15年来の慢性腰痛から坐骨神経痛が出て来院された60代男性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>

15年前ぐらいから慢性腰痛に悩まされていたのだが、ここ1年ぐらいから坐骨神経痛も出てくるようになり、左臀部から太ももの裏にかけてツッパリ感が出ている。

会社の同僚が当院へ来院されており、とても良くなったと話を聞いて紹介で来院。

痛みが出始めてから、整形外科を受診した後、接骨院へかかっていた。半年以上通っても変化がない為、当院へ来院した。

鍼灸は初めての受診である。

15年来の慢性腰痛で来院された60代男性(浜松市)の症例

 

<施術内容と経過>
体を診させて頂くと、腰の筋肉に揉みダコが出来ているような状態で、接骨院でかなりの強揉みのマッサージを受けてきたようである。筋肉が何度ももまれることで、腰の筋肉の炎症が慢性化してしまっている。先に腰の筋肉の炎症を鎮静化させてから、坐骨神経痛の原因を探っていくこととする。

初回
全身の筋肉の緊張をゆるめてから、炎症を起こしてしまっている腰の筋肉の炎症を鎮めるように鍼を打つ。施術後、坐骨神経痛は残るが、腰の痛みは幾分楽になったとのこと。

2回目(一週間後)
前回の施術後、三日ぐらいから急に腰が楽になり、一緒に坐骨神経痛の痛みも消えてしまったとのこと。腰の痛みはまだ残っているが、腰の調子が良くなって重たいものを持った時に今度は左肩が痛いのでそちらの方が辛いと訴えられる。腰痛と坐骨神経痛に対しては、今回は全身の筋肉をゆるめるのみの対応とする。肩の痛みは、痛みを出している筋肉を特定して鍼で緩めたところ若干違和感が残る程度まで改善したため施術を終了。

3回目(一週間後)
肩の痛みは翌日からスッキリとして押した時にだけ痛みがあるだけで日常的にはまったく痛みがなく過ごせているとのこと。
今回は左のお尻の上のあたりに痛みが戻ってきており、調べてみると腰の筋肉の炎症が沈んだことで、筋膜の傷がはっきりとわかるようになっていたようである。痛みを訴えられているのは左だけだが、右にも傷がある為、点灸(米粒大のお灸)で筋膜の傷の修復を促す施術を行い終了。

4回目(一週間後)
肩の痛みは押しても痛みが出なくなり、調子よく過ごせている。今回は両方のお尻の上に痛みが出ているが、痛みの程度は比較的軽く痛いなぁ~ぐらいで、辛いと感じることはなかった。

5回目(二週間後)
動きすぎると坐骨神経痛の痛みが出ることがあったが、寝て起きると回復しており、腰痛もそれほど気にならずに過ごせている。筋膜の傷もほぼ修復されている。

6回目(一ヶ月後)
調子よく過ごせており、筋膜の傷も見つからない為、今回で卒業とした。

 

<まとめ>
マッサージを受けたことで逆に悪化していた症例。

マッサージは技術的にとても難しい手技であり、鍼などと比べて揉まれているときは気持ちいいので続けてしまいがちであるが、適切なマッサージを行わないと炎症を引き起こして、その炎症で辛いのでまたマッサージを受けるというスパイラルにハマってしまう。

この方の場合は、炎症がひどくなってきてしまっていたので、マッサージをせずにいたほうが、坐骨神経痛自体はすぐに治まった可能性が高い。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

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