就活ストレスからパニック障害になり不安感で来院された40代女性(袋井市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>

半年前に就職活動をしていたが、なかなか決まらずそのストレスからか、動悸を感じるようになり循環器科を受診したが特別原因が見当たらず、心療内科を紹介されて現在はそちらに通院している。

4ヶ月前ぐらいからは、さらに症状がひどくなり、特別な理由もないのに不安感が出てくるようになったり、全身に悪寒のような何かが走るようなぞわぞわしている感覚が出るようになり、家に引きこもるようになった。

3ヶ月ぐらい前からは、特別なにもないのに動悸、胸苦しい、不安感などが寝ているとき以外、常に出るようになった。

家事も一切できず、1日をほぼ寝て過ごす状態の為実家に戻って療養しているが、旦那や子供の世話ができないから何とかし

て元の生活に戻りたいとのことで来院した。

鍼灸は今回初めての受診である。

パニック障害による不安感で来院された40代女性(袋井市)の症例

<施術内容と経過>

カウンセリングをしている最中から常に体をゆすっていないと自分を保っていることが難しい状態で、とにかく不安感や恐怖感が強いようで、会話がとまってしまう状態であった。

とにかくまずは脳の異常興奮を鎮めて、カウンセリングがまともに行える状態になって頂く必要がある為、脳の興奮を鎮める処置を行った。

2回目の来院時には、常に体をゆすっていたのが話の内容によって体をゆすったり、止まったりと脳の興奮がある程度治まってきていたため、カウンセリングを行いながら脳の興奮を鎮める施術を繰り返す。

3回目の来院時には体をゆすらなくても会話が普通にできるようになったため、カウンセリングで色々と聞いていくと、自分を責める傾向が強いことがわかり、その必要がないことを伝える。

4回目の来院時はだいぶ表情もよくなり、良くなったら家族でファミリーレストランへ行きたいという希望まで話をしてくれるようになった。

5回目の来院時には、前回の施術の帰り道に100円均一に寄って買い物に挑戦し、無事にできたとのことでとても喜んだ様子。動悸、不安感、恐怖感、体の中のぞわぞわした感じはまだでるが、常ではなく、体調が悪い時だけになってきていると報告を受ける。

6回目の来院時は調子が良い日に家族でファミリーレストランへ行ってきたとのことで、楽しく食事をできたと報告を受ける。実家で療養中であるが、自宅に戻って療養したいと相談を受けた為、完全に戻らず、週のうち何日か自宅で過ごすところから始めてみるよう提案。

7回目の来院時は完全に自宅で生活できるようになっており、実家には週末ご飯を食べに行く程度で家事もこなしていると報告を受ける。時々辛い時はあるが7~8割ぐらいは調子よく過ごせているとのこと。

8回目の来院時に突然調子が悪くなっており、話を聞くと再び就職活動をしようと思い求人誌をみるようになってから、不安感が強くなってきてしまった。施術後不安感は出なくなっていたため急に心に負担がかかったことが原因と考えられる。

その後徐々に心に負荷をかけながら、施術を繰り返していったが13回施術を行ったところで状態が安定したため卒業とした。

<まとめ>

パニック障害に自律神経の乱れが重なった症例であり、肉体的な問題と心理的な問題に同時にアプローチしていく必要があった症例。

パニック障害からの社会復帰は少しゆっくり目に行っていかないと今回のように急に心に負担がかかりすぎて症状をぶり返すことがある。

注意が必要ではあるが早く社会に戻りたいという気持ちが焦りにつながってしまい余計に社会復帰を遅らせるという悪循環が生まれる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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