ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。
動悸で病院を受診して心電図をとっても異常がない、それでも辛い動悸に悩まされると本当は心臓に何か問題があるのではないのか?何か見落とされているのではないか?と不安になりますよね。
今回は心臓に問題がある時の動悸と自律神経に問題があって起こる動悸の違いについて一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。
結論:心臓に負担をかけた時(運動時)にだけ動悸が強くなる場合はホルター心電図で詳しい検査を受けましょう。
動悸は自律神経失調症、パニック障害の他にも、心疾患(心臓の病気)、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患でも出てくる症状なので、除外診断が重要になります。
内分泌疾患の場合は血液検査ですぐわかるのですが、自律神経失調症、パニック障害と心疾患を確実に見分けるには、動悸が起きている時の心電図が必要になってきます。
過去に来院されていた方で、病院の循環器科でも何度も診断を受けて正常といわれていたのですが、施術後の経過の不自然さから心疾患が怪しいと疑い、ホルター心電図(24時間の心電図)をつけて動悸を誘発することをしてもらうたところ、心臓に異常が見つかったケースがあります。
心臓に疾患がある可能性が高い方は、労作時(心臓に負担がかかったタイミング)で症状が出やすいことが特徴的なため、動悸が出るタイミングを観察することで、自律神経系の問題なのか、心疾患の可能性が高いのかを見分ける判断材料にすることができます。
心臓由来の動悸なのか自律神経由来の動悸なのか?
前述したとおり、心臓由来の動悸は身体を動かして運動しているときに不整脈が発生して、動悸が出てくることが特徴的です。
不整脈として突然心拍数が急上昇する場合もありますが、自律神経系の問題(セロトニン不足)を伴わない為、また動悸が起きたらどうしようなど、不安を伴わず、動悸が起きることで行動が制限されることの方を問題視される方が多いです。
自律神経由来の動悸は身体を動かしていない時でも発生しますが、緊張する場面に多く出やすくなります。
また、自律神経を整えるセロトニン不足が根底にある為、同じくセロトニン不足で起こる不安感が強く出やすい傾向があります。
動悸が起きたらどうしようといった予期不安を伴うことが多いです。
安静時に動悸がする場合は自律神経由来を疑う
座っていたり、運転していたり、横になっていたりなど、安静時に動悸が発生する方の多くは自律神経に由来する動悸のことが多いです。
また、眠る直前や起きた直後、食後など交感神経と副交感神経の入れ替わりが発生する時間帯に動悸が出る方や動悸が出るのではないか?と不安になる方も、自律神経由来の動悸の可能性が高くなります。
自律神経は安心感を感じさせるセロトニンにより調節を受けているため、セロトニンの不足は自律神経の乱れだけでなく、不安感、恐怖感や気分の落ち込みなどを誘発することがあります。
イレギュラーな不整脈でも安静時に動悸が起こることがありますが、不安症状を伴わない場合もあります。
起立性の動悸は自律神経由来・心臓由来なのかが見分けにくい
自律神経の調節の問題で立ち上がった際に血圧の調節の為に動悸がするのは自律神経由来と心疾患由来との見分けがつきにくい症状です。
運動時には問題ない場合には自律神経由来と判断しますが、運動して心拍数が上がっているだけを動悸として自覚してしまうようになるとどちらかなのかがはっきりしずらくなります。
しかし、心臓由来の動悸の場合は心臓に負担がかかる為、動悸を起こした後はちょっと動いただけでもすぐに苦しくなるといった具合になりやすくなります。
労作時(運動時)に動悸が誘発されませんか?
心臓由来の動悸は心臓に負担がかかった運動時に心拍数が急激に上がってしまうことで発生する動悸が多く、その場合には動悸をしているタイミングの心電図をホルター心電図でとらえることができれば異常がわかります。
しかし、安静時の心電図では何も症状が出ないこともある為、ホルター心電図で24時間心電図をとってその間に動悸が発生する必要があります。
ホルター心電図をつけている間に動悸が起こっていなければ、心臓の異常が見つけられない為、頻発しているタイミングを狙ってホルター心電図による検査を行うことが大切です。
検査を受けても正常と診断されても、ホルター心電図検査を受けているときに動悸が出ていない場合には、適切な検査が出来ていないので、検査を何度も繰り返す必要があります。
ホルター心電図をつけて生活している間に、動悸を感じていたのに正常と診断された場合は自律神経由来の動悸であると確定することができます。
心臓由来と自律神経由来が併発する
心臓由来の不整脈(動悸)から、死を連想してそのストレスから自律神経も乱れていって自律神経由来の動悸も併発してしまうケースというのも存在します。
その場合は心臓の治療を終えてから自律神経由来の動悸を改善していく必要があります。
不整脈の治療がうまくいっているのに、動悸がおさまらない場合には動悸の恐怖のストレスから自律神経が乱されて自律神経由来の動悸が出てきているため、自律神経を対象とした治療が必要になってきます。
まとめ
辛い動悸を感じているのに心電図では正常と診断されると、見落とされているのではないかと思ってしまう方は多くいらっしゃいます。
基本的に心電図で異常が見つけられず、不安になりやすくなっておらず、体を動かした時にだけ、動悸がでてくるという状態でなければ診断としては正しいことが多いです。
立ち上がった時の動悸は心臓の問題か自律神経の問題なのかを見分けることが難しくなります。
心電図で正常と言われていても体を動かした時にだけ動悸がするようであればホルター心電図で動悸がしている時の心電図を調べる必要があります。
動悸がしている時の心電図でも異常がなければ基本的には自律神経由来の動悸なので、自律神経を整えていく治療が有効になります。
心臓由来の動悸から、自律神経由来の動悸が誘発されることもあるため、心臓の治療がうまくいっても動悸が継続する場合には自律神経の治療もおこなっていくことが大切です。
当院での改善をご検討の方は自律神経失調症、動悸をご覧ください。
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