乳がんの治療ストレスから動悸、不安感などのパニック障害を発症した30代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
昨年に乳がんが見つかり、手術と抗がん剤治療、放射線治療を受けているのだが、ここ一ヶ月ぐらい息苦しさ、胸の痛み、動悸、食欲不振、不安感といったパニック障害症状が出るようになり来院した。

来院時は抗がん剤のクールの間で、抗がん剤による気持ち悪さなどは出ていない。

共同経営で事業も行っている為、抗がん剤の影響で動けないとかでない限りは働きたいのだが、ほとんど仕事が出来ていない状態とのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
カウンセリングではがんになったことによるショックは受け入れられているように感じられ、思い悩んでいるという感じではない。がんの治療による身体的な苦痛が強いストレスとなり、パニック障害を発症したのではないかと思われる為、肉体的な状態の改善が重要だと思われる。

初回
全身調整と内臓調整を行い全身のこりと緊張状態を解除してリラックスしやすい状態を目的とした施術を行った。

2回目(一週間後)
前回の施術後から、食欲が戻ってきて不安感に襲われることがなくなったが、動悸など他の症状は残っている。同じく全身調整と内臓調整を行った。

3回目(一週間後)
息苦しさ、動悸、胸の痛みも減って、体調が良くなってきた為、短時間ではあるが仕事をしてくることが出来たとのこと。ただ久しぶりに働いて肩こりがひどくなったとのこと。全身調整と内臓調整。

4回目(一週間後)
全体的にかなり良いのだが、右の胸の痛みだけが残っている。患部に筋肉の緊張は見られない為、痛みの認識を解除する施術を追加したところ痛みは消失。全身調整と内臓調整。

5回目(一週間後)
胸の痛みは時々出るが、前ほど頻繁でもなくすぐに消えてしまう感じで、痛みの程度も軽い。仕事をしすぎて背中が張っている。

6回目(二週間後)
二週間間をあけてみたが、その間に胸の痛みはほとんど感じることがなくなったとのこと。来院当初に訴えていた症状はほぼ改善した。

7回目(二週間後)
再び抗がん剤投与がはじまり、その影響による体調不良はあるが息苦しさ、胸の痛み、動悸、食欲不振、不安感は一切出ていない。

8回目(一カ月後)
抗がん剤投与も終わり、体調良く過ごせていたとのこと。

9回目(一ヶ月後)
軽い肩こりが出る程度で元気に過ごせていたため、今回で卒業とした。

<まとめ>
がんの治療途中の方というのは時々診させて頂く事があるのだが、ほとんどの方がメンタル的に沈み込んでいることが多いのだが、気持ちを強く持っていらっしゃったため、心理療法は必要なかった症例。

手術、抗がん剤、放射線治療というのは、賛否両論あるががんにおいては命に直結する疾患の為、自分で治療を選択することが凄く大切になるが、肉体的なダメージは確実に受けてしまうので、そういったサポートが出来るのはとてもありがたい事である。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

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