慢性腰痛で来院された60代男性(磐田市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>

20代の時から慢性的に腰に重だるさと痛みがあり、ぎっくり腰も何度もやっている。しゃがんだ姿勢が続くと腰が伸びなくなってしまい、急に動くとズキン!っと鋭い痛みが走る。

仕事で重たいものを持つことが多く、常にシップを貼っている状態で過ごしている。何もしていないときよりも、動かした時に痛みが出やすく、前後どちらに倒しても痛みが出るが、特に後ろに倒す(後屈)が辛いとのこと。

奥さんが膝で当院で来院されており、良くなってきたため紹介で来院した。

鍼灸は初めての受診となる。

 

慢性腰痛で来院された60代男性(磐田市)の症例

 

<施術内容と経過>

実際に腰を診させて頂くと、腰の筋肉が硬くなっておりこれが原因で腰が伸びないという状態が出るのではないかと推測される。また、菌膜が破れた傷跡が残っており、ぎっくり腰を何度もやった後に適切な処置を受けてこなかった為、筋肉自体が十分に伸び縮みできなくなっているようである。

腰部の筋肉の緊張をゆるめることと、筋膜の修復を行う施術を中心に施術を開始した。筋膜の修復を促すために筋膜の傷がついている部分には点灸(米粒ぐらいの小さなお灸)を行い、筋肉の緊張については、股関節の方に延びる筋肉もかたくなっている為、腰の筋肉だけでなく股関節の方にもはりを行っていった。

初回の施術直後は、前に倒す動作では痛みは出なくなり、後に倒す動作の痛みも違和感まで改善した。

2回目の来院時にはある程度痛みが復活してきていたが、検査をすると前後方向へ倒れる可動域は広がってきており、筋肉も柔らかさが出てきていた。

3回施術を行った時点で、筋膜の傷は触知できなくなったため、点灸による施術は終了し、筋肉をゆるめる施術中心にシフトしていった。

4回目の施術後からは、じっとしゃがんだ姿勢を長時間していた後のみ痛みが出るが、日常動作ではほとんど痛みが出なくなり、不安定感もなくなってきたと報告を受ける。

施術間隔を開けながら卒業に向けて様子を見ていた際に、仕事場で100kgを超える在庫が倒れてきて、運よく直撃はしなかったもの打撲などの外傷を負った。

受傷後の体を診させて頂くと、体全体の筋肉がこわばっており、腰痛も再発してきている。交通事故後の体に近い状態になっており、自律神経を落ち着かせるための処置を行ったところ全身の筋肉がゆるんで腰痛も元の水準まで改善した。

途中職場の事故があったため、予定よりも施術回数がかさんだが10回の施術で状態も安定したため卒業とした。

<まとめ>

体調がよくなってくると、無理が効くようになってくるため思いもよらない事故に巻き込まれる方が稀にいる為、注意喚起を行っているものの動けるようになり、動きたい衝動を抑えてもらうのはなかなか難しいと改めて実感した症例。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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