パニック発作のときに「大丈夫」と自分に言うのは逆効果?焦りを鎮める正しい対処法

ブログをご覧いただきありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。

パニック発作が起こりそうになると、不安感を和らげるために自分へ「大丈夫、大丈夫」と声をかけていませんか?もちろんそれで落ち着く場合は問題ありませんが、かえって焦りが強くなって辛くなってしまうことも少なくありません。

今回は、パニック発作中や起こりかけのときに、無理に「大丈夫」と思おうとしなくていい理由について、一緒に考えていきたいと思います。ぜひ最後までお読みください。

強引に「大丈夫」と思い込もうとして失敗していませんか?

パニック発作を鎮めるために自分に「大丈夫、大丈夫」と声をかけて、そのまま静まっていけば問題ありません。

しかし、そう簡単には落ち着かず、かえって焦って辛くなってしまうことがあります。

パニック発作は、交感神経の急激な過剰興奮が原因で引き起こされる症状です。そのため、交感神経を鎮めることができれば発作は自然と鎮静化していきます。

しかし、心のメカニズム的に、本当に大丈夫ではないときに「大丈夫!」と言われても、心が納得することはまずありません。

「大丈夫、大丈夫」で落ち着けるのは本当に大丈夫なときだけで、そうではないときに「大丈夫!」と声をかけると、脳が「そんなわけない!」とかえって反発してしまい、結果的に交感神経をさらに刺激してしまうことになります。

※なお、パニック発作には「体調不良から起こる場合」と「感情の変化がきっかけになる場合」の2つがあり、後者の場合は今回ご紹介するメンタルコントロールが非常によく効きます。

リラックスしてパニック発作を回避するメンタルコントロール

感情の変化がきっかけのパニック発作の回避法は、「パニック発作になってはいけない」と強烈に禁止しないことです。

私たちは、何かを強く禁止されると身体的には交感神経が優位になりやすく、その結果として緊張しやすくなります。

パニック発作は非常に辛いものなので避けたい気持ちはよく分かります。

しかし、パニック発作を起こさないように、パニック発作を避けようとすればするほど(発作を禁止すればするほど)、交感神経が刺激されて余計にパニック発作が起こりやすくなってしまうのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

感情のなだめ方の基本は「共感」

私たちの脳は、子どもの脳の上に大人の脳が後から発達して完成していきます。そのため、子どもの感情をなだめる手法は、大人になった自分を落ち着かせるのにも非常に有効です。

例えば、小さな子どもが転んで泣いている場面を想像してみてください。

転んで泣いている子どもに「足元をちゃんと見ないから転ぶんだよ!」とか「足元気をつけようね」と正論をぶつけても、余計に泣き叫んでひどいことになりますよね。

子どもをなだめるときは、その子が感じている感情をそのまま受け止めてあげるのが有効です。

「痛かったね〜」 「怖かったね〜」

このように子どもの感情を言語化して共感してあげると、子どもは「わかってもらえた」と安心し、自然と落ち着きやすくなります。

大人の脳も基本的には同じ仕組みを持っています。パニック発作が起こりかかっているとき、脳が「わかってもらえた」と安心して落ち着ける言葉があるはずです。

それは「大丈夫!」という励ましではなく、「不安だよね」「怖いよね」「苦しいよね」という言葉であることが少なくありません。

自分の辛さをそのままわかってもらえたと脳が認識すると、感情は自然と落ち着いていきます。

「わかってもらえた」と感じる適切な言葉選び

私たちの脳は言語で思考するため、適切な言葉を選ぶことがとても重要です。

自分の感じている感情を「そうそう、そうなの」と適切に言語化できると、より感情は静まりやすくなります。

その言葉を見つけるためには、パニック発作が起こりそうなときにいろいろな言葉を自分にかけてみて、「自分の脳がどの言葉に一番反応するか」を調べてみることが大切です。

常に正解が一つというわけではありません。

「自分はこの言葉をかけると落ち着きやすい」という、いわば自分用の安心ワードリストを作っておくことをおすすめします。

少し荒っぽいが強力な逆説志向という心理手法

自分を落ち着かせるワードリストがうまく作れないという方は、ちょっと荒っぽい手法ですが、逆説志向という心理手法も有効です。

逆説志向(paradoxical intention)とは、「パニック発作」を、あえて「パニック発作が起これ」「もっと苦しくなって倒れちゃえ」とあえて望む(志向する)ことで、緊張を軽くする心理療法です。

パニック発作の苦しさを知っている方からすると、狂気の沙汰と思われるかもしれませんが、そう思えなくてもいいので自分に「もっと苦しくなってこのまま倒れて病院に運ばれちゃっていいよ」「心臓もっとドキドキさせてガチガチに緊張しよう」「もっともっと緊張して」といったふうに、パニック発作を積極的に受け入れていくように自分に声掛けしていきます。

これが結果的に前述した「パニック発作の禁止」をパニック発作の許可に切り替えることになるため、かえって落ち着きやすくなっていくのです。

まとめ

パニック発作を鎮めるために無理に「大丈夫」と自分を落ち着かせようとすると、それがパニック発作の禁止になってしまい、かえってパニック発作を加速させてしまいやすくなる場合があります。

パニック発作が起こりかかって、感じている不安や恐怖、身体的な辛さに共感してあげることができると、脳がわかってもらえたと安心してリラックスモードに切り替えやすくなります。

的確な言葉をチョイスすることがコツですが、うまく自分が共感してもらって落ち着くキーワードが見つけられない場合には、逆説志向という荒療治も有効な場合があります。

パニック発作を起こしてもいい、もっと緊張して苦しくなっていいと、パニック発作を許可してあげることで、リラックスモードに切り替えやすくする心理手法です。

当院では鍼灸施術で身体的なリラックスモードに切り替えるお手伝いだけではなく、このような実践的な心理手法も学んでいただくことで、パニック症の改善・予防のお手伝いを行っています。

当院での改善をご検討の方はパニック障害をご覧ください。

遠方で来院が難しいけれど、カウンセリングを受けたいという方はオンラインカウンセリングをご利用ください。

心身堂鍼灸院院長
この記事を書いた人
鍼灸師 佐野 佑介

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経・メンタル専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
パニック障害、広場恐怖症、うつ病などの精神疾患領域と起立性調節障害、機能性ディスペプシア、眩暈などの自律神経疾患の専門の鍼灸師。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

鍼灸師 佐野 佑介をフォローする
パニック障害