仕事が続かない自分を責めてしまい、不安感、息苦しさ、動悸と消えたくなる感情で来院された30代男性(藤枝市)の症例

<初診時のカウンセリング>
一カ月前に就職が決まったのだが、職場になじめず一週間も行かずに退社してしまい、その罪悪感と緊張感からだんだんと体調が悪くなり、不安感、息苦しさ、動悸、発汗、気分が沈み込んで時々消えてしまいたくなるとのことで来院した。

病院ではパニック障害との診断を受けている。

元々まじめな性格のようで、良くなって両親に親孝行をしたいとのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

 

<施術内容と経過>
首周りの緊張が強く、脳への血流低下から自律神経症状と感情障害が出ているものと思われるため、施術自体は首周辺の筋肉の緊張緩和をメインに行っていく。~しなくてはいけない。~であるべきという思考が強いため、心理療法で思考の切り替えを行わないと、再びストレスで首の筋肉が緊張してくる可能性が高いため、心理療法も併用していく。

初回
全身の筋肉を緩めた後に、首の筋肉を重点的に緩める。施術後、息苦しさが残っていたが、呼吸法を指導するとその場で息苦しさは改善した。追加で、心理療法を行った。

2回目(一週間後)
前回の施術後から、時々動悸は出る程度まで改善し、息苦しさは呼吸法でコントロールできるようになってきたとのこと。不安感や気分の落ち込みも少なくなり、消えたくなる感情もほとんど出なくなったとのこと。

3回目(一週間後)
自律神経症状はほぼでなくなり、今までTVを見ていても全然面白くなかったのだが、ちょっとしたことで笑えるようになってきたとのこと。無理に就職することを目指して苦しくなっていたため、就職についてはゆっくり戻っていければという気分になり焦りがなくなっている。

4回目(一週間後)
元気に過ごせていたとのこと。症状も全くでなくなり、前向きに考えられるようにもなったので、今回で終了したいとのことで終了した。

 

<まとめ>
就職しても継続して働くことが出来ないということから、自己否定的になってしまいそのストレスから自律神経が乱れてパニック障害の症状が出ていたものと思われる。首周辺のこり自体はそれほど強いものではなかったため、心理療法が一番効果を発揮した症例と思われる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

院長 佐野佑介をフォローする
1.自律神経失調症症例2.パニック障害症例
スポンサー