パニック障害による予期不安の治し方

パニック障害による予期不安の治し方

結論:予期不安を避けて行動しないでいると治らない

予期不安とはパニック発作を体験したことがある人が、パニック発作が起こるのではないか?と、まだパニック発作が起きていないにもかかわらず、未来を予測したことにより発生する不安症状のことです。

予期不安の治療法は確立されており、何か行動しようとして恐怖や不安を感じても、そのまま行動していくことで治っていきます。

予期不安が治らない状態が長く続いている方の大半は、恐怖や不安を避けた生活を継続していることがほとんどです。

怖くても怖いまま行動することが大切

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予期不安の改善には段階的暴露療法が有効です。

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不確定要素があると不安になるのは自然

私達は新しいことや経験したことがないこと、どうなるかわからない(不確定要素がある)未来のことを考えると不安や恐怖を感じます。

例えば、初めての場所、大切な面接や試験の前は不確定なことが多いため、不安や恐怖の感情が出やすいのが普通です。

不安や恐怖を感じて緊張をするのは不確定要素があるからです。

初めての事、不確定なことが多いと緊張するのは健全な反応

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パニック障害の場合、不確定要素はいつパニック発作が起こるのかわからない点にあります。

行ったことのある場所や経験したことがあることでも、常にパニック発作が発生するのではないか?という不確定要素が加わる為、ちょっとした外出でも不安を感じやすくなります。

さらに、その不安から逃げるために不安を感じた行動をやめてしまうと、脳がその行為は危険なのだと学習して次からはさらに強い不安感情を引き起こすようになる為、負のループを形成していってしまいます。

予期不安は自律神経のパターン学習

不確定要素があると、不安を感じるというのは、正常な人間の心の働きです。

危険に対しての学習反応が正常に機能した結果不安がパターン化したものが予期不安だからです。

心理学の有名な実験で、「パブロフの犬」というのをご存知でしょうか?

犬にベルを鳴らしてから餌をあげるということを繰り返しているとベルが鳴っただけでよだれが出てくるようになってくるという、学習によって餌がなくても脳が反応(自律神経が反応してよだれが出る)するようになるという現象です。

パブロフの犬

パブロフの犬

例えば、外出するなどの行動を起こす際に何度もパニックが出るのでは?と何度も頭の中でパニック発作をシミュレーションし、なおかつ不安だから外出しないという行動をとっていると、〇○をする行為は危険と脳が学習し、外出を意識すると反射的に交感神経を興奮させる反応パターンを学習していきます。

交感神経が興奮したことで、不安感、動悸、息苦しさ、めまいなどが出てきます。

特に不安になっている時は、脳の学習効率が高まる為、予期不安をより効率的に学習してしまうのです。

予期不安を治していく、克服するには?

予期不安を治すには、予期不安を感じた際に不安を感じたまま、避けずに行動をそのまましてしまうことです。

不安を感じた行動を避けてしまうとその場の不安は落ち着くのですが、その次にやってくる予期不安は学習効果により、さらに強いものになります。

不安という感情は命を危険にさらしている時に発せられるように発達した感情なので、辛い感情ではありますが、逃げる(避ける)と悪化します。

予期不安を強化する負のループ

予期不安を強化する負のループ

この予期不安を克服していくためには、実際に不安に感じる行動を何度もとって不安を感じながらも行動し、対処した経験を増やしていく事(小さな成功体験を積んでいく事)が大切です。

脳は連想していってしまう性質がある為、最初のうちはバスに乗ろうとする時だけ、予期不安が出ていたとしても、バスを避けていると次第に電車や飲食店、美容室、歯医者など、予期不安を感じる範囲が広がっていってしまいます。

不安で徐々に外出が出来なくなってしまうという徐々に悪化していく事態に陥ってしまうのです。

予期不安を改善する段階的暴露療法

不安を感じたまま行動することがどうしてもできない場合には、スモールステップで改善していきましょう。

スモールステップで小さな挑戦を積み重ねていく

スモールステップで小さな挑戦を積み重ねていく

例えば電車に乗るということが怖い場合には、まずは駅の方角へ向かうという行動を何度も行って慣れることから始めます。

慣れてきて不安感が出なくなったら、駅の構内に入る。

駅の構内に入ったり出たりを不安感が出なくなるまで何度も繰り返す。

駅の構内に入ることに不安や恐怖を感じなくなってきたら券売機の前まで行く。

それにも慣れてきたら、改札を通ってみる。

ホームまで出てみるなど。

電車に乗るという行為を、細切れにして少しずつ慣らしていき、何日、何週間と時間をかけていいのでゆっくりと分割して慣らしていく事です。

広場恐怖症が併発している場合には注意が必要

予期不安は基本的には行動をとってしまえばほとんどの場合、あれ?なんであんなに怖かったんだろう?と感じることが多いです。

その行動を始めると不安や恐怖は鎮まり、実際にパニック発作を起こすことはほとんどありません。

しかし、広場恐怖症も併発している場合には行動をとった先でも不安や恐怖が持続する為、パニック発作が誘発されやすいので必ず専門家の力を借りるようにしてください。

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まとめ

行動を起こす前に感じる不安を予期不安といいます。

パニック障害になるとパニック発作を起こすかもしれないという不確定要素があるため、予期不安を感じやすくなります。

予期不安の治し方は不安を感じても避けずにその行動をとってしまうことです。

予期不安は脳の学習によって発生する為、不安になる行動を避けてしまうとマイナスの学習が進んでより強い予期不安に悩まされやすくなります。

いきなり行動をとるのが怖い場合には、少しずつでもよいので、不安や恐怖を感じた行動をベビーステップを踏みながら暴露していく段階的暴露療法が有効です。

広場恐怖症が併発している場合にはパニック発作を誘発してしまう恐れがあるので、専門家の指導を受けながら行いましょう。

当院での改善をご検討の方はパニック障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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