うつ病・パニック障害は何故なかなか治らないのか?

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

うつ病やパニック障害は初期に正しい治療を行えば順調に改善していく疾患ですが、実際には慢性化させてしまった結果、ずっと付き合っていく必要がある疾患になってしまうことも多い疾患です。

今回は何故なかなか治らないのか?慢性化させてしまう方が多いのか?について、一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。

結論:疾患により正しい判断が出来なくなることで適切な治療が継続できないことが原因。

うつ病・パニック障害の方の多くは、脳の機能が低下して判断力(認知能力)が低下した状態になる場合がほとんどです。

認知能力の低下はひどくなれば物忘れや自分でもなんでこんなことしたんだろうと感じることが多くなるため自覚できるようになってきますが、通常は認知能力が低下していることを認知できなくなるため、自覚が非常に難しい症状です。

認知能力が低下すると適切な判断・行動が難しくなり、悪化や再発を招きやすくなる。

認知能力が低下すると適切な判断・行動が難しくなり、悪化や再発を招きやすくなる。

その結果、治療を受けてもこの治療法ではない方が良いのではないか?と感じてきたり、陰謀論的な話を信じ込んでしまう、自覚症状が改善したので安易に治ったと思って(誤認して)治療をやめてしまう場合があります。

これが結果的に再発を繰り返して慢性化させてしまう原因となります。

うつ病やパニック障害の治療はストレスをかけすぎないことと、神経系の回復が行われ易い生活習慣を長期間継続する事が大切です。

調子が良くても改善に努めてきた生活習慣を継続し続けることがとても大切です。

正しい判断が行いにくい状態になってしまいやすいことも意識して、第三者からの客観的な意見と自分の自覚がズレていないかを確認していくことが大切です。

私達、医療者は医学的にはまだ治療が必要だと判断される場合であっても、治療をやめたいという患者さんの意思を尊重するよう教育されています。

それが患者さんの権利だからです。

認知力の低下によって、正しい判断が出来なくなっていたとしても、その領域には踏み込むことが出来ない領域です。

自覚症状だけで判断してしまう

自覚症状が軽くなっていくというのは、改善度を図るうえでの重要な指標の一つですが、「自覚症状が軽くなっている=治った」というわけではありません。

自覚症状のあるなしというのは、心身の状態がある閾値よりも正常側に近い状態にあるのか?異常側に近い状態にあるのかの指標です。

治療開始直後には治療効果があるのか、ないのかを判定するうえでとても重要な指標になってきますが、自覚症状がないから治ったわけではありません。

自覚症状がなくなっても、油断しないことが大切。

自覚症状がなくなっても、油断しないことが大切。

改善してくる途中に8割ぐらいの人が症状のぶり返しを経験するのですが、ぶり返しの前に何か判断ミスをした行動をしていることがほとんどで、その判断ミスをしやすいパターンを学習していくことも改善には重要です。

症状をぶり返した方に話を聞いていると、「最近調子が良いからもう治ったと思って・・」と口をそろえて言われます。

自覚症状だけで「治ったから大丈夫と判断」して、無理な行動をとってその結果症状をぶり返してしまう方が多いのです。

症状のぶり返しぐらいであれば、判断や行動の振り返りを一緒に行ってくれる医療者のサポートがあれば、自分の判断や行動が適切にできていないことに気が付くことが出来ます。

しかし、十分なサポート体制が整えられていない状況の方の場合は、第三者的に判断や行動の振り返りをしてくれる人がいない為、慢性化させやすい判断・行動パターンをとっていても誰からも指摘されず、再発を繰り返して、慢性化させていってしまいます。

慢性化したものはなぜ治りにくいのか?

私達の身体は恒常性(ホメオスタシス)といって、ある一定の状態を保とうとする機能がついています。

身体はある一定の範囲内にバランスを保とうとする

身体はある一定の範囲内にバランスを保とうとする

これによって多少の不具合があってもある一定の状態から外れていれば、本来の状態へ戻そうとする力が働いて回復していくのですが、症状が良く出る体調の悪い状態の長期化や再発を繰り返していると、体調の悪い状態が正常として設定されてしまい、その状態のまま安定するようになってきます。

これが慢性化です。

いわゆる自然治癒力が目指しているゴール地点が、体調の良い状態ではなく、体調が悪い状態になってしまっている為、改善がなかなか難しい状態となるのです。

慢性化してしまっても治るの?

前述したホメオスタシスの話は分かりやすく説明する為のイメージですが、うつ病やパニック障害が慢性化している方の場合、神経細胞が物理的に損傷を受けていると考えられます。

神経細胞は再生することが現代の医学でもわかっています。

脳の神経細胞は再生するが無限に再生するわけではない。

脳の神経細胞は再生するが無限に再生するわけではない。

しかし、身体の怪我などで考えてみるとわかると思いますが、小さな擦り傷ぐらいであればほとんど傷があったこともわからない程度まで綺麗に再生しますが、大きく損傷した場合はどうでしょうか?

傷の跡が残るだけであればよいのですが、損傷した部位が後からツッパリが出たり、動きに制限がかかったり、雨や寒い日などに痛みが増すなどの不調が残ることも珍しくありません。

中枢神経の細胞(脳)と比べて比較的再生が行われやすい身体の細胞であっても損傷が大きいと、完全に元には戻らないことがあると考えると、再生能力が弱い中枢神経の細胞が同じ水準まで回復するのかは疑問が残ります。

慢性化したうつ病・パニック障害を克服していくとは?

慢性化してしまったうつ病やパニック障害を克服していくとは、現在生き残っている神経細胞と再生可能な神経細胞をうまく使うことで日常生活を可能な限り質の高いものにしていくことです。

私自身もひどいパニック障害になった経験がある為、パニック障害になる前と比べて正常か?と言われれば、そんなことはありません。

雨の日は眠気が強くなりますし、ストレスがかかると手足がだるくなって動きずらくなる、睡眠時間が短いと動悸がひどくなるなど、外部環境の変化やちょっとしたストレス、生活習慣の乱れで症状がぶり返してきます。

アンバランスながらもうまくバランスをとって生活の質を上げていく

アンバランスながらもうまくバランスをとって生活の質を上げていく

しかし、雨の日の活動量を減らし、強いストレスがかかりそうなトラブルは物理的・心理的距離をとり、睡眠不足にならない生活を気を付けることで、普通の生活をしています。

私の損傷レベルではそれぐらい気を付けるだけで大丈夫だったというだけなので、人によってはもっとより多くの制限を受ける方もいるでしょう。

壊れてしまったあなたの身体を治す努力は大切ですが、完全に元に戻らない壊れた部分も残ってしまうことがあります。

その身体をうまく操縦して生きていけるようになることこそが、慢性化させてしまった人が克服していくということです。

慢性化させないで

早く元の生活に戻りたい気持ちはわかりますが、焦って元の生活に戻すと慢性化させて永遠に元の生活に戻ることが出来なくなってしまいます。

私達医療者が治療よりも、予防の重要性を説くのはそのためです。

何気なく睡眠時間を削って動画を観ている生活、忙しくて炭水化物がほとんどの食事、運動不足、嫌ない環境で働き続けるなど、取り返しのつくうちにやめてください。

あなたが考えているほど、医学の力で出来ることはそこまで多くありません。

あなたが日頃の生活習慣を気を付けるちょっとした工夫だけで、医学を圧倒するような成果を得ることが出来ます。

まとめ

うつ病やパニック障害になると認知能力が低下する為、病気に対する正しい認識・判断と行動が難しくなってしまいます。

認知能力が低下していることを認知することがそもそも難しくなるため、自覚することが難しい症状です。

自分だけで判断せずに第三者の客観的な意見と自分の自覚にずれが生じていないか確認していくことが大切です。

うつ病・パニック障害の症状は自覚症状だけで判断しないようにしてください。

自覚症状は治った治らないといった範囲ではなく、悪いか、物凄く悪いかの指標で今まで通りと同じ行動をとっていいという指標にはなりません。

自己判断で医療者のサポート体制から出ていかないように注意が必要です。

十分に回復する前に負担をかけてしまうと、再発を繰り返してしまい結果として慢性化して、なかなか改善が難しくなってしまいます。

うつ病・パニック障害の場合、神経細胞が物理的に損傷を受けていると考えられるので、慎重に判断・行動することが大切です。

慢性化させてしまうと、完全に元の状態に戻らなくなることがありますので、そうならない予防がとても大切です。

しかし、慢性化させてしまったとしても現在生き残っている神経細胞と再生された神経細胞を上手に使っていくことで生活の質を向上していくことは可能です。

当院での改善をご検討の方はうつ病パニック障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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