってください。

症状だから仕方がないということを伝えて罪悪感を和らげてあげることも大切ですが、怒りが爆発しないように些細なことまで気を使って神経質になると疲れてしまうので、あまり予防しようと思わないようにしましょう。

回復途中で過眠傾向になることがありますが、その場合は回復している途中なので沢山寝ていても心配する必要はありません。

不眠状態にある場合には、睡眠薬を利用するのも一つの方法です。

お酒を使って不眠を解消しようとしないように注意してください。

うつ病の改善によい生活習慣はたくさんありますが、強要しないことが重要です。

しかし、うつ病に悪い事は基本的には避けさせる必要があるので、なるべく生活空間から取り除いてください。

当院での改善をご検討の方はうつ病をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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