突然の家族の不幸のショックから体調不良になり来院された50代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
4カ月前に突然家族に不幸があり、そのショックから不眠、食欲不振、不安感などの症状が出るようになり、体重もどんどん減る一方の為何とかしなくてはとのことで来院した。

ご飯が喉を通っていかない感じで、夜もほとんど眠れていない。昼間は後悔の念や自責の念がわいてきて、悶々と色々と考えてしまうのとほかの家族も失うのではないかという不安感でいっぱいになっているとのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
強烈な精神的ショックから、自律神経が乱れてしまっているようである。身体も全身かなり緊張してしまっていることから、施術でリラックスしやすい状態にしつつも心理的なアプローチを並行して行っていく事とする。

初回
全身調整と内臓調整を行ってから、背骨と首肩を中心にはりを行って全身のこわばりを緩める施術を行った。自分を責めてしまうことでより辛くなってしまっているようなので、失った家族について考えてしまうのをなるべく少なくするための心理療法を行った。食事に関しては喉に通りにくい時の食事の仕方を指導した。

2回目(一週間後)
前回の施術後から、眠剤を飲んでも全く眠れなかったのが眠れるようになったとのこと。食事も少し食べられるようになっている。昼間に一人になると色々と考えてしまうのと、他の家族が悲しんでいる姿を見て苦しくなってしまっている。心理療法を行う。

3回目(一週間後)
前回の施術後から、強い不安感に襲われることがなくなり、軽い不安感が出たりでなかったりという状態。食事も美味しくはないものの食べることが出来ている。薬を飲みながらではあるが夜も眠れている。

4回目(一週間後)
一週間の間に1日だけではあるが一晩ぐっすり眠れた日があったとのこと。不安感も落ち着いてきている為、運動指導を行った。

5回目(二週間後)
食事もとれている為、体重が徐々に増加傾向になってきたとのこと。家族が眠れていないのを見ると色々考えてしまって辛くなってしまっている為、心理療法。

6回目(二週間後)
食事も睡眠も不安感も落ち着いており、体調は良い状態で過ごせていた。話をしていて若干、無感情になっている感じがある為、次回まで状態が安定していれば一時的に無視してもらっていた勘定の処理を行っていく事とする。

7回目(二週間後)
常態はまずまず安定している。無感情になっていないか自覚を確認したところ、無感情になっていたため封じ込めている感情を引き出して処理する心理セッションを行った。

8回目(三週間後)
前回よりも無感情は改善してきたがそれによって、再び自責の念が強くなっていたため感情を引き出して心理療法を行った。

9回目(一ヶ月後)
体調も良い状態で安定している為、今回で卒業とした。

<まとめ>
心理的ショックが大きく影響して自律神経が乱れていた症例。幼少期に心理的成長を十分に行える環境ではなかったことも影響して必要以上に自分自身を責めてしまったり、周囲の人の苦しみまで背負い込もうとしてストレス過多になっていたため、施術である程度体調が改善してからは心理療法を中心に行っていった。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

自律神経の症状改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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