起立性調節障害「学校へ行きたい」の言葉の裏側
結論:起立性調節障害以外に不登校の問題を抱えていることがある。
起立性調節障害の子供が「学校へ行きたい」と口にした時、親御さんはどのように対応したほうが良いか迷われる事は多いです。
シンプルに起立性調節障害の症状だけが原因で「学校へ行きたい」のに行けないお子さんもいらっしゃいますので、学校へ行きたいという言葉通りに対応していいのか考えていきましょう。
臨床で多くの起立性調節障害のお子さんと関わらせて頂いていると、「学校へ行きたい」という言葉を口にしていても、実際には起立性調節障害による影響だけでなく不登校の問題を抱えているお子さんも少なくありません。
「学校へ行きたい」と口では言うが体調が良い日でも学校へ行くそぶりを見せないという矛盾した行動をとっている場合には不登校の問題を抱えていることを考慮して接していく方が無難なことが多いです。
親御さんが学校へまた行けるように一生懸命になりすぎてしまうと、不登校のお子さんにやってはいけない登校刺激となって子供を追い詰めてしまうこともありますので注意が必要です。
まずは体調を回復させましょう
起立性調節障害だけが原因で「学校へ行きたい」のに行けないのか?不登校の問題を抱えているのか?の判断は体調が回復して初めて判断することが可能です。
起立性調節障害は何らかのストレスが加わることで誘発されるため、何らかのストレスが身体的な問題によるものであれば、鍼灸を行うことで改善してくることも少なくありません。
身体的なアプローチと生活習慣を整えて体調が回復して来た際に、自然と学校へ行く子供の場合は不登校の問題を抱えていません。
言葉通りの「学校へ行きたい」だったことになります。
元気になっても自然と学校へ行かない子供の場合は不登校の問題を抱えていると考えた方が良いです。
いずれにしても、まずは体調を回復させることを何よりも優先しましょう。
不登校の問題を抱えていても「学校へ行きたい」と口にする
「学校へ行きたい」という言葉を口にする心理的な理由は大きく、自覚できていないパターンと他者からの評価を気にしているパターンの二つがあります。
不登校の心理を自覚できていない
私達は自分の感情をすべて自覚できるわけではありません。特に子供の場合は脳が未発達のため、自分の感情をうまく自覚できないことが多いです。
その為、「学校へ行きたくない」といった感情を自覚できていないことが多いです。不登校の改善が難しい理由は自覚できないので、対処のしようがないことにあります。
実際、不登校に悩むお子さんの大半は「学校へ行きたいのに行けない」という悩みを持っています。
しかし、学校へ行くことができない理由が、自分でもわからず、学校へ行こうとすると身体が動かなくなる、体調不良が出てくるなど、意識レベルでは学校へ行きたいと思っていても、身体がその意志とは逆の動きをしてしまうのです。
他者からの評価を気にしている
「学校へ行きたくない」と自覚できているという点では、少数ではありますが、学校へ行くことが嫌だと自覚できているお子さんもいらっしゃいます。
しかし、素直に「学校へ行きたくない」というと、サボっている、甘えている、ダメな自分、親を心配させるなど、自分の評価が下がることを気にして自分の感情を素直に口にすることができずに、「学校へ行きたい」と口にしていることがあります。
まとめ
起立性調節障害で「学校へ行きたい」という言葉の裏側には不登校の心理が隠れていることが少なくありません。
しかし、起立性調節障害による体調不良だけが原因で学校へ行きたいのに「学校へ行けない」場合もある為、最初はどちらでもよいように、鍼灸を行って自律神経を整えたり生活習慣を見直して体調を回復させることを優先しましょう。
体調が回復してきた段階で、自然に学校に戻る子供は言葉通りだったということですが、学校へ戻れない場合には、不登校の対応が必要になります。
不登校の問題を抱えている場合、ほとんどの場合は「学校へ行きたくない」という感情を自覚できていないお子さんが大半のため、「学校へ行きたい」という言葉そのものは嘘ではありません。
また、「学校へ行きたくない」と自覚できている場合でも、素直にそれを口にすることで他者からの評価が下がることを気にして「学校へ行きたい」と口にしてしまっていることもあります。
当院での改善をご検討の方は起立性調節障害、不登校をご覧ください。
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