逆流性食道炎の治し方~自力で治すヒント~

ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

胸やけ、酸っぱいものが上がってくる、食後に胸やみぞおちのあたりが痛みなどよくご相談を受けるのが逆流性食道炎です。一般的な症状以外にも、のどの違和感、声のかすれ、咳などが出る場合があります。

今回は逆流性食道炎の治治し方について一緒に考えていきたいと思います。読んでいただくことで、逆流性食道炎を治していくヒントが得られると思いますので、是非参考にしてみてください。

結論:リラックスとよく噛んで食べるようにすることが大切です

原因と期間にもよりますが、逆流性食道炎はちょっとした生活習慣を整えるだけでもよくなることが多い疾患です。

胃酸の量が多すぎる原因は、ほとんどの場合生活習慣が乱れてリラックスが不十分になっている為です。生活習慣やストレス管理を行っていくことで比較的改善しやすい疾患です。

また、リラックスした生活を送れていても、食べ物をあまり噛まずに大量に食べるなどは、胃酸の逆流を起こしやすくなってしまいますので、ゆっくりよく噛んで食べる、適正量食べることで改善していくことが出来ます。

小学校低学年の時に、「よく噛んで食べましょう」「楽しく食べましょう」といった食事の基本を守ることがとても大切です。

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胃酸が逆流しやすくなる原因(逆流性食道炎の原因)

胃酸が逆流してしまう原因はいくつかの原因に分けることが出来ます。ここで逆流性食道炎の原因について理解することで、どういう生活へシフトしていけばよいかを学んでいきましょう。

胃酸の分泌量が多い

逆流性食道炎は胃酸が食道へ逆流してしまう疾患ですから、胃酸の分泌量が多いとそれだけ症状が起こりやすくなります。

病院での逆流性食道炎の治療はこの増えた胃酸の分泌を抑える制酸薬が用いられますが、胃酸の分泌量が増えた原因を取り除かないと、制酸薬を飲むのをやめると再び逆流性食道炎を起こしてしまいますので、原因を取り除くことが大切です。

胃酸の分泌量が上がってしまう原因は、「交感神経の過剰」と「大量の食べ物を大きいまま一気に食べる」ことの2つです。

交感神経の過剰

交感神経には胃酸の分泌を増やす作用があります。その為、ストレスが慢性的にかかっている方などはストレス反応により交感神経が刺激されて、胃酸の分泌量が増えてしまう傾向にあります。

ストレスというと、心理ストレスを思い浮かべる方が多いですが、ストレスは以下の4つが存在します。

1.物理的ストレス・・・温度、湿度、気圧、光、音など。
2.化学的ストレス・・・公害物質、金属、アルコール、タバコ、食品添加物、カフェインなど。
3.生物的ストレス・・・花粉や食物アレルギー、咳や痰を引き起こすウイルスや細菌、睡眠不足、過労、過度な運動、デジタルデバイスの使用しすぎなど。
4.心理・社会的ストレス・・・職場・家庭・お金などから生じる心理的なストレスなど。

心理ストレスは気が付かれる方が多い一方取り除くことが難しいことが多く、逆に1~3は自分でも気が付いていないことが多いため、一つ一つストレス原因となっていないかを確認し、それぞれに対処していくことが大切です。

強い心理ストレスを受けている場合は、環境を変えるというのが最も有効な方法になる為、転職なども視野に入れて検討することが大切です。

大量の食べ物を大きいまま一気に食べる

大量の食べ物を一気に、よく噛まずに大きいまま胃に流し込んでしまうと、消化の為に大量の胃酸を必要とします。

交感神経が刺激される以外にも、単純に大きく大量の食べ物が胃に入ってくると、消化するために胃酸をより多く分泌して胃に入ってきた食べ物を消化しようとします。

ゆっくりよく噛んで食べることで、大量の食べ物が一気に胃に入りずらく、よく噛むことで食べ物が小さく細かくなっていると胃酸に触れる表面積が増える為、消化に必要とする胃酸の量も少なくて済みます。

逆流しやすい姿勢

病院で必ず言われることですが、食べた後すぐ横になってしまうと重力に胃酸が下に引っ張られなくなってしまう為、逆流しやすくなってしまいます。

特に左を下にして横向きなどは、胃酸が最も逆流しやすい姿勢なので食後は特に控えることが大切です。

注意したいのが夕食が遅くなってしまうと、就寝までの時間が短くなってしまう為、胃でまだ消化している途中の時間帯に横になることになってしまい、逆流しやすくなります。

就寝時間の3時間ぐらい前には食事を終え、就寝まで体を横にしないように注意しましょう。

逆流性食道炎を治そう

逆流性食道炎は長期間続いていなければ、ストレス管理を行い、食事の仕方を注意していれば十分自力で治すことが可能な疾患です。

交感神経が高まった状態が維持されている場合には、胃が収縮た状態が定着してしまって胃を緩めることが必要な場合もありますが、まずはセルフケアで自力で治すことを目指しても問題ありません。

しかし、効果がないまま長期間放置すると食道炎が慢性化してバレット食道(胃と同じような組織に食道が置き換わる)という状態になり、食道がんのリスクが高まる為、1ヶ月ぐらいセルフケアをしてみて改善が難しいようであれば、専門家の力を借りることが大切です。

しかし、薬物治療は食道がんリスクを高める期間の延長ですので、本質的にはストレス管理をしっかりと行って交感神経が高い状態にならないリラックスした生活を送りながら、ゆっくりよく噛んだ食事を行っていくことが大切です。

それでは、具体的にどのような生活習慣を気を付けていくのかについて解説していきたいと思います。

食事は複数回に分けて食べ、夕食は早めに

空腹時にご飯を食べるとどうしても早食いでゆっくりよく噛んで食べるがしずらくなってしまいますので、極端な空腹状態にならない間隔での食事が大切です。

大量に食べてしまわないように1日に3食よりも多く食事回数を増やして食べるというのも逆流性食道炎の方にお勧めの食事法です。

おやつなどで補食をすることで、空腹になりすぎてよく噛まずに早食いの大食いにならないようにすることが大切です。

また、夕食はなるべく早めの時間に食べ、就寝までの時間は体を起こした状態を維持する事で横になったことで胃酸が逆流することを予防することも大切になります。

睡眠を良くとりましょう

睡眠不足は交感神経の過剰状態になりやすいため、毎日しっかりと眠ることが大切です。60代になる前ぐらいまではショートスリーパーなど特殊な体質の人でない限りは多少の誤差はありますが、7時間程度の睡眠をとるようにしましょう。

十分な睡眠は自律神経のバランスを整える上で基礎になりますから、睡眠時間を安易に削らない。そして、睡眠前3時間は食事を摂らないことが大切です。

運動をしましょう

良い睡眠には適度な肉体疲労がとても重要ですし、運動にはストレスを軽減する効果があります。

毎日、散歩をするなど軽い運動で良いので少しずつ運動習慣を身につけていきましょう。散歩であれば1日8000歩程度まで行えるようになると健康効果が高いことがわかっています。

昼間に交感神経を高めることで、夜十分な副交感神経が働き良い睡眠によってより自律神経が整いやすくなります。

交感神経過剰による胃酸の分泌を抑える効果が期待できます。

スマホ時間を制限しましょう

ストレス原因として見落とされがちなのが、スマホなどのデジタル機器の長時間の使用です。

大人であれば1日の中で睡眠に悪影響が出ない使用時間は2時間以内であると考えられていますが、それ以上の使用で睡眠の質を低下させたり、不眠など悪影響が出ることがわかっています。

もちろん夜に使用することでブルーライトが目に入り睡眠を妨げるということはご存知の方も多いかと思いますが、1日の使用時間が長くなることでも悪影響が出ますので注意が必要です。

また、使用するしないに関わらず、寝室にスマホを持ち込むだけでも睡眠時間が短くなることも研究によりわかっていますので、寝室にはスマホを持ち込まないようにしましょう。

スマホ依存になっている方ほど、スマホ時間の制限を実践することが難しいので、まずは今スクリーンタイムがどのぐらいになっているのかを毎日チェックすることで自分のスマホの使用時間をチェックするようにしましょう。

ここでは便宜上スマホと表現していますが、タブレットやPC、TVなども含めた合計の時間で考えてみてください。

しかし、仕事上PCの時間は削ることが難しいという方も多いと思います、その場合はせめてスマホやタブレットなどの使用時間を子供の使用限界と同じ1時間未満ぐらいに制限しましょう。

ストレス原因から離れよう

一番難しいのが心理ストレスへの対処です。

仕事上や家族など、距離を置くのが難しいストレス原因となる人と関わらなくてはいけないのはとても難しい問題です。

ストレスへの対処は心理療法で適切に対処できるようになる問題と、今いる環境から離れるしかない問題の2つがあり、後者の場合は改善が非常に難しくなります。

それでもダメなら鍼灸を試してみましょう

通常であればここまでご紹介してきたような生活の改善やストレス原因を取り除くことで交感神経が鎮まってきて、逆流性食道炎の症状も改善されてきます。

しかし、交感神経優位な状態が長期間続いていて、副交感神経優位の状態を作り出せなくなってしまったり、交感神経優位の状態が長期間続いたことで胃が収縮した状態のまま維持され、こり固まってしまった場合には鍼灸を利用することを検討してみましょう。

鍼灸には副交感神経を刺激してリラックス状態へ誘導する効果があります。

また、胃のこりを直接緩めることで、収縮した状態で胃の容積が狭くなってしまって胃酸が逆流しやすくなっている状態を改善することが出来るようになります。

しかし、基本的に交感神経が優位になり易い生活習慣のままであったり、ストレスがかかり続けていたり、ゆっくりよく噛まない食事を続けてしまっていると鍼灸を行っても効果が期待できませんので、ここで紹介した内容を実践することが大切です。

まとめ

逆流性食道炎は副交感神経優位の状態で、よく噛んでゆっくり食べるというこの2つのポイントを抑えた生活を送ることが改善への近道になります。

胃酸の分泌が多くなりすぎないように、交感神経優位な状態が継続しないように生活習慣とストレス管理を行っていくこと、そして食べ物を細かくなるまでよく噛んでゆっくり食べることで胃酸を適正量の分泌にすることが大切です。

副交感神経を高める為に、スマホ時間を制限したり、ストレス管理を行うことが重要になります。また、自律神経を整える基本である食事、睡眠、運動を今一度振り返ってみましょう。

1ヶ月程度セルフケアを行ってそれでも改善してこない場合には鍼灸など、専門家の力を借りることを検討してください。

逆流性食道炎は長期間放置すると食道がんのリスクを高めてしまう疾患の為、長期間の放置は行わず、自力で治す方法も1ヶ月以内で効果がなければ専門家にサポートを依頼してください。

当院での改善をご検討の方は自律神経失調症をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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