人が多い場所で息苦しさ、動悸、不安感が強くなるパニック障害で来院された30代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
20代の時に一度不安感、動悸、息苦しさなどの症状が出て、パニック障害と診断されており、その時は投薬治療や時間経過で自然に改善したのだが、最近になりまた同じような症状が出るようになり、病院を受診したが投薬の効果が得られない為、当院へ来院された。

不安感がかなり強く人が多い場所などに行くと、息苦しさ、動悸、不安感が強く出るとのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

 

<施術内容と経過>
呼吸がかなり早く軽度の過呼吸状態が慢性化している為、呼吸の指導が必要と判断。胸式呼吸を行っている為、上半身の筋肉のこわばりと首こりが強いため鍼灸施術は上半身の筋肉を緩めることを中心に行った。

初回
来院時に軽度の過呼吸状態で息苦しさを訴えていたため、呼吸法を指導したところ、その場で息苦しさが改善。より楽に呼吸が出来るように、姿勢の改善と、首周りの筋肉を緩めた。

2回目(一週間後)
旦那さんと自転車で出かけることがあり、出先で頭に不安がよぎってパニックになりかかったが指導した呼吸法を行ったところひどくならずに済んだとのこと。日常での不安感や息苦しさは減っている。同じように姿勢改善と首周りの筋肉を緩める。

3回目(一週間後)
少しだけ不安になることはあったが、息苦しさや動悸はかなり減っており、不安になっても呼吸法を行えば落ち着く状態でコントロールできている。(施術内容同じ)

4回目(一週間後)
1日だけ若干怪しい日はあったものの、数分ぐらい軽い不安感に襲われる程度で、体調良く過ごせていたとのこと。(施術内容同じ)

5回目(二週間後)
心理的ストレスがかかることがプライベートであり、その影響でかなり気分が落ち込んでしまっており、不安感なども強くなっている。前回までと同じ施術を行ったうえで、ストレスに対しては心理療法を加える。

6回目(二週間後)
再就職先が決まって、社会生活に復帰している。身体を診たところ少し強めの負荷がかかっている感じがあるので、頑張りすぎないように心理療法も加える。

7回目(三週間後)
職場トラブルでストレスが多少かかってはいるが、不安感、動悸、息苦しさなどは、それほど感じることもなく過ごせていたとのこと。首こりが戻ってきているなど、身体所見があまり良くない為、1か月後に再度来院してもらう。

8回目(一ヶ月後)
職場トラブルも話し合いで円満に行けたため、ストレスも大きいものがかからず、前回戻ってきていた首こりも出ていなかった。状態も落ち着いていたため、今回で卒業とした。

 

<まとめ>
生まれ持った性格が一般的な組織の中で生活することに対して強いストレスを感じやすいタイプの方だったため、身体的な改善と並行して心理療法を多く必要とした症例
自分と周りの価値観のずれに気づくことが出来るようになってきたことでストレスのコントロールがしやすくなり、状態が安定した。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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