4カ月前から始まった原因不明の頭痛、微熱、朝起きられない起立性調節障害疑い10代(女性)の鍼灸症例

心身堂院長 佐野佑介
この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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<初診時のカウンセリング>
4カ月前から突然おでこのあたりに頭痛がずっとでるようになり、病院へ行っても原因はわからず、そうこうしているうちに37.5度を少し超える微熱が頻繁に出るようになった。

複数の総合病院で精密検査を受けるが、どこにも異常は見つけられず、母親に連れられて来院。

午前中調子が悪いことが多く、学校へは午後から少し行って早退しているような状況。

頭痛は眠っているとき以外は常にあり、ひどくなると寝込むほど痛みが強いとのこと。立ち眩みがあったり、だるさ、頭がぼーっとする、血圧が低いなどの起立性調節障害のような症状はあるが、微熱が起立性調節障害ではあまりみられる所見ではないため、病院でも起立試験は行わなかったようである。

今回、初めて鍼灸を受ける。

 

<施術内容と経過>
全身それなりに筋肉に固さはあるが、発熱や頭痛の原因になるほどのこわばりではない。

初回
全身の筋肉の方さを緩めたが、頭痛は治まらない。頭部を探っていくと痛みがあるおでこの周辺に筋肉が固くなってこわばっているような所見が診られたため、そこへ直接鍼を行い筋肉を緩めたところ、その場で頭痛はすっきりと消失した。

2回目(一週間後)
前回の施術後から2日ほど頭痛が出ない時間があったが、次第にまた痛みを感じるようになって、ほぼ元の水準の痛みを現在は感じているとのこと。発熱は現在もコンスタントに発生している。刺激量の増減により効果に差が出るのかを調べる為、刺激量を少し抑えめにする。

3回目(一週間後)
今回は割とすぐに頭痛が戻ってきてしまい、翌日から再び頭痛が復活してしまったとのこと。刺激量を抑えめにしたことがかえって裏目に出てしまったようである。今回は逆に刺激量を増やして施術を行った。施術後頭痛は消失。

4回目(一週間後)
一週間の半分ぐらいまでは頭痛がなく過ごせていて、そこからだんだん頭痛がまた出るようになった。発熱の頻度が少し減ってきて、ほぼ毎日微熱だったのが、微熱が出ない日が出始めてきた。

5回目(一週間後)
週の後半に入るおとといの夕方ぐらいから頭痛が出てくるものの、ものすごく辛いというレベルの頭痛は出てこなくなった。微熱も1日ぐらいは出ているが、それほどで続けている感じではない。友達とお出かけできるようになった。

6回目(二週間後)
一週間過ぎたぐらいから、徐々に頭痛が出るようになっている。一週間は体調良い状態で過ごせていたとのこと。多少、微熱は出るが頻度としてはかなり減っている。

7回目(二週間後)
10日ぐらい頭痛なく過ごせていたが、一旦頭痛が出た後、一度頭痛が出たがその後再び頭痛が消えた。発熱はほとんどなくなっている。もともと、あっただるさも出たりでなかった理に変化し始めている。

8回目(三週間後)
生理が来た時に一度崩れて頭痛が出たが、生理が終わると同時に自然に回復。一昨日から再び頭痛が発生して、今日は結構痛みが強い。

9回目(一ヶ月後)
生理が来たタイミングでひどく頭痛が発生したものの、それ以外ではそれほどひどい頭痛を感じることもなく、学校へも少しずつ早く投稿するようになっている。

10回目(一ヶ月後)
3日前ぐらいから頭痛が再び出はしたのだが、学校へも行けており、微熱もだるさも出なくなったので、基本的に安定していると判断し今回で卒業とした。

 

<まとめ>
起立性調節障害であったのか、心因性の発熱、頭痛であったのかは定かではないが、自律神経の問題により、発熱、頭痛、だるさなどが出ていたのではないかと思われる症例。後日ご連絡を頂き、現在は朝から普通に学校に行けているとのこと。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

起立性調節障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。