3カ月前に過呼吸発作を起こし、息苦しさ、動悸、不眠のパニック障害で来院された40代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
3ヶ月ぐらい前に初めて過呼吸を起こして動けなくなった。その後から息苦しさ、動悸が出るようになり、いつ出るのか不安な状態で過ごしていた。病院へ行って薬も服薬しているがあまり改善せず、先週ぐらいから夜になると怖くなってしまいその影響で眠れない為来院した。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
パニック発作はそれほど頻繁に起こしているわけではないが、夜になると怖くなるという症状は脳内のセロトニン量の低下と関係がありそうである。自律神経を整えるという観点からは昼夜逆転はあまり良くないのだが、睡眠時間の確保を優先させて施術していく事とする。

初回
首こりの改善を目的に、全身調整をおこなう。施術後、息苦しさと動悸は消失。昼寝で睡眠時間を補うよう睡眠指導を行う。

2回目(一週間後)
夜になると怖いのは継続しているが、息苦しさと動悸は前回の施術後からはほとんど出なくなり、過呼吸も起こしていない。夜に怖くなる際に不安なことが頭でぐるぐる回ってしまっているとのことなので、心理療法を追加。全身調整。

3回目(一週間後)
夜になると再び怖いという感じは出るが、そのまま眠ることが出来るようになってきている。動悸、息苦しさ、過呼吸は出ていない。心理療法と全身調整。

4回目(一週間後)
夜になっても怖いという感情が軽く出る程度で、睡眠もとれている。全身調整。

5回目(二週間後)
夜に怖いという感情がわいてくることはなくなっているが、2日間だけなぜか寝つきが悪かった日があった。自律神経症状は出ていない。

6回目(二週間後)
夜もぐっすり眠れており、しっかり眠れているので朝起きた時にこんなに眠って大丈夫かという心配をしてしまう程とのこと。体調は良く過ごせている。

7回目(一ヶ月後)
自律神経症状も睡眠も問題ないため、今回で卒業とした。

<まとめ>
心配事を頭の中で何度も考えてしまう反芻思考の癖があり、そのストレスからパニック障害を発症したと思われる症例。

こういった症例の場合は、心理療法で反芻思考をしないような訓練をすると非常に効果が高く、仮に肉体に対する施術のみの改善で症状が改善されたとしても、再発リスクが高いままなので心理療法を合わせて行っていく事が重要になってくる。

提案通りの通院をして頂けたので、再発予防までしっかりと出来た症例。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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