2年前から始まったうつ状態により、ほとんど学校へ行けていない10代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
目の前が暗くなって頭が押さえつけられるような感じと、全身のだるさ、めまい、頭痛、肩こり、不眠と嗜眠を繰り返している状態が中学2年生ぐらいからではじめた。現在は高校1年生であるがほとんど学校へは行けていない。

小学校に入学したぐらいから活発だった性格が内向的になり、だんだん元気がなくなって病院ではうつ病との診断が出ている。

目の前が暗くなるような感じがあり、だるくて動くことが出来ない。めまいでふらふらすることもよくある。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
病院ではうつ病との診断ではあるが、体を診させて頂くとうつ病の所見がない為、どうやら自律神経の乱れからくるうつ状態に入っているだけであり、そのほかは自律神経の乱れからくる不定愁訴のようである。自律神経を整えることを中心に施術を開始する。

初回
身体のゆがみを整えて重心を安定させ、首周りの筋肉の緊張をゆるめてから、全身をはりで緩めて施術終了。

2回目(一週間後)
前回の施術後から3日ぐらいはだるさもめまいも楽に過ごせていた。少しだけであるが、目に光が戻ってきているような感じがある。首周りの筋肉の緊張をゆるめて、脳を鎮静化させる療法を行ってから、全身を鍼で緩めて施術終了。

3回目(一週間後)
目の前が暗くなる感じやめまいは3日ほど発生したが、4日間はまったく症状を感じることがなく、頭痛も出なかった。首周りの筋肉の緊張をゆるめて、脳を鎮静化させる療法を行い、全身を鍼で緩めて施術終了。

4回目(一週間後)
午前中にめまいが出る日が3日あったが、午前のみでひどく目の前が暗くなる感じがするという事もなく過ごせていた。今週は1回頭痛が発生した。全身を鍼で緩めて施術終了。

5回目(一週間後)
台風が来た時に体調を崩してしまいそれから、ぐずついたような状態ではあるが、笑顔も見せる為元の状態まで崩れたわけではなさそうである。全身を鍼で緩めて施術終了。

6回目(一週間後)
持ち直してきたようで、目の前が暗くなって若干のめまいを2回ほど感じたが、頭痛もだるさもなく過ごせている。今回から施術間隔を広げる。

回目(二週間後)
一度だけ頭痛が発生したものの、だるさ、めまい、目の前が暗くなる感じなどの症状は感じることがなく過ごせていた。全身を鍼で緩めて施術終了。

8回目(三週間後)
怪しい感じの時はあるが、はっきりと症状を感じることもなく過ごせている。全身を鍼で緩めて施術終了。

9回目(一ヶ月後)
雨が降った日に若干の頭痛が出る程度で、元気に過ごせているとのこと。学校にも行けるようになり、今回で卒業とした。

 

<まとめ>
首肩こりから自律神経が乱れてうつ状態になっていた症例。

うつ病と診断されてはいたのだが、原因が自律神経の乱れによるものの為、うつ病としての対応では良くならなかったと思われる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

起立性調節障害で詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

院長 佐野佑介をフォローする
3.起立性調節障害症例頭痛
スポンサー