ブログをご覧頂きありがとうございます。浜松市はりを刺さない心身堂鍼灸院の佐野です。
人との食事(会食)になると緊張してほとんど食べられなくなってしまう、食べた後に気持ち悪くなるなど、会食恐怖症で悩まれている方の中には、食べ残しに対して抵抗感や罪悪感を持たれている方がいらっしゃいます。
今回は食べ残しそのものが倫理的に正しいのか間違っているのかの話ではなく、「食べ残しをしてはいけない」という考えを持つことで、会食恐怖症が引き起こされている方に取り入れて頂きたい考え方について一緒に考えていきたいと思います。是非、最後までお読みください。
結論:食べ残しをしても無駄になっているわけではない。
食べ残しをすると、周りの人からどう思われるのかを考えてしまう、食べ残しすることに対して罪悪感を感じてしまうことはよくあります。
日本は戦中・戦後に食糧が不足していたこともあり、食べ物を粗末にすることに対して批判的な価値観が文化的にも存在します。
学校給食などでも残食をなくす為の努力をすることが正しいとするような風潮もありますし、世界には飢餓で苦しむ人たちがいるのに食べ物を粗末にするなんてとんでもないという考え方を教育します。
このような環境の中で育つと、どうしても食べ物を残すことは悪いこと、出されたものは全て食べなくてはいけないという価値観が深層心理に出来上がります。
食べ物を粗末にしてはいけないと真面目に考えてしまう人ほど、食べ残しをしてしまうのではないか、食べきれないのではないかという恐怖から緊張状態になり、胃が収縮して食べられない、気持ち悪くなってしまい、会食恐怖症へとつながっていってしまうことがあります。
そういった恐怖から会食恐怖症が出てしまっている方に取り入れていただきたい考え方をいくつかご紹介させていただきます。
食べ残してしまうことに対して抵抗がある、罪悪感を感じる、食べきれなかった時の恐怖で緊張してしまう方のヒントになるかと思います。
食べ残しをなくしても、飢餓で苦しむ人は助からない
世界には食べ物がなくて苦しんでいる人がたくさんいることは事実です。
しかし、あなたが食べ残しをなくしても、飢餓で苦しんでいる人たちは助かりません。
あなたが食べ残しをしなければ、飢餓で苦しむ人たちのところに自動的に食べ物が移動していくのでわけではありません。
地球全体で見れば全人類を養えるだけの食糧を生産していると考えられていますが、実際には飢餓で苦しむ人たちの元に私達人類は食糧を届けることができていません。
飢餓の問題の本質は、食糧を届けることができない、届けても商売として成り立たないから、継続できないなど社会システムの問題でもあります。
あなたが食べ残しをしてもしなくても、飢餓で苦しむ人は変わらないのです。
そういった方達を助けるのであれば、食べ残しを減らすという効果のない方法ではなく、絶対的貧困や物流の問題解決など別の方法が必要です。
あなたが食べ残しをしないように自分にプレッシャーをかけて食事をすることではありません。
食べ物は無駄にならない
食べ物は化学的に言えば有機物のことです。
有機物とは、炭素を含む化合物のことを私たちは食糧、食べ物として総称しています。
この地球上に生きるほぼ全て(一部例外がいます。)の動物は有機物をエネルギーとして活動をしています。
私たちが食べなかった食べ物(有機物)は、他の生物が利用します。
カラスがゴミを荒らすのは、食べ物を得る為です。
さらに小さい生物も常に食べ物を狙っています。食べ物が腐るというのは、微生物が食べ物(有機物)を食べて活動した結果です。
私たち人間の食べ物という限定をすれば、食べ残しをすると確かに無駄になったと言えるかもしれませんが、有機物はこの地球上にいる動物の多くが利用するエネルギー源なので、放っておいてもいずれかの生物が食べ物として利用します。
ゴミとして焼却しても、生物が利用しても有機物はエネルギーと二酸化炭素に分解されます。
二酸化炭素は植物プランクトンや植物が光合成に利用して再び有機物化合物を作り出し、食料となります。
結局のところ有機物(食べ物)は循環しているのです。
無駄になったという意識を強く持つ必要はなく、私達は有機物の循環の中にいるだけなのです。あなたが食べ物を残してしまったと強い責任を感じる必要はありません。
他人はあなたが思っているほど、あなたに興味がない
食べ残しをしていることを、他の方に見られてどういう思われるのか?という気持ちは多くの方がもたれる恐怖の一つです。
しかし、良くも悪くも事実として他人はあなたに興味がありません。
基本的に自分にしか興味ないのが人の本能です。
あなたに興味をもっていないのに、あなたが食べ残したかどうかについて興味を持ちますか?普通もっと興味がないのではないでしょうか?
私が今日の昼食を食べ残しをしたかどうか、あなたは興味がありますか?知りたいですか?
どうでも良いと思います。
あなたの親兄弟や親友、パートナーが、体調を気遣って食事量を気にすることはあると思います。
私達のような医療者が食事について聞くのは、食べ残ししたかどうかに興味があるわけではなく、あなたの体調を把握するという目的を達成するために知ろうとするだけで、本質的にあなたが食べ残しをするかどうかについて興味があるわけではありません。
他人にどう思われるか?と深く考える必要はありません。興味を持たれていないので気にもされていないことがほとんどです。
まとめ
食べ残しをしないようにという価値観を強く持ちすぎると、それが原因で緊張が強くなって会食恐怖症を引き起こす原因の一つになってしまうことがあります。
日本は文化的に食べ残しを良しとしないという価値観があり、そう入った価値観を持ってしまうことは仕方がないことです。
あなたが食べ残しをすることに対して強い責任や罪悪感を感じてプレッシャーを感じながら食事をする必要はありません。
食べ残しをしてもしなくてもほとんど何も変化しないのが事実だからです。
他人の目が気になる気持ちもわかりますが、他人は基本的にあなたに興味がありません。
興味がないあなたが食べ残しをしたかどうかについてはもっと興味がないという事実をしっかりと認識しましょう。
当院での改善をご検討の方は社会不安障害をご覧ください。
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