動悸、息苦しさ、胸の違和感、不安感といったパニック障害で来院された30代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
20代の時に一度パニック障害の症状に悩まされたことがあるのだが、その際は心療内科を受診し薬を飲んでいるうちに改善した。
2,3カ月前ぐらいから同じような症状が再び出るようになったため、心療内科を受診して服薬を開始したのだが、今回はあまり改善が見られず、その状態が1ヶ月以上も継続している為、当院を来院した。

職場のストレスが原因だと思い、最近転職を行った。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
呼吸がかなり早くなっており、呼吸法の指導が必要な為施術である程度リラックスできる状態を作ってから呼吸法の指導を行う。不安感は漠然とした不安があるという感じよりも、このままだったらどうしようという症状からくる不安感の方が主体であるため、パニック障害からくる感情障害とは別物として考えたほうが良いかもしれない。

初回
手足へのはりで全身調整を行い、首の筋肉が緩むのを確認。背中の筋肉を全体的に緩めたうえで起きてもらうと、動悸と胸の違和感は消失し、不安感も軽くなっていた。呼吸法の指導を行ってしばらく一緒に呼吸法をしていると息苦しさも消失した。

2回目(一週間後)
前回の施術後から、時折、動悸は出るが、胸の違和感や息苦しさは出ていない。不安感もパニックになることを想像さえしなけれ全然出ていないとのこと。

3回目(一週間後)
パニック発作もなく体調良く過ごせている。新しい職場が聞いていた環境と異なり、そのことで感情が不安定になってはいるものの、不安感に包まれてどうしようもなくなるという状態ではない。

4回目(一週間後)
体調良く過ごせている。今回から施術間隔をあけて様子を見ていく。

5回目(二週間後)
持病の喘息からくる咳が出ていた時期があったが、吸入で落ち着いた。それ以外は不安感も動悸もなく過ごせている。

6回目(二週間後)
生理期間に、動悸が出たが整理期間中の水分摂取量が不十分だと思われるため、対策として水分摂取を指導。生理以外では体調良かったとのこと。

7回目(一ヶ月後)
パニック症状は問題なく過ごせている、卒業の提案をしたが、もう一ヶ月だけ続けたいとのことで来月もう一度。

8回目(一ヶ月後)
問題なく過ごせており、本人も自信がついたため、今回で卒業とした。

 

<まとめ>
直接的な原因は転職を行ったという環境変化によるストレスが引き金になったのではないかと思われる症例。

パニック発作自体は1回目の施術以降は軽いものはあっても、凄く辛いというレベルのものは起きていなかったので、重症度で言えば比較的軽度のパニック障害ではないかと思われる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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