
こんにちは、浜松市はりを刺さない鍼灸師の佐野です。
朝なかなか起きられない、立ち眩みがひどい、少し動いただけで動悸がする、午前中が調子が悪い、心拍が簡単に上がって動悸がする。起立性調節障害の症状ですが、大人で発症した場合には起立不耐症と呼ばれます。
同じ症状ではありますが、起立性調節障害は基本的には小児科領域で用いられる診断名で、大人になると脳神経内科、循環器内科で診断を受けることになる為、同じ疾患が異なる診断名を付けられる疾患です。
今回は大人の起立性調節障害である起立不耐症について一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までご一読ください。
結論:起立性調節障害と同じ改善法が利用できる
起立不耐症(OI)も元々同じ疾患の診断名が異なるだけなので起立性調節障害と同じ改善法が利用できることが多いです。
起立性調節障害と大きく異なる点は、身長が急激に伸びるなど身体の急激な成長に自律神経や心肺機能がついていかないことで起立性調節障害が発症してくることがない点です。起立不耐症の場合については急激に身長が伸びるなどが原因になることがありません。
急激な身体の成長を考慮しなくていいという点では、原因を絞り込みやすい一方、急激な身体の成長による原因ではない為、心肺機能や自律神経系の成長に伴って時間経過で改善してくるということも期待しずらい疾患になります。
ただ単に、自然に良くなるまで身体が成長するのを待つという起立性調節障害で良く用いられるアプローチ方法が使えないことを意味します。
そういう点では起立不耐症の方が、積極的に原因を見つけてアプローチしていかなくては改善していかない可能性が高い疾患と言えます。
強い身体ストレスを受けませんでしたか?
当院へも起立不耐症の症状で来院されている方がいますが、熱中症で倒れた後から症状が出てきたり、元々長時間労働で睡眠時間が短い、無理なダイエットなどの特徴があります。
身体的にしかも全身に非常に強い身体ストレスを受け続けた後から、自律神経の機能が十分に戻らなくなり、起立不耐症を発症している可能性が考えられます。
起立性調節障害の子供も発症のきっかけが熱中症になった後からという症例は比較的多いです。
外傷などであれば傷口がふさがったなど、身体ストレスがどの程度回復しているのが把握しやすいのですが、熱中症から身体がどの程度元の水準まで回復しているのか?睡眠負債がどの程度回復しているのか?はかなり評価が難しいです。
その為、長期間かけて身体ストレスによって受けたダメージに対するケアを継続していくことが重要になります。
熱中症の症状が治まったから治ったわけではありませんし、睡眠負債も眠気を感じないからないわけでもありません。
きっかけとなった身体ストレスによって受けたダメージの回復を考えていくことが大切です。
全身の細胞がダメージを受けた場合の回復がゆっくりになる
熱中症や長期間の睡眠不足など、全身の細胞がダメージを受けた場合の回復は非常にゆっくりになる傾向があります。
その理由は細胞内で代謝して修復を行う為に必要な、水、栄養、酸素など必要な物質を届けて、不要になったゴミを回収する、栄養を細胞が利用できる状態まで消化・吸収するなどのインフラに関わる細胞もダメージを受けてしまっているからです。
建物を修復する時に、道路が寸断されていたり、原材料が手に入らなかったり、原材料を加工する工場が機能していないと、なかなか建物の修理が進まないのと同じです。
効率的に改善する為には、最初はインフラの回復に集中することが大切ですが、人の身体は生命の危険に対して優先順位をつけて体を守ろうとする仕組みはあるのですが、効率的に回復するために優先順位をつけて回復を促していくという仕組みを持っていません。
その為、十分な休息自体はとても重要なのですが、インフラが壊れている分、休んでいる期間の長さのわりになかなか症状が改善してこない回復速度がゆっくりといったことが起ってきてしまいます。
しかし、療養をしっかりと行っていれば、回復していないわけではなくゆっくりではあるもののインフラを少しずつ治しながら、細胞も少しずつ回復させながらといった感じで、全体的に平均して回復に必要な資源を分配して修復していこうとします。
時間にゆとりがあり、経済的にも困らないのであれば仕事も休んで長期間ゆっくり療養ということが可能であれば、積極的な治療ではなくゆっくり何年も時間をかけて療養をすることも有効な方法の一つと言えます。
細胞の修復資源をインフラに集中
そこまで時間的なゆとりや経済的なゆとりがある人の方が普通は稀ですから、その為に医学的なアプローチによってインフラを整備し直して回復の為の選択と集中が必要になります。
起立不耐症の場合、回復の為のインフラの整備は消化吸収と睡眠の質の向上、そして脳への血流がとても重要になります。
胃腸の動きを良くしたり、胃腸への血流を上げることで消化・吸収が行われやすくすること、腸内環境を整えることで身体の修復に必要な栄養を腸内細菌に生産してもらうことをスムーズにしていくことが大切です。
その為には、胃腸への血流が下がっている場合には胃腸の血流を増大させるような鍼や整体を行う。
胃腸の働きを促すように自律神経(副交感神経)を刺激して胃腸の動きをよくする。
そして、腸内環境を整えることと体に必要な栄養素をしっかりと食事から摂取することが必要になります。
また、副交感神経を刺激し、睡眠を妨げるような原因を取り除き全身の細胞が休息しやすい状態を作り出します。
そのうえで、血圧を調整する脳への血流を改善するように首周辺の深部の筋肉を緩めて脳血流を増大するアプローチを行うことで、ある程度のインフラ整備が完了します。
あとはその整えられたインフラを維持しながら、十分な休息をとることで細胞が代謝することで自己を修復していきます。
徐々に機能が回復してくるのを待つことで、起立不耐症の症状の改善が期待できます。
全身の細胞にダメージを与えるようなストレスは厳禁
熱中症、睡眠不足、極端な食事制限など、全身の細胞にダメージを与えるような身体ストレスは回復の期間中は行わないように管理をしっかりと行うことが重要です。
体調が良くなりかけてきたぐらいに再び無理をしてしまう方が多いため、体調そのものが回復してからも1年ぐらいは生活習慣を積極的に管理していくことが大切になります。
まとめ
大人で起立性調節障害になった場合には、診断する科の違いから起立性不耐症と診断されることが多いですが、基本的には起立性調節障害と同じアプローチ法が有効です。
しかし、起立性調節障害の場合は原因が身長が急激に伸びたなど、成長に伴う身体の変化が原因になりますが、大人の場合は身長が急激に伸びることはない為、成長に伴う身体の変化が原因になることはありません。
その為、自律神経系や心肺機能が成長するまで待つことで自然に回復するのを待つというアプローチは効果が期待できません。
起立性不耐症は発症のきっかけが、熱中症、長期間の睡眠不足、過労、極端な食事制限など全身の細胞にダメージを与えるようなストレスが加わった結果発症することが多い疾患です。
その為、全身の細胞のダメージを回復させることが改善に必要になりますが、細胞が修復されるのに必要な原材料を消化吸収する胃腸の細胞もダメージを受けている場合もあり、インフラから整備し直すことが大切になります。
鍼灸や整体で胃腸の調子を整え、睡眠の質を向上、脳血流を増やすなどのインフラ整備を手伝ったうえで、十分な休息によって回復してくることが期待できます。
十分な休息は回復には不可欠なので、回復してきても無理は禁物です。
当院での改善をご検討の方は自律神経失調症、起立性調節障害をご覧ください。
遠方で来院が難しいけれど、起立性不耐症について相談したい方はオンラインカウンセリングをご利用ください。