5年前から続く腹痛・下痢と連動して動悸がするため来院した20代女性(磐田市)の鍼灸症例

心身堂院長 佐野佑介
この記事を書いた人

静岡県浜松市中央区和地山で自律神経専門のはりを刺さない心身堂鍼灸院を開業。
自身も26歳の時にパニック障害から自律神経症状に苦しんだ経験を持つ。
2012年に独立開業。
国家資格 はり師(148056号)・きゅう師(147820号)
医薬品登録販売者試験 合格

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<初診時のカウンセリング>
5年前ぐらいからお腹が痛くなったり下痢しやすいということが続いており、お腹の調子が悪くなると連動して動悸を感じることが増える状態。

動悸が出ると不安感が強くなるのだが、最近になって、お腹の不調な日が増えて、動悸も増えてきた為、何とかしたいとのことで来院した。

今回、初めて鍼灸を受ける。

<施術内容と経過>
症状的には過敏性腸症候群を思わせるようなお腹の不調とそれに伴う動悸である。おそらく動悸と不安感は下痢もしくは腹痛ストレスによってセロトニンの分泌量が低下したことに起因して症状が出ている為、お腹の調子を整えることを中心に施術計画を立てていく事とする。

初回
内臓調整、全身調整を行う。内臓調整中にお腹がかなり動いたが、動き過ぎの印象。

2回目(一週間後)
あまり大きな変化はなく、今日は調子が良いがそのほかの日は腹痛も動悸も結構多かった。

3回目(一週間後)
前回の施術後、しばらくお腹の調子が良かったようで動悸も楽に過ごせていた。後半に差し掛かかってくるにしたがって、再びお腹の不調が出てくるようになった。

4回目(一週間後)
今週は前回ほど調子が良い一週間ではなかったものの、ものすごく悪いという状態になることなく平均的には軽めだったとのこと。

5回目(一週間後)
朝だけお腹が痛くなることはあるが、日中までお腹が痛い状態が続くということがなく過ごせている。不安感や動悸もほとんど感じずに過ごすことが出来た。

6回目(二週間後)
やはり朝はお腹が痛くなるそうではあるが、下痢になることもなく不安や動悸も落ち着いて過ごせているとのこと。

7回目(三週間後)
毎朝出ていたお腹の痛みが、出たりでなかったりと痛みが出ない日が少し出てきている。終わりの一週間ぐらいから症状が出てきているような感じがある。

8回目(三週間後)
2週間は腹痛もほとんどでなく過ごせていたが、3週間目に入ってから腹痛が出るようになってきた。

9回目(一カ月後)
多少の波はあるものの、凄くお腹の調子が悪い日はなく、動悸、不安感もほぼ問題なく過ごせている。二か月後に問題がなければ卒業とする。

10回目(二カ月後)
ストレスが加わった時にはさすがにおなかの調子が悪くなるのだが、ストレスから解放されると自然に調子のよい状態に戻る状態で過ごせている。今回で卒業とした。

<まとめ>
腸内環境の影響から動悸、不安感が出ていた症例。

腸活が大切といわれるようになったが、食事で食物繊維をとるなど食生活の改善に努めてもイマイチ改善しない場合には、自律神経や腸そのものの不調が絡んでいることがある為、内臓に対するアプローチが有効なことがある。

来院前から既に食事には気を付けてくれていたため、特別な食事指導は必要なかったのだが、食生活が乱れていた場合にはさらに改善まで時間がかかってしまったと思われる。

※こちらの記事は症例であり、全ての方に効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

自律神経の症状改善について詳しく解説していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。