パニック発作を抑える方法
結論:パニック発作を自ら起こそうとすると、発作を抑えることができる
心拍が上がってひどい動悸に襲われると同時に、呼吸をしているのに息苦しくてだんだん手足がしびれて、力が入らなくなる。めまいや冷や汗がひどいなど、パニック発作を体験したことがある人であれば誰しも強い恐怖としてパニック発作が頭にこびりついてしまうと思います。
パニック発作を経験した後に発作が怖くなってしまうのは誰にでもある自然なことですのでそれ自体は仕方がありません。
パニック発作を抑える方法は、「パニック発作が起こっても良い」と開き直ってしまえるようになる事です。
パニック発作が辛く・怖いからこそパニック発作を警戒して避けたくなりますが、警戒して避けようとすることそのものがパニック発作を誘発します。
パニック障害の克服はパニック発作を起こさないことではなく、パニック発作を支配できるようになることです。
パニック発作が起こっても大丈夫だから、「パニック発作が起こっても良い」と感じられるようになるとパニック発作が起こりにくくなっていきます。
パニック発作は交感神経の過剰興奮
パニック発作は交感神経が過剰に興奮したときに誘発されます。
あらゆる交感神経を刺激する思考・行動がパニック発作を誘発しやすくさせます。
交感神経が刺激されやすい条件とされにくいを知って、パニック発作を予防していきましょう。
水をこぼさないように運ぶ方法に学ぶパニック発作予防
コップにたくさん水を入れて、「絶対にこぼさずに運んでください」といわれてしまうと、運ぼうとすると緊張して手が震えてこぼしやすくなってしまいます。
それよりも、「こぼしてもいいから向こうにもっていって」といわれると、緊張せずにリラックスして運ぶことが出来るので、こぼさないで運ぶことが出来たりします。
人間は禁止や制限を受けるとそうならないように交感神経を刺激します。
なかなか改善されないパニック障害の方は、パニック発作を起こさないようにと日々警戒して交感神経を刺激した生活しています。
これは裏を介せば、パニック発作を起こすことを自分に禁止していることになります。
パニック発作は辛いので自分に禁止したくなるお気持ちはわかりますが、禁止することで自分にプレッシャーを与えてしまい、交感神経優位の状態をキープしてしまっていまい、パニック発作が起こりやすくなっています。
パニック発作が起こってもよいと開き直ることが、最もパニック発作を抑えるのに有効な方法なのです。
開き直る為にはパニック発作を支配できるようになること
パニック発作の怖さは自分でコントロールできないことですが、自分で軽いパニック発作を誘発しコントロールする練習を行っていくと、多くの方がパニック発作自体を支配できるようになります。
当院へ来院されている患者さんの多くが、パニック発作を支配できるようになると急激にパニック障害が改善していきます。
大切なのは軽めのパニック発作で経験値を積み上げることです。
軽くザワザワ、ソワソワするぐらいの環境に自分であえていって、辛くなりすぎる前に落ち着けるところに戻ることを繰り返します。
ザワザワしたけれど何とか大丈夫だったから、さらに負荷を強くしていく必要はありません。
同じ負荷のまま、軽くザワザワ、ソワソワしてこなくなるまで何度も繰り返します。
負荷の強度は少しずつ少しずつあげていきます。
パニック発作を鎮めるスキルが向上していく
何度も軽いパニック発作を誘発して鎮めてを繰り返していると、脳がパニック発作の沈め方を学習していきます。
繰り返し、繰り返し軽いパニック発作を誘発させていると、パニック発作そのものの苦しさに慣れが生じてくることにもなり、パニック発作そのものに対する恐怖心も減り、よりパニック発作を冷静に鎮めることが出来るようになってきます。
パニック障害が発症したばかりで、他の自律神経症状も多い場合には一時的に完全に安全な領域に非難して症状が落ち着くことから始めますが、徐々に発作時以外は自律神経症状が出ないのであれば積極的に軽いパニック発作に慣れていくことがパニック発作を抑える有効な方法です。
森田療法の恐怖突入になっている
パニック発作に対する対応能力を高める練習は森田療法(日本人が発案した心理療法で世界的に不安障害の治療に利用されている。)で言うところの、不安や恐怖を感じたままにしておく恐怖突入をしていることと同じです。
軽めのパニック発作を積極的に誘発させようとしていくことそのものが、既にパニック障害の克服の効果が期待できるのです。
パニック発作を誘発させるというのは、とても怖いことですが、きつ過ぎない範囲でやっていくことで改善していくことができます。
まとめ
パニック発作を抑える方法は、パニック発作を起こしても良いと開き直れるようになることです。
パニック発作は怖いものなので避けたくなりますが、避けるとより症状が悪化する為、急性期でない限りは積極的に軽いパニック発作を引き起こすことで、パニック発作を鎮める練習をしていくことが大切です。
適切な負荷をかけることで、パニック発作の鎮め方が上達し、パニック発作を起こしても鎮めることができる自信がついてくれば、パニック発作など恐れるに足りません。
森田療法を行っていることにもなるので、辛すぎる負荷をかけすぎないように注意しながら実践を行っていきましょう。
当院での改善をご検討の方はパニック障害、全般性不安障害をご覧ください。
遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善についてや心理的アプローチ法について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。