腰痛で工場の仕事が辛いと来院された30代男性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>

工場で紙を加工する仕事をしているのだが、社会人になり始めの頃から腰痛を感じるようになり、徐々にひどくなって最近は仕事が辛いレベルになってきてしまったため来院。特に仕事終わりの夕方ぐらいの痛みが辛く、ここ数年年に1回程度ぎっくり腰をやっている。

学生時代にサッカーをやっており、競技をしているときに一度急性腰痛(ぎっくり腰)になったことがあるが、それからぎっくり腰を起こしやすくなった。

その他、肩こりもある。

鍼灸は初めての受診。

腰痛で工場の仕事が辛いと来院された30代男性(浜松市)の症例

 

<施術内容と経過>

夕方ぐらいから腰痛がひどくなること、ぎっくり腰になりやすい、過去にぎっくり腰を行っていることから、筋膜の傷が残ったままになっており、十分に回復しきっていないのではないか?と考えて施術を開始。

腰を診させて頂くと筋肉はそれほど固くなっている感じはなく、むしろ筋肉の固さで言えば肩こりの方が気になるレベル。

痛みを訴えられている場所の筋膜を調べると筋膜の傷が7か所ほど見つけることが出来た。筋膜の自然回復を妨げている要因を探すため、内臓を調べていくと胃に異常反応がある。

初回
痛みを避けるために、骨盤と背骨をゆがませていたためまずはそちらの調整を行うと、それだけで肩こりは楽になり、腰が動かしやすくなったが、腰痛は残る。

筋膜の傷に対して点灸(米粒程度のお灸)を行い、胃の異常反応を解除すると、違和感が残る程度まで腰痛が改善。

2回目
一週間後に来院。週の前半は仕事終わりでもそれほど腰が辛いと感じることなく過ごせていたが、徐々に夕方ぐらいに重だるさと痛みを感じるようになってきたとのこと。骨盤と背骨のゆがみを再び調整し、胃の異常反応解除、筋膜の傷が5か所に減っていた為、残存する傷に点灸を行った。

3回目
この一週間肩こりはほとんど感じなかったとのこと。腰痛は1週間通して比較的楽に過ごせていた。内臓の異常反応が心臓に変わったためそちらを解除。あとは前回と施術内容は同じ。

4回目
仕事終わりに重さはでるが、痛みを感じることはなくなってきたとのこと。筋膜の傷が2か所まで減少。内臓の異常反応がなくなったため、筋膜の傷に対する点灸と骨盤と背骨の微調整を行った。施術間隔を半月に1回へと変更。

5回目
半月の間特別状態が悪くなることもなく過ごせていた。仕事が立て込んでいた日は腰痛を感じることがあったが、翌日にはスッキリしており、引きずることはなかったとのこと。施術内容は同じ。次回を3週1回へと変更。

6回目
ほとんど腰痛を感じることはなくなり、肩こりも楽な状態が維持できている。一月以上間隔をあけてみて、状態が悪くなければ卒業と説明し、施術内容は同じ。筋膜の傷が微妙なものしか触れなくなる。

7回目
腰痛も感じることなく、筋膜や骨盤、背骨のズレなども発生していない為、状態が安定していると判断し、今回で卒業とした。

<まとめ>

筋膜の傷が原因となっていた症例。筋膜が破れてしまうとその際に急激な痛み(いわゆるぎっくり腰)が発生するが、放置するだけで痛みを感じなくなってくる。

しかし、傷が治ったわけではなく、破壊されて弱くなってしまったままになっている為、適切な処置を行わないと再発しやすく、筋肉の出力が十分でない為疲れがたまりやすくなる。

今回は内臓も関係していたため、内臓調整も行ったが筋膜の傷に対して点灸を行うだけでも良い場合がある。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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