ストレスの自覚はないが、二カ月前から不安感と恐怖感に悩まされて来院した40代男性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>
自分でも特別思い当たる原因はないのだが、2ヶ月ぐらい前から不安感や恐怖感を感じるようになり来院した。

動悸や息苦しさといった自律神経症状は出ないものの、原因の分からない不安感や恐怖感に悩まされている。

心療内科を受診してパニック障害との診断で、抗不安薬を処方されているのだが、それほど効いている感じがしないとのこと。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
自律神経症状がほとんど出ていないことを考えると、感情を作り出す大脳辺縁系に血液を送る首の前側の動脈(総頚動脈)が首前面のこりにより圧迫されて、血流が低下しているのではないかと推察される為、首の全面で動脈周囲の筋肉を緩める施術を主体に行っていく。ネガティブな思考が回って不安感に襲われているわけではない為、心理療法は不要と判断した。

初回
全身調整を行ってから、首の前の筋肉を緩める施術を行った。施術後、不安感が若干和らいだような感じがするとのこと。

2回目(一週間後)
前回の施術後からかなり不安感も恐怖感も軽くなり、日常生活で凄く辛くなることはなくなったと喜んでいる。全身調整と首の前の筋肉を緩める。

3回目(一週間後)
仕事で出張することがあり、若干だけ不安感がよぎることはあったが、以前のようにひどく不安を感じることなく過ごせていた。全身調整と首の前の筋肉を緩める。

4回目(一週間後)
稀にではあるが不安感や恐怖感というレベルではなくなんとなくの不快感を感じることがあったが、普通に生活できている。全身調整と首の前の筋肉を緩める。

5回目(二週間後)
2週間の間に2~3回程度不快感を感じることはあったが、問題なく過ごせていた。

6回目(三週間後)
稀に不快感がよぎることはあるが、ひどくなることなく過ごせていた。

7回目(一カ月後)
出張が一度あり行ってきたが、変になるような感じもなく問題なく過ごせていた。今回で卒業とした。

<まとめ>
首前面のこりが血管を圧迫して不安感・恐怖感を出していた症例。なぜ原因は不明であるが、一カ月、間をあけても首こりが再発してきていない為、首こりを発生させた原因は取り除かれていると判断した。

感情というのは脳内の神経伝達物質によって決まる為、肉体的な問題から発生している不安感などに対しては肉体的アプローチで対応していく事が重要なことを再確認させて頂いた症例。

 

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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