夏休み明けぐらいから頭痛で朝起きられなくなった起立性調節障害疑いの中1男子(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
夏休み明けの2週間ほど前から、おでこを中心に頭痛が出るようになり来院。朝、特に頭痛が酷く午後になるにしたがって頭痛症状が軽くはなるものの、ずっと頭痛が続いている。

冷やすと幾分痛みがまぎれる為、アイスノンで額を冷やした状態で来院した。

頭痛で何もできなくなっている為、頭痛だけでもなんとかなればとのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
おでこのあたりの頭痛は、何らかのストレスを我慢しているときに頻繁にみられる症状であり、痛みの感じ方も緊張型頭痛のような締め付けられるような痛みが出ている。

初回
頭痛であまり話せる状態でもなく、経過だけを聞いて前頭部の筋肉を緩める施術を行った。施術後の変化は特別なかった。

2回目(一週間後)
初回の施術が終わった日の夜から頭痛が軽くなり始め、この一週間はだいぶ楽に過ごせたとのこと。話が出来るようになったため、詳しいカウンセリングを行ったが、朝起きられてもぼーっとしてしまう状態で、頭が働かず、だるさと、気力のなさもあるとのこと。

3回目(一週間後)
頭痛は改善しているが、頭がぼーっとして働かないという起立性調節障害にみられる症状が継続している。起きる時間も登校に間に合う時間には起きることが出来ない。

4回目(一週間後)
頭痛は完全に出なくなり、頭がぼーっとする感じも少し改善してきた。

5回目(二週間後)
体調はかなり良くなり、起きてからは意欲も出て、だるさやぼーっとする感じ、意欲がないなどもなくなってきている。しかし、話を聞くと学校へなぜか行けないとのこと、午後の遅い時間からでもすすめてみるが、学校の話をすると緊張状態に入るようで、不登校の心理的な問題と同じ状態があるのではないかと思われる。

6回目(三週間後)
体調は良いが、朝は起きられない。担任の先生との面談をお母さんとはいけたが、自分ひとりだけでプリントをもらいに行った時に、校門で身体が動かなくなって行く事が出来なかったとのこと。不登校の心理が裏にあるということがある程度確定していたため、不登校の専門家であるスクールカウンセラーさんに相談するように親御さんにお話をした。

7回目(一ヶ月後)
体調にはほとんど問題がなく元気に過ごすことは出来ているが、不登校の状況は現在も続いている。身体的な症状はすべて改善しており、肉体的にサポートすることはないため、不登校の解決についてはスクールカウンセラーと徐々に進めてもらう方向で、今回で卒業とした。

<まとめ>
起立性調節障害を持たれている子供の中には、不登校の心理からストレスを受けているケースが少なくない。起立性調節障害は紛れもない病気であるが、すべての症状が病気により引き起こされている症状というわけではないことを再確認した症例。

20歳未満では脳が完成していない為、ストレスを正確に認識することが出来ないことも多く、いじめや勉強についていけないなど具体的な理由や問題がなくても、自分でもなぜ学校へ行くことが出来ないのかわからないという、不登校の心理に悩まされることも多い。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

起立性調節障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

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