不安障害について
普通の生活をしていても、不安を感じることは誰しもあります。学校、仕事、引っ越し、転職、結婚、離婚、介護、死別、事故、人間関係、お金など、不安を引き起こす人生のイベントはいくつもあります。
人は誰しも多かれ少なかれ不安を感じながら生きています。適度な不安は、私達をより思慮深く、慎重にさせ、計画性をもった行動を促します。軽率な行動による損害を最小限に抑えることが不安という感情の本来の役割です。
しかし、この不安が行き過ぎると「不安障害」と呼ばれる状態になります。
不安障害になると、感情的な症状と自律神経的な症状が現れ、日常生活に影響が出てきます。
感情面における不安障害の症状
・原因不明の不安感や恐怖感によって、落ち着いていられない。
・近所のコンビニに行くにも不安を感じてしまい行動に制限を受ける。
・渋滞や公共交通機関など、自由が効かない状況に不安感や恐怖感が強く出る為、外出できない。
・過去に恐怖を感じた出来事に似た出来事や条件がそろうと不安感や恐怖が強く出る。
・症状が出ていなくても、またなるのではないか?という恐怖から行動が制限される。
・やる気や気力がわかない。
自律神経的な不安障害による症状
・息苦しさ、窒息感を感じ、過換気症候群(過呼吸)になる。
・動悸や胸苦しさで動けなくなり、死ぬのではないかという恐怖を感じる。
・手足や全身の発汗が止められなくなり、人目が気になって引きこもりがちになる。
・吐きそうになる、気持ち悪くなる、胃腸の調子が悪いなど、消化器を中心とした症状
・一時的なめまいなど、平衡感覚を中心とした症状
・肩こりや腰痛がひどくなり、手足などの一時的なしびれがでる。
・寝入りにくくなる、眠りが浅く慢性的に疲れている。
・全身倦怠感、うつ状態、無気力で、活動量が減る。
・少し体を動かしただけで、息が上がる。疲れやすい。
不安障害は大きく5つに分類されます。
分類方法によって多少の差はありますが、不安障害には以下の5つに分類することが出来ます。(リンクからさらに詳しい解説ページへジャンプします。)しかし、臨床的にはパニック障害と全般性不安障害が混じった症状の方が多く、教科書通りの明確な区別が難しいことも少なくありません。