
ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。
自律神経のお悩みを持たれる方の多くが、人間関係や対人関係で慢性的なストレスを受けていることが多くあります。
人間関係のストレスが認知の歪みに由来する場合は認知行動療法を用いるのですが、身近な妻・夫・彼女・彼氏といったパートナーや親友といった人間関係においてもストレスを抱えている場合には、対人関係療法が有効な対処法になります。
この対人関係療法は同僚や上司、部下などにも使えるものなので、身近な人で効果を実感したうえで色々な人間関係に応用していくと人間関係のトラブルから来るストレスを減らしていくことが出来ます。
今回は人間関係のストレスの対処法について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。
結論:お互いの期待と現実を言葉ですり合わせていくことが大切。
対人関係療法と聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、実際の内容はそこまで難しくありません。
言葉で自分と相手の期待を整理して、現実とのギャップを認識することが対人関係療法です。
私達はコミュニケーションをとる時に相手に何らかの期待をもってコミュニケーションをとっています。
人間関係のトラブルの原因となるのはお互いの持つ期待がズレたままコミュニケーションをとってしまうことに気が付いていないことに起因します。
その為、期待のズレを言葉で明確化して、期待のズレを最小限に抑えることが出来ると、人間関係のトラブルが起こりにくくなり、そこから受けるストレスも最小限で済むようになります。
対人関係療法はこの期待のズレの修正を言葉を使って行うことです。
例:家事を手伝ってくれない彼氏・旦那
ここではパートナー間でよくみられる「家事を手伝ってくれない彼氏・旦那」問題について、対人関係療法でどう扱っていくのか?について、具体的に解説していきます。
今までこのような問題について何度も話し合っては来たと思いますが、対人関係療法を行う際は客観的に、冷静に考えて取り組むことが大切なので、根深い状態であればカウンセラーなど第三者に間に入ってもらって行うのが良いです。
しかし、そういったことが出来ない場合には、お互いの期待や現実について紙に書き出していくことで冷静に整理していってみましょう。
あなたは相手に何を求めていますか?
①私が何も言わなくても家事を積極的にやって欲しい。
②私が家事をやるのが当たり前のようになっているのが不愉快。
③私ばかりが家事をやっていいて、不平等だから家事の負担を平等にして欲しい。
などがあげられるかと思います。
あなたが相手に対して持っている期待は何でしょうか?
①相手は何も言わなくても自主的に動いてくれる人。
②私にもっと感謝して、私のことをもっと大切に扱ってくれる人。
③家事の負担を平等に分配し、実行できる能力がある人。
など、要求に隠れている期待を書き出してみましょう。
次に相手にも同じことを書き出してもらいます。
相手があなたに何を求めているか?(相手にやってもらう)
①手伝ってほしいことがあるなら直接言ってくれないとわからない。
②家事をやってくれるのが当たり前なんて思ってないし、感謝はしてる。
③ごみ捨てもやってるし、休日も家族サービスもしている。既に平等にしている。
など、があげられるかと思います。
相手があなたに対して持っている期待は何でしょうか?(相手にやってもらう)
①手伝って欲しい事や困り事はわかりやすく説明してくれる人。
②言葉で伝えなくても感謝していることを十分わかってくれる人。
③平等にやっていることを理解してくれる人。
など、が要求の裏側に期待として隠れています。
感情的にならずにお互いの期待と現実のズレをシェア
お互いに相手の期待を読むと、私はそんなことできる人じゃない。とお互いに思うことが多いはずです。
これが人間関係のトラブルの原因となる、期待のズレです。
つまり相手の、性格や遂行能力、価値観を現実の相手よりも高く評価してしまった状態のまま人間関係を継続している為、裏切られた、だまされた、わざとやってくれないなどとネガティブに相手のことをとらえてストレスを感じることになってしまいます。
しかし、現実には性格的・能力的など、遺伝子や養育環境の影響などが関わっていて、本人の努力だけではどうしようもない、どうにかできたとしても継続することが現実的ではない場合もあります。
現実的な期待を設定し解決策を模索する
現実と期待が極端に離れすぎている場合には難しいこともありますが、今回の例のようなケースであれば、期待を見直すことでお互いにとって良い関係性を構築し直すことが可能です。
例えば、相手は言われなくても家事を行うということが出来ない人という前提であればあなたはどうしますか?
また、相手はあなたが家事を手伝って欲しいということを伝えることが出来ない人という前提であれば相手はどうすればよいでしょうか?
一例ですが、お互いの歩み寄りとして、あなたは相手に家事の何を手伝って欲しいと直接言いずらいのであれば、冷蔵庫にホワイトボードを張り付けて書き込み伝える努力が必要です。
相手もあなたに対して何の家事をどう手伝ったらいいのかをいちいち聞くorホワイトボードにかかれた内容を上から順に行っていくように努力すれば、お互いの要求に近い結果を得やすくなります。
家事が平等に分担されていないということに関しても、あなたが平等だと感じる量の家事分担、相手が平等だと感じる量の家事分担を書き出し、お互いが平等だと感じられるのはどのように家事を分担したときなのか?を具体的に落としどころを決めていくというすり合わせをしていくことが大切です。
なんでこんな簡単なことが出来ないの!?
意外と見落としがちなのですが、私達は自分が簡単にできることは相手も簡単にできると思ってしまう傾向があります。
例えば何度言っても時間を守るのが苦手な人というのがいると思うのですが、時間を管理する脳の部位の働きが弱かったり、他のことに注意を持っていかれやすいという脳の特徴を持っていると時間を守ることがとても苦手になります。
そういった人が時間を守ろうとすると莫大なエネルギーを使います。
その為、一生懸命頑張れば一時的に時間を守ることは出来たとしても持続できなくなってしまうことがほとんどです。
私達は学校教育の中で努力すればどんな能力も獲得できるというような錯覚を与えられて育ちます。そうしなければ学校教育の根幹である努力することが素晴らしいという価値観が根底から崩れてしまうからです。
時間を守る能力が平均的な人からすると、こんな簡単なことが何で出来ないの?と思ってしまいますが、今回の例で取り上げたように、「手伝って欲しいことを言葉にして伝える」「言われなくても自主的に動く」ということが出来ないことから問題が発生しています。
そしてそれは、お互いにとってはなんでそんな簡単なことが出来ないの?というすれ違いを生んでしまっているのです。
まとめ
人間関係のトラブルによるストレスを減らすには対人関係療法が有効です。
対人関係療法はお互いの期待と現実を言葉を使って整理することで、すれ違いから発生するストレスを減らしていく両方になります。
親しい間柄の人の場合は、間にカウンセラーなどが入った方が冷静に対人関係療法を行いやすいですが、難しい場合には紙に書き出していくということだけでもよいです。
お互いの要求の裏に隠れている相手への期待を言葉にして相手に伝え、お互いの能力の中で実現可能な方法を一緒に考えていくことで協力関係を気付きながら解決策を模索していきます。
どちらか一方が我慢するという解決策は良くありませんので、お互い少しずつ譲ることが大切になります。
当院でパートナーとの対人関係療法を受けたい方はお問い合わせよりカウンセリング予約をお取りください。
遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。