2年前に起立性調節障害と診断され、ほとんど学校へ行けていない中3男子(豊橋市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
2年前に朝起きられなくなるのと頭痛で起立性調節障害と診断されて、2年生の途中に一時期体調が良い時期が数ヶ月あったのだが、再び崩れてそれからは学校へほとんど行けていない状態とのこと。

昼ぐらいに何とか起きてこれるが、ぼーっとしてしまい夕方ぐらいにやっと頭痛が軽くはなってくる状態。起床後のだるさと頭が回っていない感じが強い。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
一時期体調が良かった時期もあることから、現在の状況にかなり絶望してしまっている。肩こりもひどいためまずは全身の緊張を緩めることからスタートしていく。

初回
手足に触れるだけのはりで全身調整を行ったのだが、かなり体の感覚が良いのか筋肉が緩んでいくのがわかるとのこと。軽く触れると筋肉が動いているのを自覚できるのでとても驚いた様子。感覚が鋭いのでそれがストレスになっているのかもしれない。

2回目(一週間後)
朝は起きられないものの、頭痛が引いたのとだるさとぼーっとする時間が短くなって夕方になる前に活動が行えるようになったが、週の後半にかけて徐々に再び動けない状態に戻ってきているとのこと。全身調整。

3回目(一週間後)
朝はまだ起きられていないものの、起きてからの回復が早くなったので午後からではあるが、数日間だけ学校へ登校することが出来た。全身調整。

4回目(一週間後)
週の半ばに進路面談があり、学校へ行けていなかったことから志望校への進学が難しいと担任から言われショックを受けている。その翌日から一気に体調が悪くなり、頭痛、だるさなども復活してしまっている。全身調整を行った後、カウンセリングを行い捉え方を変える為の心理療法を行った。心理療法後は表情がすっきりした。

5回目(一週間後)
前回の後は、再び崩れていた体調が回復し、午後から学校へもちょこちょこ行けている状態になってきている。

6回目(二週間後)
頭痛やだるさ頭が回らないといった起きてからの体調不良は出ても短時間で消失するようになり、午後からはコンスタントに学校へ行けている。起床時間が11時からあまり早まってきていない状態。

7回目(三週間後)
受験が近づき自主的にゲームをやめて勉強に専念するようになってから体調がすごくよくなり、朝起きられるようになってきている。

8回目(三週間後)
受験日が近づいてきたら、緊張して再び頭痛が出始めている。全身調整を行ってから再び心理療法を行った。気分を持ち治してすっきりした表情で帰った。

9回目(三週間後)
受験が終わった後からは調子よく過ごせており、朝から起きられて学校も普通に通えている。

10回目(一ヶ月後)
体調良く過ごすことが出来、無理だといわれていた高校にも合格したとのこと。肉体的にも問題なさそうなので、今回で卒業とした。

<まとめ>
肉体的、心理的、習慣的な問題が入り混じっていた起立性調節障害の症例。

かなり周りの環境からの影響を強く受けやすいので、今後もメンタルコントロールには気を付けていく必要があるが、卒業時点では自分のことは自分で決断するというストレス耐性を高める思考が十分できるようになってきていた。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

起立性調節障害で詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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