3年続く喉の違和感(ヒステリー球)と小さい時からの首こりで来院された50代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
元々かなりの首こり症で、物心ついたころから既に首が重たい感じがあり、自分ではそれがずっと普通でみんなそうだと思っていたとのことである。

6年前に乳がんを患い手術とホルモン療法で現在は再発もなく安定しているのだが、3年前ぐらいから喉に違和感を感じるようになりそれから胸の苦しさなどの自律神経症状が出るようになり来院した。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
物心ついた時からの首こりとのことで、体質的に首こりが出やすい骨格形状をしている可能性が高いか、出産の際に何らかの外部圧力が加わってそれが原因で首がこりやすい状態でずっときてしまっているのではないかと思われる。3年経過しているので乳がんとの直接の因果関係はそれほど強くはないと思われるため、首こりが徐々に悪化していったことによる自律神経の乱れから来ているのではないかと思われる。

初回
全身調整と首こりに直接はりを行った。施術後は喉の違和感は残るが、胸の苦しさはなくなったとのこと。

2回目(一週間後)
喉の違和感も胸の苦しさもまだ出るが、程度が軽くなったことで気持ち的にも楽に過ごせているとのこと。全身調整と首こりにはりを行った。

3回目(一週間後)
胸の苦しさは出なくなってきている。喉の違和感は出たりでなかったりと波が出るようになってきた。全身調整と首こりにはりを行った。

4回目(一週間後)
喉の違和感はまだ発生するが、出ない時間も増えてきており、出ても比較的状態が軽いとのこと。全身調整と首こりにはりを行った。

5回目(一週間後)
喉の違和感が最初を10だとすると出ても2~3程度とかなり軽い状態で維持できている。全身調整と首こりにはりを行った。

6回目(二週間後)
喉の違和感もほとんど感じることがなくなり楽に過ごせていた。

7回目(三週間後)
調子よく過ごせていたため、一カ月あけて問題がなければ卒業予定。

8回目(一カ月後)
定期健診で左の胸に影が見つかりそれが心配になって再び喉のつまりが出てきた。施術後は喉の違和感も消失。心理療法。

9回目(一カ月後)
左胸の影については精密検査の結果待ちでまだわからないが、喉の方は安定している為今回で卒業とした。

<まとめ>
首こりからヒステリー球が発生していた症例。自律神経系の問題を持たれている方の多くが喉の違和感や異物感を訴えられるが、多くは緊張状態が長時間続く事により、呼吸は知らず知らずに早くなり、その結果呼吸のし過ぎによって気道の筋肉を広げる作用のある二酸化炭素が不足することで症状が発生する。

この症例では8回目がまさに二酸化炭素不足によるヒステリー球で、全身の筋肉を緩めてリラックスさせ、心理療法で心理的緊張を取り除くことで呼吸が元に戻ったことで改善した。

来院当初からの喉の違和感も基本的には二酸化炭素不足ではあるが、呼吸を安定させるのに首こりの改善が必要だった症例。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

自律神経の症状改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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1.自律神経失調症症例首こり、肩こり
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