17年間パニック障害で飲み続けている抗不安薬をやめたいと来院された40代女性(浜松市)の鍼灸症例

<初診時のカウンセリング>

17年前にパニック障害になり、それからずっと服薬を続けながら生活をしている。薬を飲んでいれば動悸や不安感などの症状はある程度コントロール出来ているのだが、ご本人の希望が薬を飲まなくても普通の生活を送れるようになりたいとのことで、今回来院された。

2年前に医師の指導の下、徐々に薬の量を減らしながら離薬(薬を徐々に減らして最終的に薬をやめること)を行ったのだが、薬を減らしている途中で動悸や不安感が再び強く出るようになって1ヶ月近く会社を休むことになってしまった。

医師法及び医薬品医療機器法(旧薬事法)の関係上、当院で薬の量に関する指導は行えない為、医師と相談しながら再び離薬に挑戦していくとのことで、同意を頂いて施術を開始することとなった。

鍼灸は今回初めての受診である。

原因のわからない不安感で来院された40代女性(浜松市)の症例

<施術内容と経過>

薬でパニック発作は薬でコントロールできているとのことだが、体を診させて頂くと首こりが強く首の動きも悪いことがわかったため、首こりの改善を行った上で医師の指導の下離薬を行っていくこととした。(東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医師が、首こりから自律神経の働きがスムーズにいかず、パニック障害やうつ病、自律神経失調症につながるという見解を示しています。)

施術開始と同じ時期から、医師に相談して減薬をはじめ、毎日服薬していた薬を減らすところから開始した。薬の量を減らしたという不安感に対して心理療法を同時に行う。

3回目の来院時には以前は薬を飲んだ状態でも、時々出ていた不安感や動悸が薬を減らした状態でも出なくなり、2日に1度の服薬まで減らしていると報告を受ける。

そこからさらに医師の指導の下、服薬する間隔を長くしていき、5回目の来院時には3日に1度まで服薬の間隔をあけているが、全く不安感や動悸が出てくることなく過ごせていた

7回目の来院時には一ヶ月間全く薬を飲まない状態で過ごしていたが、特に何事もなく過ごせており、仕事上のトラブルに特別動じることもなくなった為、卒業とした。

 

<まとめ>

離薬は離脱症状の回避と法令遵守の観点から、医師の指導を仰ぎながら行わなくてはいけない為、自己判断で薬をやめないようしっかりと話をしておくことが重要である。

この方は自分自身を追い込む癖があり、その思考パターンが根っこの部分にあったため、カウンセリングにより思考パターンの変更を行っていった。思考が変わってきたあたりから、離薬が加速的に進んでいった症例。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

パニック障害の改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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