ズキっと鋭い痛みが走る慢性腰痛で来院された40代男性(浜松市)の鍼灸症例

心身堂院長 佐野佑介
この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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<初診時のカウンセリング>

20年以上前から慢性的な腰痛持ちで、動き方によってズキっと鋭い痛みが腰の奥の方に走る。運送業の仕事をしているが、荷物の積み下ろしは機械で行っている為、基本的には長時間運転しかしていないとのこと。

調子が良い時でも動かすと痛みは常にあるのが当たり前で、前屈、後屈、体をひねる動作で痛みが強く出る。ホームページを見て当院へ来院した。

鍼灸は今回初めての受診である。

ズキっと鋭い痛みが走る慢性腰痛で来院された40代男性(浜松市)の症例

<施術内容と経過>

トラックの運転で長時間座りっぱなしではあるが、訴えられるほどの腰痛になるほど腰に負担がかかっているとは考えられず、実際に腰に触れてみても顕著な原因が見つけられなかった。

原因が他の場所からの影響ではないかとも考えたが、特定の動作の時にだけ痛みが出る為、脳内の中で動作と痛みがリンクし、再生されている可能性の方が高いと判断し施術を開始した。

まずは、前屈になった時に痛みが出るとのことなので、しゃがんだ姿勢から前屈姿勢を作ってもらうと、痛みが出ない。何度かこの動作を行ってから、普通に前屈してもらっても腰痛を感じなかった為、腰ではなく動きと痛みの関連による腰痛であることがわかった。

他の痛みの出る動作も同様に、立った姿勢からではなく、異なる姿勢から後屈、体をひねる動作を行っていき、痛みが出なくなった。仕上げに、脳の大脳辺縁系(記憶を司る部位)の反応を鎮めて施術を終了とした。

同じ施術を行っていくうちに徐々に日常では痛みを感じることがなくなり、7回の来院時にはほとんど痛みを感じることもなく過ごせる状態で安定していたため、卒業とした。

<まとめ>

動作と痛みが脳内の中で関連付けされて痛みが出ていることは少なくなく、腰痛以外にも過去に強い痛みを経験した場所であればどこでも同じことが起こる。

その動作や姿勢でも痛みが出ないことを学習させることと、記憶の中枢である海馬を中心とした大脳辺縁系の反応を解除する施術を行うことで、効率的に改善されていった症例。

腰痛だけれども本体は脳の中にあるという最新の腰痛科学を裏付けるような症例であった。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。