自律神経を整える正しい呼吸とは?

自律神経を整える正しい呼吸とは?

結論:腹式で行うゆっくりとした小さな呼吸

正しい呼吸に求められる5つの条件

1.呼吸の速度がゆっくりであること
2.横隔膜を使った腹式呼吸であること
3.呼吸の際に空気を吸い過ぎず、吐きすぎないこと
4.吸気が鼻呼吸であること
5.舌を上顎にくっつける
腹式呼吸

腹式呼吸

この条件を満たす呼吸が正しい呼吸です。

呼吸の速度をゆっくり行う

呼吸数緊張状態にあるのか?リラックス状態にあるのか?を脳が判断する重要な指標になります。

呼吸数は成人で通常11~20回/分が正常範囲内とされ、11回/分に近いほどリラックスした状態(副交感神経が優位)になりやすくなります。

深いリラックス状態に入るにはさらに呼吸数を少なくするとよりリラックスしやすくなりますが、息苦しすぎると逆に交感神経が刺激されるので力まずに呼吸数を少なくする範囲内で行う事が大切です。

呼吸が早いから緊張し、緊張するから呼吸が早くなる。

脳は呼吸数が増えると交感神経を高める

脳は呼吸数が増えると交感神経を高める

呼吸がゆっくりだからリラックスし、リラックスするから呼吸がゆっくりとなります。

運動時などは呼吸数が増えるのは正常ですが、リラックス状態になっても呼吸数が多い方はゆっくりした呼吸を練習しましょう。

1呼吸5秒が目安です。

2つの呼吸法式

呼吸は胸式呼吸と腹式呼吸に分けられます。

胸式呼吸筋と腹式呼吸筋

胸式呼吸筋と腹式呼吸筋

胸式呼吸

重力に逆らってろっ骨を持ち上げることで肺に空気を取り入れる方法です。

胸式呼吸は運動時に役立つ呼吸方式ですが、普段使いの正しい呼吸は行わないほうが良い呼吸です。

腹式呼吸

は横隔膜を下に下げることで肺に空気を取り入れる呼吸方法です。

重力と同じ方向に横隔膜を下げて、空気を肺に取り込むのでエネルギー効率が良く、胸式と比べて肺が拡がる為、ガス交換の効率も良くなります。

横隔膜には副交感神経線維が多く分布している為、横隔膜を使った呼吸を繰り返しているだけでも副交感神経が刺激されて、リラックスしやすくなります。

また、横隔膜を下に下げることで胃腸をマッサージする効果があり、胃腸が刺激を受けることでも胃腸に分布する副交感神経が刺激されます。

腹式呼吸は副交感神経を高めるために効果的な呼吸法です。

呼吸の際に空気を吸い過ぎず、吐きすぎないこと

大きな呼吸は体内の二酸化炭素の不足を招きます。

二酸化炭素は私達の身体にある程度存在することでより効率的に代謝を促してくれたり、血管を拡張して全身の血流を良くする作用がある物質です。

大きな呼吸をしていると二酸化炭素が体内から排出され過ぎてしまってこのようなメリットを受けられなくなるだけでなく、少なくなることで逆に代謝の低下、血管の収縮による血流の悪化などを招くことになります。

細胞レベルで代謝を落とす、間違った深呼吸していませんか?
一般的に健康に良いといわれる大きく息を吸って肺いっぱいに空気を取り込むという呼吸法は、生理学的に考えていくとあまり健康的な呼吸法ではありません。なぜ、健康的な呼吸法ではないのか?を細胞レベルで解説しています。間違った常識を知識武装で覆しましょう。

指につけて血中酸素の量を図るパルスオキシメーターを付けたことがある方はご存知だと思いますが、普通の呼吸をしていてもほぼ100%に近い値を示します。

大きく呼吸しなくても酸素は十分取り込める

大きく呼吸しなくても酸素は十分取り込める

吸気が鼻呼吸であること

鼻は呼吸器ですが、口は呼吸器ではありません。

鼻から空気を取り込むことで、肺への空気に適度な湿度、温度を調節する、大量の空気が通り過ぎないように調節する、鼻毛によって空気中のゴミや細菌・ウィルスをろ過して気管支や肺に入りにくくするなど、呼吸器を守る入り口としての機能があります。

鼻は呼吸器、口は消化器

鼻は呼吸器、口は消化器

世界中に健康増進のための様々な呼吸法がありますが、鼻から吸うということだけは全世界共通しています。

それだけ鼻呼吸は重要なのです。

舌を上顎にくっつける

舌先が上顎にくっつき前歯に触れるか触れないかの位置にくっついた位置が舌の定位置になります。

舌が垂れ下がってしまっていると口腔内に空間が出来てしまい、鼻を通った空気が一部口腔内に流れ込む為、無駄な気流が発生してしまいます。

舌の長い人、短い人がいるので、多少前歯に当たってしまうなどはありますが、常に舌先が前歯の付け根に触れるか触れないかぐらいの位置に収めてあげると良い呼吸を行うことが出来ます。

正しい呼吸法の練習法

ここまで学んだことを踏まえながら、正しい呼吸法を練習していきましょう。

最初から座って呼吸を練習すると難しいので最初は仰向けに寝た姿勢で手をみぞおちと胸において練習をしていきましょう。

手は正しく呼吸が出来ていればみぞおち側だけが動き、胸においてある手は一切動かないハズです。大きく吸い過ぎても胸が動き始めてしまいますので、胸が動かない程度の小さな呼吸をゆっくり行っていきましょう。

手でお腹の動きを感じながら腹式呼吸を練習しましょう

手でお腹の動きを感じながら腹式呼吸を練習しましょう

1.仰向けに寝て膝を立てます。
2.舌を上あごにくっつけて鼻からゆっくり息を吸います。
3.息を吸うときは、みぞおちのあたりだけが軽く膨らむ程度までゆっくり吸います。
4.軽く膨らんだら、今度はゆっくり鼻もしくは口から息を吐き出していきます。
1~4を繰り返します。

チェックとして、みぞおちと胸に手を置き、

みぞおちが動いていること。胸が動いていないことを確認します。

これが出来るようになったら、鏡を見ながら座っている姿勢、立っている姿勢でも練習します。

それでもうまく呼吸ができないとき

正しい呼吸とは本来、生まれた時は無意識に行っている呼吸です。

その為、特別な技能がなくても誰でもできるはずですが、交感神経が優位で緊張状態が強い人や、胸や肩を使った呼吸が癖になってしまっている人は、最初どうしても胸が動いてしまう、お腹を動かす動かし方がわからない、胸が動かないように力んでしまう場合があります。

コリが強かったり、交感神経優位だと胸式呼吸になってしまう

コリが強かったり、交感神経優位だと胸式呼吸になってしまう

特に首や肩こりがひどい方は、交感神経が刺激されてお腹周りをうまく動かせないことが多いので、自律神経の調整を専門としている先生や呼吸器を専門としている先生に全身を緩めてもらうと練習がしやすくなります。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症パニック障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、生活習慣や改善について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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