不安障害(パニック障害)になった人は論理と感情のバランスを改善しよう

こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。

不安障害(パニック障害)になり易い方は、脳が感情優位になっていることが近年の脳科学でわかっています。実際、不安障害(パニック障害)で来院されて改善されていく過程で、カウンセリングの際に話す内容が感情中心の話し方から論理的な話に変化していきながら、徐々に良くなっていきます。

今回は不安障害(パニック障害)を改善するうえでカギとなる、感情脳と論理脳について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

 結論:感情脳を適正レベルにコントロールしよう

私達は日々の生活の中で色々な判断や選択をしていますが、感情脳(脳の深い部分にある辺縁系や扁桃体)と論理脳(脳の前側などに代表される前頭葉や頭頂葉)という二つの仕組みを組み合わせて判断して、日常生活を行っています。

人は感情の生き物という言葉もありますが、論理よりも感情の方がより判断や行動に与える影響力が大きいことがわかっています。

例えば、商品を売る時に、論理的に性能を説明するよりも、感情に働き掛けるようなセールスをした方がよく売れることがわかっています。(iPhoneは体験を売るという意味でとても上手です)

感情は私達が進化の過程で獲得した機能で、判断を素早く行ったり、自分にとっては一見、不合理だけれど子孫繁栄や生存確率を高めるには必要な判断をすることに特化したシステムです。

人間は論理脳を他の動物よりも発達させたことに特徴がありますが、それでも依然として私達の行動を主に支配しているのは感情であることに変わりはありません。

不安障害(パニック障害)の方は、元々感情脳が優位な方が多く、不安感情が暴走した結果不安障害という病気を発症しているとも考えることが出来ます。

論理脳の影響力を高めることで不安障害(パニック障害)は改善されていきやすく、再発もかなり起こりにくくなります。

論理脳が正しいとか優れているとかということではなく、感情脳と論理脳のバランスが悪いことが問題になるので、バランスを整えていくトレーニングが大切になります。

気持ち(感情)は大切ですが、正しく判断しない

私達は小さい時から、「気持ち(感情)」を大切に扱うように教育されます。

社会一般的にも「気持ちが大切」、「気持ちが嬉しい」など、気持ちを大切にするという文化があります。

これ自体は問題ないのですが、気持ちを大切にすることと、気持ちを重要視しすぎることは別です。

気持ちを大切にすることは私達の人間らしさや心の豊かさにつながるのでこれ自体は大切なことですが、感情による判断は必ずしも論理的(合理的)であるわけではない為、間違った判断をしてしまうことがあります。

人生には論理的(合理的)に判断した方がいい場面と気持ち(感情)で判断した方がいい場面とがあり、このバランスをとることが心の安定につながります。

例えば、高価な物が欲しい時に、それを買う際に多くの人が葛藤すると思います。それは欲しい(感情)とこれを買うといくら使うことになる(論理)といった葛藤です。

感情優位な方は、これを買った際にどういう気持ちになるのかを優先しますので、感情的には満足するのですが、あとで生活費が足りないなど、生活に支障をきたしてしまうことがあります。

論理優位な方は、これを買うことが自分にとってどれだけの妥当性があるのか?本当に必要なのか?を熟考します。

感情優位な方は、一時的に感情は満たされますが、お金が足りないという悩みを増やして結局、感情的に不安定になってしまいやすいのです。

論理優位な方は論理的に考えることで妥当な判断をする傾向がありますが、感情を満たすチャンスを失ってしまいやすくなります。

感情と論理のバランスが良い方は、このちょうど中間ぐらいの判断を行うことが多いです。

生活に困らない範囲内であれば、気持ちを大切にして欲しいものを素直に購入し、生活に支障があるようであれば今回は購入をあきらめるか、お金をしばらく貯めてから購入するといった具合です。

この感情優位なのか論理優位なのか、バランスが取れているのかはあなたの基本的な脳の使い方のパターン(思考パターン)になっていることが多いです。

毎日行っている小さな判断の際に、自分が感情・論理のバランスがどういう判断をしているのかを観察してみましょう。

不安障害は感情で判断すると悪化する

不安や恐怖という感情は危険を学習する感情です。

その為、不安・恐怖を避けるとその行動は危険だと脳が学習して、次はさらに不安・恐怖の感情を発生させその行動を止めるようになります。

その為、不安・恐怖を感じたものから徹底的に逃げるというのは不安障害の改善には一番行ってはいけないとされています。(パニック発作を起こすほど無理をする必要はありません。)

不安障害(パニック障害)の改善には認知行動療法や暴露療法が有効とされています。

認知行動療法は感情での判断から、論理での判断の割合を強くすることで、感情と論理のバランスをとる訓練をしている療法でもあります。

暴露療法は不安・恐怖という感情に従わずに論理的に正しい行動をとることで、不安・恐怖を克服していく療法です。

どちらも論理脳を鍛える効果が期待できます。

首こりなどの身体的な問題から不安障害になったとしても、パニック発作の苦しさの恐怖から不安や恐怖を感じそうなものを避けてしまうのは自然な反応です。

しかし、その不安・恐怖という感情の通りの行動をしてしまうと不安障害は悪化してしまいます。

私達専門家は不安を避ける行動を小さなことから減らしていくベビーステップをその方の状態に合わせて設定し、徐々に達成していくことで、論理的な判断をする回数を少しずつ増やしていくサポートを行っています。

感情は私達が繁栄するため

私達の感情の動き方にはある程度パターンがあり、それをまとめたものが心理学です。

無機質な感じがしてしまいますが、私達の感情は生存と子供を増やすことにたまたま有利だった反応パターンを示す個体が子供を残してきた自然淘汰の結果です。

私達は感情を持つことで自然界の生存競争の中で、生き残りやすい行動をとってきた結果絶滅せず、肉体的には弱いにもかかわらず全世界に広がり地球上のあらゆる生物よりも優位な状況で現代に存在しています。

私達が感情に反する行動を行いにくいのは生物としていたって普通のことで、言い方を変えるとそういう習性があるともいえます。

感情は子孫を残す為の重要なシステム

ここでは、生物学や進化学の話になるので便宜上、個体という表現をします。人権を無視しているという意味ではありません。

例えば、恋をする感情は、子供を残す妊娠・出産・子育てという特に女性にとっては自らの命を危険にさらし、自分の資源(古代であれば食糧など)を多く失う可能性が高いものです。

通常であれば、自分が死ぬかもしれない危険な行為は不安・恐怖を感じて避けたいという感情がわいてくるはずです。

しかし、恋をするという感情があることで、自分が死ぬかもしれない危険な行動を乗り越えて、子供が生まれ私達が存在しています。

恋をするという感情が発生しずらい個体は自分が死ぬかもしれない危険な行動をとりません。(つまり妊娠を避けます。)その結果、恋をする感情がわきずらい個体は自然淘汰により数を減らします。

女性の方が恋愛好きな人が多いのはこういった理由だと考えることが出来ます。

また、男性は妊娠・出産というリスクが元々ない為、性欲(生殖行動)が強いという特性の方が子孫を残しやすい自然淘汰の力が働いたからであると考えることが出来ます。

感情による判断の割合を減らす

ここまで説明してきたように、私達人間は生物学・進化学的には感情という行動を促すシステムを使うことで生存や子供を残す確率を上げてきました。

しかし、自然界で生活し、生き残り、子供を残していくのに最適化されています。文明の急激な発展により自然界で生活することに適応したままになっているのです。

不安になり易いことは自然界で生活するうえではとても重要なことです。

なぜなら、不安にならない個体は安易な行動をとり、すぐにライオンやチーターなどの捕食動物に狩られてしまうからです。

しかし、私達は科学を発展させ、そういった脅威と日常的に接する必要がなくなりました。

その結果、危険な自然界で生活するのに「命に関わること」に危険がないかを探し回っていた機能に余裕が出来てしまい「命に関わらないこと」にまで危険を感じるようになっています。

ショッピングモール、渋滞、橋、トンネル、映画館、美容院、歯医者など「命に関わらないこと」まで危険だと感情が動き交感神経が高まってパニック発作を起こしてしまいます。

論理脳を鍛えることで、感情を少し冷めた目で俯瞰して自分を観察できるようになると不安障害は改善されていきます。

その為には、感情脳を使って判断して行動する割合を減らし、論理脳を使って判断して行動する割合を増やしてバランスを整えることが改善につながっていきます。

感情で判断する事がすべて悪いわけではありません。私達が感じる人生の豊かさはやはり感情があればこそです。

しかし、感情で判断する割合が多すぎることが不安障害を引き起こしやすくなる為、不安障害(パニック障害)の方は意識的にバランスをとることが大切です。

まとめ

・私達は感情と論理という二つのシステムを使って色々な判断をしている。

・感情の方が私達の行動を決定する力が強い。

・感情と論理のバランスが良いと心が安定しやすい。

・認知行動療法は論理脳を鍛えるトレーニングでもある。

・論理脳を使う割合を増やして、感情脳と論理脳のバランスを整えよう。

当院での改善を希望される方は、パニック障害をご覧ください。

遠方で当院への来院が難しいけれど、心身の問題について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

鍼灸師 佐野 佑介をフォローする
パニック障害全般性不安障害心理・脳科学
広告