食後にめまい・立ち眩みがするけど、しばらくたつと消えるめまい原因と治し方

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

食後にめまい症状があらわれて、しばらくするとめまいが治まるこのようなめまいでお困りではありませんか?

食後という限られた時間だけの症状ではありますが、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす恐れもあるので、早めの対応が大切です。

今回はそのような食後にめまいが現れる原因と治し方について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。

結論:消化に必要な反応が起こるように自律神経を整えよう

私達の身体は食事を摂ると自律神経が働いて、簡単に言えば胃腸へ血液を集めて消化吸収が行われやすい状態を作り出します。

胃腸へ血液を集めて消化吸収が行われやすい状態にするのですが、胃腸へ血液を集めた際に他の場所への血流量はどうしても低下します。

食後はあまり動きたくなくなるのは胃腸へ血液が集中する為、脳への血流低下や筋肉への血流が低下することで体を動かすのが億劫になる為です。

ある程度はこのように胃腸に血液が集中することで血液量の低下によって他の臓器は活動が若干低下します。

しかし、他の臓器の活動が若干低下するというレベルを超えて、血液供給が不足した時にめまいなどの異常な症状として現れてくることになります。

食後のめまいは耳の奥にある三半規管への血流量が低下しすぎることで発生していると考えることが出来ます。

食後のめまいを改善するには、食後であっても耳の奥にある三半規管への血流量が低下しすぎないように対策を行うことが大切になります。

食後に起こる正常な反応

前述したように食後には血液が胃腸へ集中し、他の臓器への血液の供給量が低下します。

この血液の供給量が低下しすぎないように、自律神経は食事を摂ると心拍数を上げて、血圧を高めるという命令を出して対応しています。

血液は物流と同じで荷物を運ぶトラック10台で運んでいて特定の場所にトラックを集中させる必要が出てきた際に、効率を高める為にトラックのスピードを上げることで他の場所の物流が滞らないようにカバーするようなイメージです。

これが過剰になる人の場合は食後の動悸などに悩まされることもあります。

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しかし、食後めまいを起こしてしまう方の場合は、この心拍数の上昇や血圧を高めるという反応が起こらず、三半規管への血流が不足した状態になりめまいを起こしてしまうのです。

これが引き金になって心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性も示唆されています。

めまいが起こるのは食後低血圧(食事性低血圧)

食後30分~1時間程度でめまいやふらつきなどの症状が出てきて、気が付かずに立ち上がってしまうと強い立ちくらみを起こして、失神してしまう場合もあります。(脳貧血の状態)

自律神経の反応が十分に起こらない以外にも、もともと循環血液量が少ないせいで血圧を維持できなかったり、血糖値が不安定なことで心臓の活動が制限を受けていたり、鉄不足などから来る貧血傾向があるなどの問題を抱えていることもあります。

基本は自律神経の反応が正常に起こらないことが原因としては考えられますが、このような問題がいくつか合わさっている場合にはそれぞれについてまずは対策をとることから始めていくことが必要になっていきます。

また、一気に胃腸へ血液が集中しないような食事のとり方を工夫することでも食後低血圧を避けることが出来る場合もあるので、まずはそういった食後低血圧を起こさない工夫から取り組まれることが大切になります。

食後低血圧を起こさない工夫

食後低血圧を起こさない為には、胃腸へ血流が集まりすぎないような食事のとり方をすることと、血糖値を安定化させる、循環血液量を増やす、貧血を改善することが必要になります。

それぞれの方法についてここでは詳しく解説していきます。

食事量を減らす

1回の食事で食べる量が多くなると、消化吸収の為にそれだけ多くの血液を胃腸へ集中させる必要が出てきてしまいます。

その為、1回あたりの食事量を減らして、食事回数を増やす方法が有効です。朝昼晩の3食に10時と15時に食事を入れて、1日の合計摂取カロリーが少なくなりすぎないようにします。

5回でも1回あたりの食事量が多くなってしまう場合には、さらに回数を増やすのも一つの方法です。次にあげる血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できるので、まずは少ない食事を何回もとることから始めることをお勧めします。

血糖値が急上昇するものを避ける

血糖値の急上昇は急激な血糖値の低下を起こして低血糖を引き起こします。

低血糖は自律神経系に悪影響を与え、低血糖状態は全身のエネルギー状態を悪化させる為、GI値、GL値の高い食品は基本的には避けて1度の食事で炭水化物を多くとりすぎないようにすることも大切です。

主食を分付き米でもち麦(押麦)と混ぜて炊いたものにしたり、砂糖類など甘い食べ物は基本的には辞めましょう。

食事の時によく噛んでだ液と混ぜることで血糖値の上昇が抑えられるので、ゆっくりよく噛んで食べることも大切です。

よく噛んで食べることで、食べ物がある程度物理的に細かくなっていればいるほど、効率的な消化が出来る為、胃腸へ血液を集中させる必要もなくなってきますので、口の中になくなるまで噛み続けるといった食事を行うようにしましょう。

水分量は足りている?貧血気味ではない?

血液量は日頃摂取している水分量に、赤血球は鉄の欠乏などで不足してしまう場合があります。

鉄は蓄積する栄養素の為、血液検査で赤血球量が正常であれば、とりあえず鉄の摂取は問題ないのですが、貧血傾向がある場合には赤身の肉・魚やレバーなどから鉄を摂取するようにしていきましょう。

血液量を増やす為に、こまめな水分補給が大切ですが、食事中に水分をとってしまうと胃酸が薄まって消化を邪魔してしまうので、食事中には飲み物を飲まずに食事の時間とは違う時間に摂取するようにしましょう。

一口ずつこまめに摂取すると血液量が増加しやすくなります。

自律神経を整える生活

食後低血圧の対策をある程度行っても改善が見られない場合には、自律神経の乱れが根底にあり、食事を摂った時に自律神経がうまく反応できていない可能性があります。

その為、まずは食事・睡眠・運動・ストレス管理といった自律神経を整える基本的な生活習慣について見直していきましょう。

食事

基本的には3大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)がバランスよく含まれる食事をしているのか?から見直してみましょう。

特にタンパク質不足は血液量を保持する力と関係していたり、自律神経の働きに影響を与えてしまいますので、タンパク質不足になっていないか、食事のたびにタンパク質を摂れているかを振り返ってみましょう?

睡眠

睡眠は個人差がある為、睡眠時間は参考までの話になりますが、平均的には7時間前後の睡眠をとることが大切です。

ショートスリーパーやロングスリーパーの場合は個人で調整することで最適な時間を見つけていくことも大切です。

睡眠の基本は暗く、静かな場所で眠ること。

寝る前に光を目から入れたり、日常的にスマホなどのデジタル機器の使用は2時間未満に抑えておくことが大切です。

運動

血圧の維持が苦手で運動を行っていない方は心肺機能が低下していることが原因で、血圧が維持できなくなっている場合があります。

数分の軽い散歩から始めて1日8000歩ぐらいを毎日歩くぐらいまで運動習慣をつけることが大切です。

運動習慣がつくまではいきなり頑張りすぎないように注意しましょう。

ストレス管理

ストレスは心理的なものもあれば、騒音が多い環境に住んでいるなど物理的なストレスも存在します。

必ずしも自覚できるストレスであるとは限らない為、ストレス原因になり得るものがあなたの生活の中に存在していないかを確認し、問題があるようであれば取り除いていくことが大切です。

鍼灸で自律神経の働きを整える

ここまで解説してきたような基本的な生活習慣を見直したうえでも改善が見られない場合には鍼灸施術を受けることを検討してみましょう。

単純に首肩こりが強いために、食後に血圧や心拍数があがっているにもかかわらず、首周辺で血管が圧迫を受けてめまいを起こしてしまうケースもあるからです。

もちろん、鍼灸にはもともとあなたの身体に備わっている自律神経を整える機能を刺激して症状を改善させてていく効果も期待できます。

まとめ

食後30分ぐらい経過してからめまいや立ち眩みなどの症状が出る場合は食後低血圧を起こしている可能性があります。

食事を摂ると胃腸に血液が集中するのですが、胃腸に血液が集まった分を心拍数や血圧を高めることで全身の臓器で血液が不足しすぎないようにしていますが、この機能が思ったように機能しないと食後にめまいを起こし、しばらく時間が経過すると自然消失するめまい症状をだすことがあります。

食後低血圧は食事のとり方や、循環血液量を増やす、貧血を改善するなどがまずは行って頂きたいことになります。

そのうえで自律神経を整える基本的な生活習慣を見直し、それでも改善が見られない場合には鍼灸を試してみることをお勧めします。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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