首肩こり・腰痛・手首の痛み・足のしびれなどの全身症状で来院された30代女性(浜松市)の鍼灸症例

心身堂院長 佐野佑介
この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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<初診時のカウンセリング>
腰の痛みがひどくて既に一カ月程度ほとんど動けていない状態で家族に支えられながら来院した。カウンセリングをしていると首肩こり・手首の痛み・足のしびれといった単純に腰痛だけでは説明がつかないような症状を複数抱えているとのこと。

症状が出てきた経過を聞いているとストレス性の症状の特徴(症状が移動したり突然消えたり、気分が落ち込むとひどくなったり)を持っていることから、ストレス性の身体表現ではないかと思われる。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
カウンセリングを進めていくとかなりストレスを溜め込んでしまう考え方をしているようなので、心理療法を行いながら施術で全身がこわばってリラックスできなくなっている状態から力が抜けてリラックスできる状態へと誘導する必要があると思われる。

初回
カウンセリングで今、感じている心の辛さを引き出せるだけ引き出した。話をじっくり聞いた後に動いてもらうと腰の痛みが半分程度まで改善。全身調整と全身の筋肉を緩める施術を行った。

2回目(一週間後)
前回の来院後から、一ヶ月以上も続いていた痛みが急激に軽くなり、一人ですたすたと歩いて来院された。ごく軽い痛みは残るが全身の症状が2割程度まで減っているとのこと。全身調整と全身の筋肉を緩めてから心理療法を行った。

3回目(一週間後)
日常生活ではだいぶ動けるようになってきているのだが、その分疲れてきたタイミングで臀部(おしり)のあたりに痛みが出てくるとのこと。動けなかった間に筋肉の低下がある為しばらくは筋肉トレーニングと思ってなるべく動いていただくようにお話した。全身調整と全身の筋肉を緩めてから心理療法を行った。

4回目(一週間後)
今週はほとんど辛いと感じることもなく過ごせていたとのこと。全身調整と全身の筋肉を緩めてから心理療法を行った。

5回目(二週間後)
二週間間をあけてみたのだが、時々おしりのあたりに痛みを感じる程度で調子よく過ごせていたとのこと。

6回目(二週間後)
久しぶりに少しだけ遠出してきたのだが、それも問題なく元気に過ごせていた。ふとした瞬間に一瞬痛みが走る程度で過ごせている。次回まで問題なければ卒業とする。

7回目(一カ月後)
二週間ぐらい前に心理的にストレスを受けることがあり、そこから足のだるさ、不眠という症状が出始めてしまって現在も継続している。一度2週間間隔に施術ペースを戻す。

8回目(二週間後)
前回の施術後から足のだるさはすぐに引いて改善した。不眠の方も浅い感じはあるが眠ることは出来るようになっているとのこと。

9回目(二週間後)
途中悩み事をして体調を崩しかけたこともあったが伝えた心理療法を自分で行って改善したとのこと。

10回目(一カ月後)
夜もぐっすり眠れるようになり、悩み事にもうまく対処できている。今回で卒業とした。

<まとめ>
ストレスによる身体表現性障害の症例。

ストレスを感じやすい方に多いのだが、ストレスに連動して体の症状が緩解したり、悪化したりを繰り返しやすく心理療法でストレスへの対応手段を身につけると自分でも対処が可能になっていく。

体調が良くなるとメンタルを整える為に日ごろ行ってもらっていることをおろそかにしがちになり、思考パターンが元に戻ってこの症例のように途中で崩れてしまうことはあり、少し施術回数が増えてしまったが、自分との向き合い方を学習して頂く事の難しさを感じた症例。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

自律神経の症状改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。