1年半前から続く前頭部のズキズキとした緊張型頭痛で来院された9歳女児(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
1年半前から前頭部(おでこ)を中心に頭痛を訴えるようになり、学校へは行けているものの毎日頭痛が出ている。病院を受診してカロナールなどを処方してもらってはいるのだが薬を飲むと若干和らぐ程度で、一向に改善しない為、薬を飲ませ続けることにも抵抗があり、来院した。

頭痛に拍動性はなく、主に締め付けられるようなズキズキとした痛みで緊張型頭痛を思わせる。小児科でも緊張型頭痛との診断。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
触診をして全身を調べていくと9歳にしては骨盤から背骨にかけての筋肉の緊張が強く、頸椎2番を中心に首にも強い凝りがある。まずは、これらの異常な筋肉のこりを緩めたうえで、頭痛がどうなっていくのかで原因を特定していく事とする。

初回
全身調整と背骨を中心にはりで筋肉の緊張を緩める施術を行った。頸椎2番には慎重にはりを行った。

2回目(一週間後)
施術翌日に強い頭痛が発生したのだが、2日目以降は以前と比べて頭痛の持続時間が減って活動量が増えているとのこと。全身調整、背骨と首へのはりを行った。

3回目(一週間後)
全く頭痛が出なかった日が1日あり、凄く痛い日もこの一週間はなかった。頭痛は問題ないのだが、だるさが出てきている。全身調整、背骨と首へのはりを行った。

4回目(一週間後)
頭痛そのものは前回と同じく痛みのない日が数日あり、凄く痛いという日もなかったのだが、なんとなく体調がすぐれないらしく施術中ももぞもぞ動く。胸を中心に熱がこもっている感じがありそれが気持ち悪くて動いている感じがある。はりで熱を流す施術を追加した。全身調整、背骨と首へのはりを行った。

5回目(一週間後)
週の後半からは元通りに体調が改善してきている。頭痛の方は全く頭痛がない日が2日、あとは軽めの頭痛のみでひどい頭痛は出ておらず、という状態で過ごせている。全身調整、背骨と首へのはりを行った。

6回目(二週間後)
二週間間をあけてみたのだが、先週は軽い頭痛がちょこちょこ出ていたが、今週はほとんど頭痛が出ることもなく過ごせていた。

7回目(二週間後)
時々体のだるさがでるとのことだが、頭痛はほとんど出ることなく過ごせていた。

8回目(二週間後)
時々体のだるさがでていた、今回は頭痛が1回発生した。

9回目(二週間後)
頭痛は2回発生したがだるさはほとんど出ることなく過ごせていた。

10回目(二週間後)
途中に突然異常に食欲が増した時期があり、ものすごく食べた後から頭痛が頻発するようになった。内臓調整を追加。

11回目(三週間後)
最初の一週間は調子よく過ごせていたのだが、長時間外で活動した後にまた食欲も増して食べ過ぎたぐらいから体調を崩し、頭痛が増えているが今週に入ってからは
回復してきているとのこと。

12回目(三週間後)
今回は頭痛もなく元気に過ごせていた。食欲が増しても食べ過ぎないようにだけ指導をして、一ヶ月間をあけて問題なければ次回で卒業予定。

13回目(一カ月後)
たまに軽い頭痛が出る程度でほとんど問題なく元気に過ごせているとのこと。今回で卒業とした。

<まとめ>
純粋な緊張型頭痛だけでは考えずらい症例。

途中、食欲が異常に増して頭痛がでるということが2回あり、まだ生理が来ていないのでどういったメカニズムで発生しているのかがよくわからず、自律神経なのか生理がはじまる予兆としてのホルモン的な変化によるものなのかがイマイチはっきりしなかった。

しかし、食欲が増しても食事コントロールさえしていればそれ以上悪くなることはないため、食べ過ぎなどで内臓に負担をかけたことから筋肉の緊張を発生させて、頭痛が発生していた可能性が一番高い。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

頭痛の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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1.自律神経失調症症例頭痛
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