坐骨神経痛に悩む50代女性(東京)の鍼灸症例

心身堂院長 佐野佑介
この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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<初診時のカウンセリング>

半年ぐらい前から左のお尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて突っ張るような、びりびりするような痛みが出て、しばらくお住まいのある東京の病院で治療を受けるが、半年たっても痛みが引かない。娘さんが当院へ通われていたことから遠方でもいいからという事で来院。

思い当たる原因を聞いてみると、痛みが出る直前に、なんとなく違和感が出ていたが、趣味のゴルフに出かけてコースを回り、何とか一通り回っては来たが無理したのか自宅に戻ってきてからお尻のあたりに痛みが出たのが始まりで、それから日が経つにつれて足の方まで痛みが出るようになってきたとのこと。

若い時から慢性的な腰痛持ちではあった。

鍼灸は初めての受診。

座時骨神経痛に悩む50代女性(東京)の症例

 

<施術内容と経過>
慢性的な腰痛持ちの為、腰で神経に刺激が入って坐骨神経痛が起こっているのではないかとも考えたが、痛みがはじまる場所がお尻の下の方からであり、間接的な影響は腰からあるとは思うが、梨状筋症候群といって、お尻の筋肉が太ももの裏やふくらはぎに向かう神経に刺激を与えて坐骨神経痛を起こしているのではないかと思い筋肉の緊張を調べたがあまり、お尻の筋肉も緊張していない。

散々迷ったが坐骨神経痛を引き起こすような筋肉や骨の問題も見つからない為、単純に初期に神経を刺激して痛みを引き起こす何かがあってそれは時間経過とともに改善してしまったが、神経の異常興奮だけが残ったか、脳が痛みの記憶を引きずっているのではないかと考えて施術を開始した。

初回
骨盤や背骨のゆがみを調整して、体がしっかり治まる状態を作ったうえで、坐骨神経痛の痛みが出ている場所に軽く触れることで、神経を鎮静化させる。

施術後に痛みは半分程度まで軽くなったと言われたので、この日はそこで施術終了。

2回目(一週間後)
施術後3日ぐらいまでは痛みはあるが割と楽という状態で過ごすことが出来た。週の後半になるにしたがって徐々に痛みが戻ってきているとのこと。骨盤と背骨は元々それほどゆがんでいない為、チェックはしたが前回の施術で十分安定しているので、今回は施術から外し、神経を鎮静化させる施術に時間を多くとって施術を行った。施術後前屈としゃがみが楽にできるようになった、痛みも7割軽くなって3割ぐらいのこっている感じになったので、施術終了。

3回目(一週間後)
施術の翌日と翌々日ぐらいまでは痛みが残っていたが、3日後ぐらいからあまり痛みを感じることなく過ごせているとのこと。代わりに違和感を感じるようになってきた。同じく神経を鎮静化させる施術を行った。

4回目(一週間後)
調子が良かったのでしばらく行っていなかったゴルフのレッスンに行ってきて今日は筋肉痛が残るとのこと。ゴルフやった後から違和感が強くなっている。痛みは若干出たりでなかったりではあるが、それほど辛く無く過ごせている。神経を鎮静化させる施術を行った。調子が良い為、施術間隔をあけていく。

5回目(二週間後)
途中2回ほどお尻のあたりに痛みが出たが、気が付くと消えていた。ゴルフのレッスンも受けているがゴルフ後に調子が悪くなることもなくなったとのこと。神経を鎮静化させる施術を行った。

6回目(二週間後)
違和感を感じることはあったが、痛みは感じることがなかったとのこと。神経を鎮静化させる施術を行った。

7回目(四週間後)
約一ヶ月施術間隔をあけたが、違和感も痛みも感じることなく、快適に過ごせていたとのこと。神経の興奮自体もほぼ感じられなかった為今回で卒業とした。

<まとめ>
神経の異常興奮だけが残った坐骨神経痛の症例。

痛みのある場所に軽く手を置いて神経を鎮静化させることで改善できるのだが、脳の中で感じているだけの痛みなのか、痛みを感じている部分の神経異常が本当にあるのかは現在もわかっていない。構造的な問題や原因がなくても痛みが出る場合は多くある為、病院や接骨院で治療を受けていても改善されないしつこい坐骨神経痛の場合にはこのようなアプローチも選択肢の一つとして有効だと思われる。

遠方にもかかわらず根気よく通ってくれたことが何よりも大きい。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。