不安障害(パニック障害)・うつ病・自律神経失調症を治す為に睡眠を改善する方法

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

自律神経の不具合で発生するパニック障害、うつ病、自律神経失調症を改善するうえで特に重要なのが睡眠です。

睡眠不足でうつ病のリスクが高まることが知られていますが、適切な睡眠をとることで神経の機能が回復し、自律神経のバランスも整いやすくなります。

自律神経に関わる疾患を専門に診させて頂いていて、夜勤がやめられない勤務形態の方や不眠症が併発している方の改善は、難易度が高くなります。

当院では可能な限りそちらの問題を先に改善することを優先しています。今回は自律神経の乱れによる症状を改善する為の睡眠を改善する方法について、一緒に考えていきたいと思います。是非最後までお読みください。

結論:生活習慣を整えることと脳の過覚醒を止める

自律神経を整える基本は食事・睡眠・運動・ストレス管理を行っていくことであり、最重要です。

鍼灸や整体で施術を行う目的も、より効率よく消化吸収できるようになる為、より効率の良いしっかりとした睡眠がとれるようになる為、運動できる状態に体を持ってくる為、身体ストレスを減らすことでストレス管理を行いやすくする為といった具合にこの基本且つ最重要な食事・睡眠・運動・ストレス管理をより行いやすくする為に行います。

今回はその中でも特に睡眠について取り上げます。心身の回復力の基礎になるのは睡眠にあります。

睡眠負債を抱えたまま自律神経を整えることはほぼ不可能だと考えてください。

夜勤の方は治療期間だけでも夜勤に対処しましょう

自律神経疾患を抱えているけれど、仕事が夜勤があるお仕事をされている方の場合、治療期間だけでも夜勤をやめるか、最低でも日数を減らすなどの対応が必要になることが多いです。

それほど自律神経の働きには睡眠は重要になってきます。

看護師や介護士、工場勤務で夜勤をやられている方のお体を診させて頂くと特殊な筋肉の緊張の仕方をされていることが多いです。

それだけでなく夜勤のある職種のある方は脳血管疾患や心疾患による死亡率が上がることがわかっており、身体に負担をかけている勤務形態です。

そういった勤務形態の方が不安障害(パニック障害)、うつ病、適応障害、自律神経失調症などになった場合は、自律神経が耐えられる負荷の範囲を超えてしまっていることが多く、夜勤に戻ると原理的には再発することが多いので、とりあえずは夜勤を減らす、辞めるといった対応で現在の症状の改善は行います。

しかし、長期的にみると元々夜勤に耐えられるような遺伝的な特性を持っていない可能性が高いため、再発予防や今後の健康を考える上では職種や勤務形態を見直すことが重要になります。

光や食事が体内時計を決定し、睡眠のリズムを作り出す

私達の睡眠は体内時計によって支配されています。体内時計には中枢時計(脳)と末梢時計(内臓)の二つがあり、この二つが正常な時刻に整っていることがとても大切になります。

夜勤が自律神経の回復に悪い理由はこの体内時計が大きく乱れる為です。

中枢時計は朝光を目から入れることで、時刻を補正しその時間から14~16時間後に眠くなるようにできています。

また、朝食により血糖値が上昇することで、末梢時計の時刻が補正され昼間の活動時間にエネルギー供給を増やしたり、夜にエネルギーの消費量を抑えて眠りに適した状態にするなど、内臓レベルでの時刻管理を行います。

この二つの時計が正しい時間にセットされることで、良い睡眠を行う基本的な条件が整います。

朝光を浴びましょう。朝食をきちんと摂りましょう。といわれるのは、中枢時計(脳)と末梢時計(内臓)の時間を補正するためです。

中枢時計はほとんどの人が1日24時間±10分になっており、毎日生じる±10分を毎朝補正することで体内時計を正常に保っています。

光を目から入れることで補正できる時間は10分程度の為、1時間体内時計がズレてしまった場合に正常に戻すには最低でも6日、約1週間ぐらいはかかってしまうのです。

一晩の徹夜ダメージからの回復には2週間必要

一晩徹夜した場合、3日程度睡眠時間が長くなることが知られています。

しかし、睡眠時間は4日以降は平常時の睡眠時間になるものの、体内のストレスホルモンなどの値を調べた研究では、2週間程度はストレスホルモンが高い状態がキープされることがわかっています。

つまり、徹夜のダメージが体から完全に取り除かれるには最低でも半月ほど必要になるということです。

脳の過覚醒が睡眠を邪魔する

不安や悩み事があると眠れなくなるのは、ストレス反応を起こして交感神経優位な状態となり、脳がか覚醒状態になるからです。

不安や悩み事といったストレス原因がわかっているのであれば、解決できる問題であればまずは解決してしまう。

出来ない場合には情報を整理し、自分にはどうすることもできない問題であるという心理的な需要によって受け入れていくかのどちらかが必要になります。

ストレス原因が職場でパワハラを受けている、パートナーからの心理的・身体的DVなどを受けている場合には、すぐにその環境から離れることも大切です。

長期間ストレス状態が続くと眠れないという状態が慢性化してしまいます。

その結果、不眠症になってしまい今度は「眠れないことそのもの」が不安や悩みと互になってきてしまいます。

不眠症になると、今夜こそ寝なくてはというプレッシャーによりより脳がか覚醒状態となり眠れなくなってしまいます。

悩み事が現在ない場合には、不眠症に対する認知行動療法が有効な方法になります。

長時間のスクリーンタイムが過覚醒を引き起こす

スクリーンタイムとはTV、パソコン、スマホ、タブレット、ゲームなどの画面を備えたデバイスの使用に費やされた時間です。

TVなど一度電源を入れたら基本的に操作が不要な物の方が使用しても害にならない時間が長くはなりますが、大人であっても1日のスクリーンタイムは2時間以内に抑えることで睡眠への悪影響を抑えることが出来ることがわかっています。

しかし、遺伝的な問題でより少ない時間を使っただけでも脳が過覚醒となり、睡眠に悪影響を受けてしまう方もいますので注意が必要です。

眠れている人でも脳が過覚醒状態になることで、睡眠の質が低下することがわかっています。

眠る前のスマホの使用はブルーライトが良くないという話は聞いたことがある方も多いと思います。それは光によって体内時計が乱れることによって睡眠の質が低下します。

しかし、長時間のスクリーンタイムによって引き起こされた脳の過覚醒は数日~数週間単位で継続しますので、毎日の使用時間をある程度制限することが唯一の解決策となります。

まずは実験的にスクリーンタイムを削ってみましょう

スクリーンタイム時間が適正時間に制限を行うと、睡眠の質が向上して体調が良くなるだけではなく、集中力、判断力、メンタルの安定など様々な効果を得ることが出来るようになります。

統計的には子供は1時間未満、大人は2時間未満にスクリーンタイムを抑えると脳の過覚醒が抑えられて、睡眠の質の向上や集中力などが高まることがわかっています。

しかし、遺伝的な要因でより長い時間スクリーンタイムを使用しても問題ない人もいれば、より短い時間でも悪影響を受けてしまう人もいます。

また、1日3時間使用でも問題にならないけれど3日連続すると悪影響が出てくるといった感じで悪影響が蓄積することも多いため、あなたにとっての適正時間を割り出すのは簡単ではありません。

しかし、自律神経の悩み事を現在すでに抱えていらっしゃる方の場合は、3週間ぐらい実験的に1日のスクリーンタイムを1時間未満ぐらいに制限してみる実験をしてみるとあなたの自律神経症状がが良くなる可能性があります。

まとめ

自律神経を整えるには食事・睡眠・運動・ストレス管理が重要になります。
特に睡眠は神経の機能を回復するうえで最重要です。
夜勤をされている場合には最低でも治療期間中は夜勤を減らしたり、やめることも大切です。
睡眠は体内時計の影響を強く受ける為、毎日規則正しく朝起きて光を浴び、朝食を食べて中枢時計と末梢時計のズレを毎日補正していくことが大切になります。
1番徹夜しただけでもその悪影響は半月は続く為、徹夜はしないようにしましょう。
不安や悩み事といったストレスがかかった状態では脳が過覚醒状態になり、睡眠の質の低下や不眠が出てきます。
不眠症になっている場合には認知行動療法が有効な方法です。
脳の過覚醒を起こしやすい見落としやすい原因が長時間のスクリーンタイムです。
まずは実験的に3週間ほど1日に使用する時間を1時間未満になるようにしてみましょう。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。